対話
とある海岸沿い
ひとりの猫背の中年のおっさんと大剣を背中に背負った女使いがそこに居た
「こんなところに、これ・・・?」
目の前にあるのは四角形を基礎とした模様
それを見たとたん反射的に、柄に手を当てていた
「なぁ、おっさん?」
「なんだ?」
「これって、終焉の紋だよな?」
「よく知ってるね?」
「そりゃどうも」
空中を激音が走る
『――"山陽備防特別司令部"より全防衛ラインに通報!航空戦艦一艦、上空を通過――』
空をライトの明かりが照らし、それが来た
艦影。全長五百メートル級の大型戦闘艦が空に姿を見せた
「レーテアウルのエンブレム・・・!まさか、最新型!騎士の方舟!」
「違う、あれはレーテアウル軍、八魔天王のトップ、ディオス・ペガの艦船・・・おそらく、挨拶だ」
影は七つ、それぞれ、体格や身長も違い、髪なども違う陰影があり、目が赤く光っており、こちらを見下していた
おそらく、なにかしらの術式で姿を隠していたのだろう
「あれが、この星を制圧しようと動き出している八魔天王軍、レーテアウルが誇る、御守霊使い最強の騎士達だな、武州の騎士、七霊星がようやく太刀打ちできるってレベルの騎士軍団、この武州を取り巻く世界で、尖山中仁の四聖百魔とイングラスコッティア王国のVie de engelia(栄光ある天使達)の上に付く、有名部隊・・・」
「こんな時になんで?」
「私にもわからない、けど何かが動き始めているということだ」
パイプ煙草を蒸す男性
「へぇ・・・平穏な世界は終を告げるってか?」
「そういうことだね?」
「武州政府が何かを隠しているってこと?」
「それか、気づいていないかだよね?」
「気づいてない?なにに?」
「レーテアウルの八魔天王が出てきてるってことは、裏金って訳じゃなさそうだな」
「御守霊に関して?」
「その可能性はあるだろうな、それに、この国の三大基法、必要以上の戦力をもたないってあるだろ?」
「あぁ、確かにあるな、それが?」
手に当ててた柄をもどす、女使い
「この武州で封印指定されてる、九尾姫、闇之太陰、天照系御守霊、これらが解き放たれれば戦力が大幅に変わってしまう」
「けど、政府発表じゃ、解除されてないんだろ?それに何も戦力の増強って御守霊に限ったことじゃないだろ、考えたくもねぇが強化霊装―魔神咆哮・災神の酒杯」
「その可能性はあるねぇ~、これはあくまで推測だが、伝説上の黒月の姫が解き放たれたとしたら?」
「・・・考えたくもないぜ」
「そういうこと、もしかしたらそれを防ごうとして、政府が内々に動き出したのかもしれん」
「けど、八魔天が来らマスコミが追求しないわけないだろ?」
「そこなんだよね、なんで騒いでないのか、あるいは政府が手を回しているかなんだよね」
「宣戦布告じゃないだろうな?」
「その可能性もある」
二人とも、海辺を眺めていた