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僕はスケベじゃない!  作者: ポンタロー
1/14

プロローグ

※どもども~


ポンタローです~


新作行きます~


もう完結しているので週3で更新していきます~


ちなみにこの作品は、ピクシブさんの方にも載せさせていただいております~


よろしくです~


ではでは~

プロローグ


「お迎えにあがりました」

「はい?」

 五月の半ば、学校の帰り道、校門を出たところで、僕はいきなり見知らぬ女性に声をかけられた。

 パリッとしたビジネススーツにお洒落な眼鏡をかけた、秘書を思わせるその女性は、かけていた眼鏡をツイと持ち上げる。

「お迎えにあがりました」

 僕は辺りをキョロキョロと見回した。しかし、周囲には誰もいない。

「えと、僕ですか?」

「はい」

 女性は短く即答する。

「あの、人違いじゃないですか? 僕達、初対面ですよね?」

「そうですね」

 女性はやはり短く即答する。

「確かに私達は初対面です。ですが、私はあなたのことをよく存じ上げております。その男には見えない華奢な体躯と、どう見ても美少女にしか見えない童顔。あなたが富持とみもちスケベ様ですね?」

助平すけひらです! 助平! 名字はいいけど名前が違う!」

 僕は思わず叫んでいた。小さい頃から、この名前のせいでさんざんからかわれてきた思い出が蘇る。

 女性は、またツイと眼鏡を持ち上げた。

「……失礼。渡された書類のフリガナがスケベだったので、つい間違えてしまいました」

 どこのどいつでしょう? そんな失礼なフリガナふった奴は。

 と聞きたかったが、これ以上関わりたくないので言葉を飲み込む。

「じゃ、僕はこれで……」

 とりあえず、そう言って帰ろうとする僕の前に、女性が壁となって立ち塞がった。

「お待ちください。文脈がおかしいです。この話の流れから、『じゃ、僕はこれで……』ということにはなりません」

 チェ、勢いに任せてとんずらしようと思ったのに。

「……分かりましたよ。で、僕に何の御用ですか?」

「ですから、お迎えにあがりました。スケベ様」

「しれっと名前間違えるのやめてもらえませんかね。でも、お迎えって……。何でまた?」

「ある方が、あなたにお会いしたいそうです」

「誰ですか? そのある方って?」

 女性が、艶やかな唇に人差し指を当てる。

「秘密です」

「じゃ、嫌です」

 そう言って、僕は、強引に女性の横を抜けて帰ろうとする。

 しかし、女性は瞬間移動でもしたかのように、あっという間に僕の前方に回りこんだ。

「お待ちください。大人しく付いてきていただかないと、私が困ります」

「そんなの僕の知ったことじゃないですよ。大体、会いたいのに名前も名乗らないなんて失礼じゃないですか」

「……確かに。しかし、それにはちゃんとした理由があります」

「理由?」

「はい。そのある方というのは、私の雇い主なのですが、彼が言うには、名前を明かせば、あなたは絶対に自分には会いたがらないと思っているようです」

「じゃ、やっぱり嫌です」

「どうしてもですか?」

「どうしてもです」

 女性がこれ見よがしにため息を吐いた。

「……仕方ありません。では、実力行使ということで」

 そう言って、女性が一本の注射器を取り出す。

 そして次の瞬間、僕の意識は闇に呑まれた。

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