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――昔々、乗り物は使えなくなるとすぐ捨てられていました。
そのままにしておくと、魂を宿して人を惑わすと言われていたからです。
しかしその仕打ちが、逆に乗り物達の恨みを買ってしまいました。
捨てられた乗り物達は妖怪へと姿を変え、まだ使える乗り物達を壊すようになったのです。
それでも、乗り物達に悪意があった訳ではありませんでした。
本当は、ただ振り向いて欲しかっただけ。
もっと自分達を大切にして欲しかっただけだったのです。
とある法師は、それに気付いた事で、乗り物達を鎮める事ができました。
乗り物達は改心し、厳しい厳しい修行を積んで神様となりました。
そして法師は、このような事が二度と起きないよう、とある島に神社を建てました。
乗り物達が役目を終えても、人々から労われ、そして愛してもらえるようにするために――




