↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

テンプレ?天ぷら??つまらない世の中に挑戦状を♪

作者: 椿 桜
掲載日:2026/09/09

テンプレ定食と天ぷら定食

1つずつください


今日も、私はプレプラ居酒屋に来ていた

ここでしか味わえない定食がある

その名もテンプレ定食

日によって味が変わる

だが、裏メニューゆえ一週間毎日通った

常連客証明証がないと提供してもらえない


ふっ、私は通いすぎて顔パスさ

恋人居ない歴=年齢

友達居ない歴=年齢


そんな、私の唯一の拠り所がここなのだ

あぁ、なんて清々しい気持ちなんだ!


「お客さん、今日も元気だねぇ。

 はいよこれ、オマケね」


今日のオマケは何ですか?


私は、目を輝かせながら店主に聞いた


「先に、聞いちゃ楽しみ半減だよ

 開けてからのお楽しみね」


店主は、そう言い残しカウンターに戻った

私は、トレイの上に乗った

どんぶりぐらいの大きさで卵の形をした容器を

開けようとした…んだけど

深い深呼吸をした


オマケと言えば、小皿に乗った一品を

想像するものなんだと思う

友達いたことないから分かんないけど!


ここは、違うのだよ

ふふん


定食が届くまで、まだ時間はたっぷりある

ゆっくり、堪能させてもらいやす

合掌

ドキドキ

ゆっくりと、容器を開ける


ほわーーーーーーーー

眩しい

くぅーーーーーー、目が開けられない眩しさだわ


おふざけリアクションはこの辺にして

中に入ってたのは、、、


私は、驚きと嬉しさで思わず立ったまま気絶した

その時間、体感的に30秒


こ、これは!?

限定50個

超々プレミア

発売時に、争奪戦が激しくて

入院送りの人が沢山出たとされる

(私もその一人)


神造形 フィギュア

その名も

\T·A·M·A·G·O/


「おっ、喜んでくれたかい?

 この争奪戦で

 お客さんが入院したときいたからね

 伝手を頼って何とか確保したんだよ

 ま、日頃の感謝のお礼って事よ

 そんで、テンプレ定食と天ぷら定食お待ちどお

 これからも、ご贔屓おねシャス」


もちろん!私の人生の楽しみは

ここに来ることですから!!


店主は、真っ白な歯を見せる笑顔をした後

他のお客の対応に向かった


今日のテンプレ定食はなんだろ

お品書きは、、、

あったあった


ここのお品書きは少し変わってて

箸の包み紙がお品書きになっている

開くと


ブハッ


放射線状に鼻血を出しながら私は倒れた

けど、誰も気にしない

ここでは、日常茶飯事だから


気を取り直してお品書きを読み上げます


テンプレ定食

本日の担当:伝説のカリカリ屋

メイン:カリカリチャーハン

副菜:カリカリ茄子とカリカリピーマンの

カリカリうまくち醤油煮

汁物:カリカリ豚汁

デザート:杏仁豆腐


一言:カリッと揚げてやろうか?


痺れるーーーーーー!!

以前、店主から伝説のカリカリ屋様の話を聞いたのね

何でもカリカリさせてしまう

デザート以外は


テンプレ定食で、極まれに出ると聞いて

通い続けた甲斐があったわ

この瞬間を味わうために生きてると言っても過言ではない


私は、号泣した

号泣しながら、天ぷら定食を頬張る

時間が経つとふやけるから

天ぷらは


天ぷら定食を食べてから

テンプレ定食のお品書きを見るべきだったわ

既にふやふやんが蓄積されてる

このままでは、完全にふやけてしまう

そんなのは絶対に許せない


天ぷらがふやけるなんて、、、

世界の滅亡よりも一大事よ!!


ガツガツガツ

うっ…喉詰まった

水…水…

え、何でこの水こんなにカリカリなの?


あ、これカリカリ様の

カリカリカリカリカリ水だ


あまりにも、カリカリし過ぎてるから

カリカリしてる人に飲ませると

逆に落ち着くとか

予約5年待ちだっけ?

確か、そのぐらいだったと思うけど


って、そうじゃなくて

今は、普通の水が欲しいの


ゴクゴク

目の前に、プラネタリウムが見えた

危ない危ない

後、3秒遅かったら

プラネタリウムダイブするとこだった

ふー


何とか、天ぷらのサク♪サク♪は守り切れた

次からは、別々で頼も…

仕事でムシャクシャし過ぎて

同時に頼んじゃったのよね

気をつけなきゃ


ニュースになるとこだった


32歳 ぼっち 恋愛未経験(当然未婚)

天ぷら定食を喉に詰まらせ、にやけながら死亡


恥ずかしすぎる

そのニュースで、カリカリ様に知られることが

世間的には、どうでもいいかな

だって、空気みたいなもんだから

空気に意識なんか向けないでしょ?

そういうこと


よし、テンプレ定食を食しま…


プルルルル


何よ、今から良いとこだってのに


はい、もしもし 三浦です


「三浦君、急いで会社に来てくれないか?

 緊急事態なんだ」


嫌です


ピッ


プルルルル


しつこい上司

ほんと、ブラックすぎ

早く転職しよ

私は、スマホの電源を切った


合掌

二拝

二拍手

一拝


目の前のテンプレ定食に感謝を込めて

テーブルに思いっきりお辞儀頭突き


これが、私のテンプレ定食の食べ方

毎回これをしてる

なので、私の席は私専用

へこんでしまうので


それにしても、何故私には友達が出来なかったんだろ

ふと、不思議に思った

心当たりが一切ない

ま、いっか


いただきまーす


スプーンを手に取る

カリカリチャーハンをすくい

口に運ぼうとした瞬間


ガラッ


「はぁはぁ、やっぱりここに居たのか 三浦君

 とにかく来てくれ」


引きずられていく私


私のテンプレ定食…

手を伸ばすが、どんどん離れていく

店を出る直前、最後に聞いた言葉


「テンプレ定食、このまま取り置きしておくから」


店主…

そうじゃなくて、このクソ上司を止めてーーー

私の心の叫びは、届かなかった


パタン


そして、私はブチ切れた


おい、このクソ上司

いい加減にしやがれ

こちとら、カリカリ様の料理を食べようとしてたんだよ

ぶち×すぞてめぇ


「み三浦君、カリカリ様って誰?」


てめぇ如きがカリカリ様の名前を呼ぶんじゃねぇ


ガン


勢い余って、上司を突き飛ばし

運悪く縁石に頭をぶつけた


あー、私の人生終わった

自首しなきゃ

スマホを取り出そうとしたが

テーブルに置き忘れたままだった

だけど、ここから離れるわけには行かない

どうしよう…


「イテテ…酷いよ三浦君

 死ぬかと思ったじゃないか」


は?


「強引に連れてきたのは悪かった

 すまない

 だが、本当に緊急事態なんだ」


は?


「だから、頼む!!」


何で、あれで生きてるの

このクソ上司 不死身なの?

良かったけども、、、


私もやりすぎました すみません

なので、お詫びも兼ねて会社に行きます

で、緊急事態って何があったんですか?


「ここじゃ、言えないんだよ

 何も聞かずに会社に来てくれ」


あー、はい


~会社 到着~


「皆、三浦君を連れてきたぞ

 やっぱり、プレプラ居酒屋に居た」


周りの奴らがひそひそ声で言う


「いつもあそこに居るよね」

「毎日通ってるんでしょ?」

「それも一人で」


うるせぇよ

だから、嫌なんだ

何処に行こうと私の勝手だろ


昔からそうだった

皆が好きなものを好きではないだけでハブられた

私が大切にしてたものを

「こんなのの何処が良いの?」って

バカにされたし隠されたり捨てられたこともある


だから、私は一人を選んだんだった

友達が出来なかったんじゃない

作ろうと思わなかったんだ


ほんと、世の中はつまらなくてクソだ

そんな時に出会ったのが、プレプラ居酒屋だった

中からは、いつも満足した顔の大人達が出てきていた


20歳になるまでは、お酒は飲めない

だから、嫌なことがあったときは店の前で眺めていた

20歳になればここに行くんだって思いながら


耐えて

耐えて

耐え続けた


そして、初めて入店したとき…


「らくん…うらくん…三浦君?どうしたんだい

 ボーッとしてたけど」


いや、何でもないです


人の回想シーン遮んなよクソ上司め


「というわけだから、お願いできるかい?三浦君」


え、なんの話ですか?

クソ共のひそひそ話…じゃなくて

会社に着いてからの話一切聞いてなかったです

すみません


「ちょっとー、頼むよ 三浦君」


もう一度言ってもらって良いですか?


「次は、ちゃんと聞いてよ

 今日の20時頃 突然一通のメールが届いたんだ


 明日の11時30分 契約の話し合いがしたい

 誰か一人、こちらに来訪願いたい


 見知らぬ会社なら、スルーも検討したんだが

 ここがめちゃくちゃ有名な会社でね

 CMを見ない日はない会社

 その名も


 "カリカリブ海カリ冷麺カリトゥエンティファイブ

 カリ中録カリンだカリカリエーックスカリ式会社


 略してカリ会社


 社長:狩屋崎 重三」


え、そんな有名なんですか?

テレビ一切見ないもので、、、


「カリカリ♪チュチュッ♪カリチュ~

 って歌聞いたことない?」


なんですか、その鳩ぽっぽみたいなダンス

歌は、まぁ

スーパーとかで耳にしたことはあります


「でね、ここからが大事なんだが

 三浦君、君に行って欲しいんだ」


何で、私なんですか?

他の優秀な人に頼むべきですよ

大事な案件なんでしょ?


「もっともな意見だね

 でも、よく考えてくれたまえ

 ひそひそと陰口を言う人間

 と

 面と向かって文句を言う人間

 どっちの方が信用できる?」


え、前者でしよ

陰口なんて、聞こえなければ何もないわけですし


「ちがーーーーーーう!!」


いきなりクソ上司が机を叩いた


「後者の方が清々しい!

 だから、こんなひそひそ陰口の部下より

 恐れを知らない三浦君を私は推したい

 頼めるかな?」


今、推したいって言いました?


「頼めるかな?」


質問に答えてくれないんですね

どうなっても知りませんけど、分かりました

じゃあ、プレプラ居酒屋に帰って良いですか?

まだ、テンプレ定食食べてないので


「そうだったね、食事の邪魔をしてしまってたんだった

 詳細は、この資料見て

 そんじゃ、お疲れ!!」


相変わらず、重要なところは雑なんだよね

このクソ上司


「何か言った?」


クソ上司って言いました


「はは、そういうところが推せるんだよね」


何言ってんだこいつ

と内心思った私であった


そして、私は猛ダッシュで向かった

テンプレ定食を食べるために


強風が吹こうと

ナンパされようと

客引きされようと

血みどろのゾンビに囲まれようと

は嘘だけど


とにかく全力で走った

全力過ぎて吐血した

知らん、そんなことより食べたいの

やっと、着いた…けど

閉店の立て札


膝から崩れ落ちた


諦めて帰ろうとしたとき

爪楊枝を咥えた店主が出てきた

いや、漫画かよとツッコみそうになった


「待ってたよ、お客さん

 温めてあるぜ」


白い歯を見せながらナイス〇〇みたいな

ポージングを取った店主

だから、まんg…(以下略)


やっと、食べれるんだ

特等席には、湯気漂う料理が並んでいた

匂いもカリカリしてる

鼻を通る度に、カリ♪カリ♪とした匂いがした

ほんとだよ??


さて、まず杏仁豆腐を食べます

口の中を一回スッキリさせたい

サッパリする


ここまで長かった

4000字超えたのに、テンプレ定食を食べてない

そんな作品、見たことある?

私はないよ

自分で言ってて意味分かんないもん


テンプレに喧嘩を売る話だと思ったんでしょ?

まぁ、そうだよね

その誤解は、必然だよ


でもね、この話はまだ中盤に差し掛かったぐらいなんだよ?

最後まで付き合ってくれる?

ずっと、隣で見てくれてたでしょ?


人生で初めて、人に注目されてる

まだ食べないのか?

そうだよね、ほんとそう思う

ね、目の前にあるのにね


杏仁豆腐を食べながら、隣の君に話しかけてる

誰も居ないのに、居る気がするんだよね

矛盾してる

第四の壁?メタ?何それ

食べ物ですか?


謎の単語が頭に浮かんだんだけど


そんな無駄話をしてたら、杏仁豆腐がなくなった


お待たせしました


カリカリチャーハン

カリカリ茄子とカリカリピーマンの

カリカリうまくち醤油煮

カリカリ豚汁


を食す前に資料に目を通しとこ

何かひたすらカリカリしてる名前だったよね


えーっと、会社名はっと

カリカリブ海カリ冷麺カリトゥエンティファイブ

カリ中録カリンだカリカリエーックスカリ式会社


絶対、命名した人バカでしょ

何で、こんなにカリカリさせてるわけ?

てかさ、カリカリってなによ

長すぎて頭から火吹くわよ

いや、頭火山噴火だわ

ドッカーンよドッカーン

自然災害が、頭で起きるの

ちょっと理解に苦しむわね

考えた人間の顔が見たいわ

あ、明日会うのか

まともな奴であることを祈りたい

けど、どう考えてもまともじゃないでしょ

ハズレくじ引かされたー

早口で喋りすぎて、喉カラカラ

ゴクゴクゴク

ぷっはー!水がうめぇ!!

酒飲みのおっさんか


うっ、お腹が冷えた

お手洗いに行きます


勝手に私のテンプレ定食食べたらダメだかんね

分かってる?

そんなことしたら、嫌いになるから


って一度は言ってみたい台詞

まずは、恋人作らないと

無理!

だって、恋人の前だと女子らしくとか

しなきゃなんでしょ?

小食で…とか

あはははは、アホらし

お手洗い行こ


ふぃー、スッキリした

32歳ぼっちOLのポテンシャル舐めんなよ


さぁ、5000字も目前と

私の中の神様が言っておりますので

ほんとのほんとに、お待たせしました


カリカリチャーハンを食べます


パクッ


ブワッ

ドカーン

ガラガラ


イテテ、まさか食べただけで20メートルも

吹き飛ばされるなんて舐めてた

カリカリシリーズ


バトル漫画ですか?

違います

料理を食べただけです


「お客さん楽しんでるね。安心して、吹き飛ばされな

 この部屋の壁だけは、核爆弾でもビクともしない代物だからよぉ

 お客さんのためだけに、用意したんだぜ」


ありがとう店主!

持つべきは、友より最高の店主!!

だが、私はもう吹き飛ばされませんよ


「ほう、良い威勢だね。

 カウンターという名の特別席で見させてもらうよ

 けどね、残念なお知らせさ

 そのカリカリチャーハンはカリカリシリーズの中でも最弱!!

 全員の攻撃に耐えて食べきれるかな?」


望むところです


とうとう、外すときが来たのね


腕時計を外す

ゴン


上着を脱ぐ

ドシン


「なんてこった、制御してそれだったのかい

 中々楽しくなってきたねこりゃ」


うおおおおおおお

カリカリチャーハンを次々と口に放り込む

うっ…水


「ほらよ」


店主が、カウンターから水を投げてくれた

ゴクゴク


ありがとう、これでまだ戦える


「良いって事よ、あんたはここで死ぬタマじゃねぇ!」


※この茶番に最後までお付き合いください


噛む度に、風圧が私を襲う


なんのこれしき


うおおおおおおおおお


「行けええええええええ」


※チャーハンを食べてるだけです


カラン


倒したわ

ふっ、私にかかればこんなものよ


「次は、どっちに行くんだい?

 茄子ピーか?それとも豚汁か?」


そりゃ、豚汁に行くわよ


「なんだと!?やめておけ、そいつは今のあんたにゃ早い

 死に急ぐな!!」


だからこそよ

徐々に敵の強さを上げてたら、それこそテンプレじゃない


「そうか、なら俺は止めねぇ。行け

 しかーし、行くなら負けるんじゃねーぞ」


そこで見てなさい


※料理を食べてるだけです


\豚汁オーーーーーープン/


※蓋を開けただけです


ブヒィブヒブヒ

ブヒヒヒ


ななんて、こと

生きた豚が見えるのだわ

くっ、可哀想で食べられない


「ふはは、それがカリカリ豚汁の強ささ

 最強の看板は伊達じゃないぜぇ」


でも、どうせ幻覚でしょ?

これは、只の豚汁よ


箸を豚汁に入れた瞬間


アデデデ

折れる折れる

箸が折れちゃう

はぁはぁ、なんてこと

強すぎる


「何故、幻覚だと勘違いしてしまった?

 目の前にある物がすべてさ

 さぁ、どうするお客さん

 箸は幾らでも補充があるがギブするかい?」


ギブ…なんて…選択肢…ある…わ…け


「おおっと、ここでトントンととトン軍団の反撃だぁぁぁ」


私を食べる気?

この豚共が!


「何故、食べられないと勘違いしていた?」


そう、そう来るのね

なら、私もとっておきを出すわよ


T·A·M·A·G·O召喚

敵に攻撃、防御、速度低下のデバフを付与


ターンエンド


「そんな強力なカードをここで切ってしまって良いのかい?」


※茶番です


良いのよ、負けたら全て終わりだもの


「トントンととトン軍団のとごめとごめ攻撃

 一時的に平衡感覚乱し

 ターンエンド」


そんな技を隠し持ってたのね

でも、負けない


四股踏み


「うお、衝撃がこっちにまで

 やるねぇ、お客さん」


今のうちに!!

カリカリ豚汁吸引


ヒュオオオオオオオオ


ふー、終わった


「良いもの、見せてもらったよ」


※豚汁飲んだだけです


残すは、茄子ピーだけ

ま、豚汁を倒した私なら余裕でしょ

だって、豚汁より弱いんでしょ?


「油断しすぎて、足下掬われないようにな」


店主は、大げさすぎるんです

見せてあげる

完全勝利をする姿


私は、茄子ピーと向かい合った

どう見ても、極普通の料理

生きてるとかはなさそう


茄子からいただきます


パクッ


甘口醤油が良い感じにカリカリしてて

茄子のカリカリと絶妙に合う

箸が進むわね


ボンッ


「大丈夫かい?お客さん」


今、何が起きた?

茄子をパクパク食べてたら爆発したんですけど!?


「それはね、咀嚼されると爆発する茄子なんだ

 聞いたことないか?ボンバー茄子」


全く知りません

そんな危険な茄子があるんですか?


「あぁ、火山口付近にのみ生息すると言われている

 料理人の間じゃ有名なんだぜ?」


そうなんですね

勉強になります


では、気を取り直してピーマン


パクッ


!?

甘い

砂糖でも入ってるかのような甘み

子供でも食べられそう

スイーツと言っても良いぐらい甘い


ピタッ


「あー、そろそろ効いてきたのかい

 だから、順番に食べるべきだったんだよ

 楽しい戦いもここで終わりかね

 ちょいと、タバコを吸わせてもらうよ」


店主は、タバコを咥え火を付けようとしたが


「あ、母さん」


突然現れた女性にタバコを取り上げられた


「ここは、禁煙です

 お小遣い減らすよ?」


その台詞で分かった

奥さんだ

きっと


「今良いところだから大目に見てくれない?」


店主は、土下座した


「ダメなものはダメです

 それで、お客さんは罠にハマったのかい?」


店主嫁が、私を見つめている


「あぁ、残念なことに。

 茄子ピーより先に豚汁を倒しちまった」


店主は頭を抱えながら、状況を説明した


「そう、それはご愁傷様だね

 ま、最後まで見守ってやりなよ

 タバコは回収します」


店主嫁は、店の奥に戻っていった


罠って何?

何が起きてるの?

身体が動かない

意識はあるのに


動け

動け

私の身体、動いてよ!!


「ななんだ、この戦闘力は!?

 疲労×甘みの相乗効果で身動きがとれないはず

 えーっと、戦闘力計測眼鏡っと…」


店主は、謎の眼鏡をカウンターの奥から

取ってきたと思ったら装着した


ピピピピピピ

ボンッ


「バカな!?

 これが、一人の人間から出せる戦闘力なのか!?

 てか、この眼鏡本当に使えるんだな

 いつかやってみたくて、玩具を買っただけなのによ」


はああああああああああ


「熱い、熱いぞ!それ以上燃えるんじゃねぇ!」


バシャッ


「はぁはぁ、店が燃えちまうだろ」


店主は、私にバケツ一杯の水をぶっかけた

やりすぎでしょ、、、


シュウウウウ

パカッ


T·A·M·A·G·Oが割れた


え、そんな演出あるの?

神造形が割れたら、価値なくならない?大丈夫??

元に戻るんだよね?


「そうか、T·A·M·A·G·Oに認められたか

 大したもんだなお客さん」


いやいや、ずっと流してたけど

店主何を言ってるの?

流石に今回はスルー出来なくないかな?

だって、フィギュアですよ?

何?認められるって


別世界に迷い込んだ私

ずっと、ノリで合わせてきたけど分かんないよもう

誰か助けて


「主人、安心してくださいませ

 このドドフィーが主人を縛りから解放いたします」


いや、誰だよ

ま、この世界にツッコむだけ無駄か…

それなら、全力で楽しむだけ!


世の中がつまらない?

それなら、全力で楽しみなさい

全力で楽しんだものが勝者なのですよ

他人の視線なんか気にするな

好きなものを貫け

レディースが好きな男が居たって良い

配信者を好きなことに何の問題がある

オタクで何が悪い

私は見ての通り変人を極めしオタクだ


行くわよドドフィー


「御意」


はあああああああああ


「だから、店が燃えるだろって…声だけかよ

 脅かさないでくれよ」


確認してから水かけて、、、


「行くぞ、主 おりゃあああああ」


は?物理的に吹っ飛ばすとか聞いてないんだけど!?


ブワッ

カンカンカン

ガラガラガラ


人をボールみたいにバウンドさすな!

ってドドフィー居ないし逃げたか

T·A·M·A·G·Oは、元通りだし


「はっはっは、物理的にスタンを解きやがった

 あっぱれだなこりゃ

 母さん!座布団10枚!!」


大喜利じゃないんだか…


「あいよ」


座布団10枚投げてる!?

凄い、連係プレイ

これが、夫婦の絆か

。

。

。

ってそうはならんやろ!!


私は靴を地面に叩きつけた


そして、靴を履き直し席に戻った


パクパク


茄子ピー撃破


対戦ありがとうございました


合掌

敬礼


「お疲れさん、どうだった?VR没入型テンプレ定食は」


新しすぎる定食の形で楽しかったです

ほんとに、戦ってるみたいでしたよ

ご馳走様でした

もっと、お話をしたいんですが

明日、重要案件が入ってしまったのでここらで失礼します


「明日、待ってるぜ」


はい!明日も来ますから!!


私は、店主にお礼を言い店を去った


~三浦が知らないその後~


「お嬢ちゃんは帰ったかい?」


「あぁ、良い笑顔をして帰って行った」


「バレてないだろうね?」


「もちろん、俺がヘマをしたことがあったかい?」


「それもそうだね 明日が楽しみだねぇ」


「まぁな、ずっと計画してたことだからな」


「父さん、悪い顔してるよ」


「はっ、母さんもだろ」


「ふふふふふ」


「ははははは」


~翌日~


ここが

カリカリブ海カリ冷麺カリトゥエンティファイブカリ中録カリンだカリカリエーックスカリ式会社

の本社か


受付を済ませ

貴賓室に案内された


何故、貴賓室??

極普通の一般会社員なんですけど


待つこと5分


ガチャ


私は、すぐに立ち

顔を見て、衝撃を受けた


「すまない、お待たせしてしまって

 カリ会社社長の狩屋崎 重三です」


店主?


私の口から漏れ出た言葉


「その通り。詳しい話は、座って話そうじゃないか」


は、はい


私は背筋を伸ばして座った


「いつもみたいに気楽にしてくれて良いんだよ」


それなら、遠慮なく


姿勢を崩した


「どこから話そうか。まず、昼はカリ会社の社長

 夜はプレプラ居酒屋の店主をやってる

 そして、伝説のカリカリ屋だが…」


ゴクッ


私は、唾を飲む

まさか、店主がカリカリ様!?


「私の奥さんが伝説のカリカリ屋なんだ」


そっちかーーーーーーーーい


「あはは、嬢ちゃんは相変わらず面白いね

 見てて、こっちも楽しくなる

 だから、君の会社と契約がしたい

 〇×クエッション文具さん契約してくれるかい?

 君以外が、来たら門前払いをするつもりだった」


え?何、この王道テンプレ展開

何も持ってないと思ってた人間が周囲を見返して

人生を謳歌していくみたいな

ラノベでよくある展開では?


「何故?って顔をしているね

 ネタバレをするとしようか

 嬢ちゃんのここまでの軌跡の話を」


さぁ、ここからは狩屋崎 重三が

ナレーションとして語らせてもらう


その前に、ここまでくだらない物語に付き合ってくれてありがとさん


遡ること、20年前

あれは、桜が綺麗に咲いている春のことだった

いつも通り、プレプラ居酒屋を営業していた

お客さんが教えてくれたんだ

店の前に、小中学生ぐらいの少女が居るってよ

その時は、そうかぐらいの気持ちで気に留めなかった

だがよ、その日から毎日その少女は店の前に居た

長いときは、閉店までずっと


でもよ、俺に出来ることって考えても

思いつかなかった

何故なら、見知らぬ大人が声をかけたら危ないだろ?

だから、何も出来ない代わりに見守ることにしたんだ


その少女を見守るために

店の前に防犯カメラと店頭照明も付けた

防犯カメラがあれば、何かあったときに手がかりとして提出できるからよ


そんで、何年も経ったある日

嬢ちゃんが、入店したんだ

「20歳の誕生日で来ました」って

元気な笑顔で言っててよ

俺は、目頭が熱くなったよ


大きくなったな

そう思ったね


うちには、子供は居ない

結婚当初に作らないと決めてた

だから、娘みたいに感じてよ

嬉しかったんだ


それから、嬢ちゃんはちょくちょく店に来るようになった

いつも、色んな話を聞かせてくれた

同時に、悲しくなったんだ

辛い話も聞いてたからよ

あー、だからずっと店の前に居たんだなって


そして、今度こそ何か出来ないかを考えたわけだ

嬢ちゃんの毎日が楽しくなるような何か

お節介なのは分かってる

でも、仕方ねーだろ

やりたいと思っちまったんだからよ


そこから、テンプレ定食ってのが

裏メニューであって一週間毎日通い続けて

常連客証明証を手に入れたら頼める

嬢ちゃんだけの料理を考案した


その為に、カリ会社で稼いだ資金を注ぎ込んで

嬢ちゃん専用個室も用意した


今まで何もしてやれなかったから

ここが嬢ちゃんの新しい居場所になれば良いって思ってよ

嬢ちゃん専用のメニュー表も作った

値段は、格安でな

でも、いつもテンプレ定食と天ぷら定食しか頼まないんだ

たまには、他の料理も頼んで欲しいが

ま、嬢ちゃんが楽しいならそれで良い


伝説のカリカリ屋に関してはよ

嫁の実力だ

俺は、何にも関与してねーよ

残念ながら


ここからは、あんたらが知ってるとおりの流れだ


はい、解説終わり

ナレーションは嬢ちゃんに返すぜ


がえざれまじだ


「何で泣いてんだ!?俺、何か泣かせることしちまったか!?

実の娘だと思ってた部分か!?

なら、すまん。謝る」


そこじゃないんですよ

だって、ずっと私を見守っててくれてたなんて

嬉しくて

それに、私は店主から貰ってばかりで何も返せてない…


「なーに、いつも笑顔をくれてるじゃねーか

 それ以上は何も要らない

 好きでやってるだけだからよ」


店主!!


そして、契約書にサインをし

会社での立場が一気に変わった

課長にまで昇格し私に陰口を言っていた

他の社員達より上の立場になったという

その後は、どうでも良いので割愛


今夜も私は、プレプラ居酒屋に来ていた

いつもと変わらない日常

それで良い

これが、私の楽しみなんだから


「いらっしゃい!」


テンプレ定食と天ぷら定食

一つずつください

こんなくだらない内容を最後まで

読んで下さりありがとうございます


私は、読者の皆様にも『楽しい』を我慢して欲しくない

そんな思いで綴った作品でした

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。