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その日、早朝

ズテンッ!壮大に夜姫がコケた


「どうかしたのか?まだ夜だぞ?」

「う~ん・・・あのさぁ?」

「なに?」

「KY?」

「うるせぇ!」

性格が変わっている時以外、こんな感じ、といっても誰かがカッコつけようとしたらそれを尽く潰してしまうのが俺である


「ねぇ~」

ゆさゆさと体を揺すってくる

俺はここまできて気づいたことを打ち明けてみた

「あのさ・・・もしかして御守霊みかみりょう?」

「う~ん、惜しいね、妖怪と幽霊のハーフみたいなものだよ」

「だから、実体化できてるの?」

「そゆこと、わかってると思うけどフツーの御守霊みかみりょうは触れないの知ってるでしょ?」

「あぁ、だてに生きてませんから」

「まぁ、特殊なのよ、特殊」

何が特殊なのかさっぱりわからないが、そんなことは気にせず

「ふぅ~ん」

そう言いながら俺は目をつぶる、それからもうひと寝し始めた


チュンチュンチュン・・・

山の西あたりから太陽が登ってきた、その日差しと小鳥の鳴き声と何といっても


「暑い・・・」

それが、現状を表す唯一の言葉だった。

「……30度は、あるよな」

そういや天気予報の〇純さんが”明日は30℃超えます”と言ってた気がする

何だコレ!?真夏の猛暑日並じゃないか!!

というか、真夏なんだけどな!つーか、夏だよ!チキショー


俺は服を整えながら、その場でホコリを叩いて、山を降りた


「どこに行くの?」

「あぁ~実家」

「家?」

「そんなところ」

そうたわいもない話をしながら山を降りていく

「そういやさ、夜姫さん」

「なに?」

「俺は君のことをなんと呼べばいいかな?」

「う~ん」

少し考える夜姫、そして

「夜姫でいいよ?そっちのほうが気楽だし、それか”ヒメ”でもいいよ」

「わかった」

俺は微妙に納得する

「んじゃあ、私も君のことヒロって呼ぶよ」

「OK~、俺も気楽だわ」

そういうと、俺は少し周りに気を配りながら、歩いていく

「ねぇ、ヒロ?」

「なにヒメ?」


「言っていい?」

「いや、言わなくてもわかる」

多分、俺と夜姫が思ってることは一緒だと思った

「「(なにかがおかしい)」」

そう思いながら当たりを警戒しつつ、山を降りていく


「ヒメ」

「うん」

そういうと、俺の体の中に入っていく、夜姫


幸い、本家には今日、儀式を行う面々が大広間に揃っていることが告げられ、俺は急ぎ足で大広間に向かった


「あぁ~遅くなってすいません、篝纒かがみ弘道ひろみちただいま戻りました」

「おぉ、私の予定していた時刻より、30分も早い、明日は槍が降るのぉ」

なにやらがっかりというかなんというか、とりあえず馬鹿にされた気がした

「珍しい~弘道が時間の30分前にくるなんて」

驚愕した表情の明美姉さん


「まぁ、皆のもの揃ったみたいじゃな、さて、行くとしようかな」

そういうと、頭首である叔父さんは立ち上がり、とても80歳とは思えない足取りで、儀式をするための祠に向かった



それから、順調に進んでいた山道に突如獣の咆哮が木霊した


「・・・皆のもの、よいな」

当主がその場で指示をだす


ガルルルウル!現れたのは熊が異常変化した生物

見上げるような体躯、全身縄のごとく盛り上がった筋肉、頭の両側から耳が変化し熊では異常な太い角がそそり立っていた、目は狂ったように赤く輝いており、その姿は熊ではなかった。

ここにいる俺でさえもビリビリと振動が伝わってくるほどの雄叫びを上げる


「異獣じゃ、明美、美雨任せる!」

「「あいよ!」」

そう言いながらも叔父さんは山の祠に向かって、颯爽と走り抜けていく、それと並行して、横を通っていくほかの人たち


「んじゃあ、明美姉さん?」

「美雨も」

「「いっちょやりますかぁ!」」

そういうと戦闘態勢に入る二人

人間と御守霊みかみりょうが交わると、どうなるか、それは簡単なことで、御守霊みかみりょうの一部能力を人間が使うことが可能で、信頼関係によって攻撃力とか使える技が変わる。

しかし、一歩間違えれば、人間が御守霊みかみりょうと同化してしまうこともある、そうなるとほぼ死に近い状態になる


美雨姉さんと明美姉さんは互いに焔龍と氷龍の姿をまとっている

焔の柱からでてきた美雨姉さんは焔のように赤い和服

氷の柱の中からでてきた明美姉さんは氷をそのまま表現した青色のドレス

二人とも、武器はもたないずに、普通の攻撃用の術で異獣に対抗し始めた


「ゆけ!氷槍!」

「暴れな!焔鎖!」

それと共に、二人が攻撃を仕掛ける

片方の焔鎖は、左から異獣化した熊の動きを封じ、右から明美姉さんの氷槍で熊にダメージを与える

「堅い!」美雨姉さんが少し苦しみながらも、攻撃を続けながらそういう

「美雨!焔鎖で止めて!確実によ!」

「あいよ!」

そういうと再び熊を鎖で巻きつけ、再び動きを止める

それと同時に明美姉さんは呪文を唱え始める

「連なり穿て!」

そういうと一直線に槍が並び、それが連続して氷槍が放たれた

「「これでFinish!」」

そういうと、鎖と槍のコンボで熊に最後の止めをさそうとしたとき


グルァァ!熊の咆哮が木霊すると同時に熊の反撃が始まった


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