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あこがれのお兄様

作者: しのっち

もしも自分のあこがれの実像がLGBTQだったら

理解できますか?というコメディタッチのヒューマンドラマです。

テーマは1つ目が自分らしく

生きることの難しさと大切さ、

2つ目があこがれと実像でこざいます。

この作品はある一人の少女の

初恋物語でございます。

ゴールデンウィーク直前の日曜日

昼下がり黒崎家では…

黒崎竜雄(くろさきたつお)

(以下、竜雄)[あのな若葉(わかば)]

黒崎若葉(以下、若葉)[どうしたの?お兄ちゃん]

竜雄[もっと自分の年齢と

つりあうマンガを読んだほうがいいぞ、

『大切な家族との死別対家族ストレス』

『女ゆえの生きづらさ

対男ゆえの生きづらさ』

『生活アドバイスつき悩み相談室』なんて

レディースコミックは大人限定だぜ]

若葉[子供はいつまでも子供じゃいられないわ、もう中学生なのに現実ばなれした

ファンタジーバトルアクションコメディやSFギャグアドベンチャーなんて子供だましのマンガにはまるお兄ちゃんが子供っぽいのよ♪]

この()がこの物語の主人公で名前は

黒崎若葉、年齢は小学5年生11歳外見のわりに

性格と言動は大人ぽくって、

レディースコミックやファッション雑誌を

愛読するほどのおませさんです。

竜雄[またからかわれた…]

この少年は若葉の兄竜雄中学2年生14歳、

若葉本人とはあべこべで外見のわりに子供っぽい一面があるようですが、

兄妹仲は別に仲よしでも不仲でもない

不即不離の仲なのでございます。

楽しかったゴールデンウィークが終わり

若葉が帰宅すると、

黒崎文子(ふみこ)(以下、文子)[若葉この人

が家庭教師のアルバイトをしている

大学生白川先生よ。中学受験もいいけど

無理しないでがんばってね]

白川愛雅(しらかわよしまさ)(以下、愛雅)

[はじめましてぼくは大学3年生アルバイトの

家庭教師白川愛雅ですよろしくお願いします]

若葉[わたしは黒崎若葉小学5年生です。

わたしのほうこそ

はじめましてよろしくお願いします]

もちろん若葉が白川先生に一目ぼれしたのは言うまでもありません、

これが若葉の初恋だったのです。

あれから1ヶ月後、

愛雅[若葉ちゃんは勉強家で頭がいいから

教えがいがあるよ。

中学受験合格まちがいない]

もともと若葉は他人(ひと)より勉強家で

頭がいいまじめな優等生さらに、

若葉[白川先生のためならいくらでもがんばります。苦手科目でもなんのそのです。]

白川先生が好きな男性のタイプのせいか、

若葉[わたしの初恋の人は大学3年生

アルバイトの家庭教師イケメンでやさしくて

教え方が上手、女心がわかる紳士年のわりに

おちついたしっかり者子供っぽくないから

まさに大人あこがれのお兄様♡]

若葉は白川先生のおかげで受験勉強が楽しくてしかたがありませんしかし…

竜雄[いくら白川先生がイケメンでも

恋しちゃだめだよ。

年がつりあわないからあきらめなさい]

若葉[言ったでしょ子供はいつまでも

子供じゃいられないって。

白川先生のどこがだめなの?

今は年の差カップルと夫婦が

あたり前になりつつあるのに?

いいじゃない白川先生は

男前でもてもてだもの♡

お兄ちゃんを始めとする

世の中の男達は彼を見習うべきよ♡]

まさに恋は盲目ですね…

竜雄[女性にもてる男性は遊び人が多いみたいだから気をつけたほうがいいぞ。

それにたとえ美形で異性にもてる人でも

男女間ギャップは決して

他人事(ひとごと)じゃないぜ]

若葉[自分がごく普通の中学生で

女にもてないからって、白川先生のかっこよさをねたむのはよくないわ]

竜雄[ねたみじゃないよ、無理に背のびをして大人のまねはしなくていいぞ]

若葉[だからっていつまでも

子供でいたいなんてだめよ、

いつまでも子供でいられるわけないでしょ

バカも休み休み言ってほしいわ♡]

竜雄[なにかあってからじゃおそいのに…]

竜雄には、子供は子供らしいのが一番

その上、いくら家庭教師が自分の好みの

タイプでも、世の中にはつりあいがあり

縁がないとだめその上、実害があってから

じゃおそいというれっきとした

言い分があることはたしかですが、

文子[そんなに気をもめなくても大丈夫、

若葉と白川先生を信じるのよ]

黒崎陽平(ようへい)(以下、陽平)

[ぼくは同性として竜雄の気持ちはわかるけど、若葉と白川先生なら心配無用だよ]竜雄[お父さん、お母さんどうもありがとう]

って感じで兄竜雄に注意されても

どこ吹く風、若葉はできれば白川先生と

仲よく勉強できる日が一日でも

長く続けばいいと思いましたが…

夏休みの終わりとともにお別れなんて

夢にも思わなかったのです。

若葉[白川先生、わたしに話ってなんですか?]

愛雅[まことに勝手ながらぼくは、

今年の8月いっぱいで家庭教師のアルバイトと

大学をやめさせていただきます]

若葉[どうしてやめるんですか?

説明してください家庭の事情ですか?

ちゃんとしたしかるべき理由があるはずです]

愛雅[しかるべき理由を説明します。

ただしこれからお話しすることは

ぼくと若葉ちゃんだけの秘密に

するという条件があります]

若葉[わかりました。秘密は守ります]

あくまで他言無用という絶対条件で、

愛雅が8月いっぱいで家庭教師のアルバイトと大学をやめる理由を知った若葉は

彼の成育歴(おいたち)とあこがれの実像

を知って度肝をぬいてしまいます。

それもそのはず愛雅は資産家白川家の跡取り長男として生まれたのですが…

母親にいくら女性への暴言や暴力は犯罪だからって、レディファーストをおしつけられて

女性の短所ばかり目についてしまい…

男女間ギャップで苦労した結果、

自分自身は小学生のころから女性より男性が好きなゲイだと気がついたにもかかわらず、

女性にばかりもてて評判がよくても

男性からは敬遠され評判はいいとはいえない

ことを人知れず苦悩していたのです。

いまいちうれしいわけでもうらやましいわけでもなかった愛雅の人生に転機がおとずれ、

伯父伯母夫婦や近所の人[あんな男性差別と

蔑視がひどくて男には厳格な女性至高主義の

かかあ天下じゃねぇ、心臓発作で

ぶったおれるのも無理はないよね]

従妹と従弟[伯父が女尊男子のフェミニストで

やさしいからよかったけど、そうじゃ

なかったらえらいこっちゃ~だった…]

叔父叔母夫婦や祖父母[レディファースト

のおしつけも、女性への暴言や暴力と

同じくらいだめなのにバカじゃないか]

従兄と従姉[愛雅さんかわいそう…]

弟[今は女性の時代だからって、

やりすぎだ!!]

姉[いくら相手が男性でも差別と

蔑視はよくないわ!]

妹[かわいそうな愛雅お兄様…]

父親[まあまあ3人ともみなさん、

今日は妻の告別式ですので死屍(しし)

にむち打つのはやめてください…]

先月母親が心臓発作でいきなり病死した

のを機に世間体だけのアルバイトや大学をやめて、家を理解者の姉や弟にまかせて

ぐうぜん大学入学後アルバイトしていた飲食店で相思相愛の仲になったフランス人男性(のひと)と一緒に暮らすためパリに引っ越すことにしたことをなにもかも全部つつみかくさず話した直後、若葉は愛雅の悲しい胸のうちや家庭の事情というよりは、

個人的な事情を理解したのは

言うまでもありませんでした。

愛雅[まことに勝手ながらご理解お願いします。あなたなら合格まちがいなしですので

若葉ちゃんは中学受験をがんばってください、どうもありがとうごさいました。]

若葉[そうだったんですか

白川先生あなたは同性愛者(ゲイ)だったんですか…それでも本当に好きな人と

すえながくお幸せになってください。

わたしのほうこそ短いあいだお世話になりましたありがとうございます。]

というわけでこうして若葉の初恋は

結局失恋というよりは…

一方的な片思いゆえ好きな人とは

つりあわず縁がなかったと思って

あきらめただけにすぎなかったのです。

竜雄[ぼくのとりこし苦労でよかった~]

若葉[お兄ちゃん、お父さん、お母さん

所詮は、女子小学生のイケメンお兄様

へのあこがれだったのよ]

陽平[世の中はなにごとも経験だよ、

いい勉強になったね]

文子[学力偏重主義はだめ、

世の中は読み書き計算だけが勉強じゃないわ、失恋を悪く考えないで失恋も

人生において大切な体験の1つなのよ]

若葉[さようならわたしの初恋、

さようならあこがれのお兄様]

若葉はたとえわずか4ヶ月でもイケメンの家庭教師と楽しく勉強できたので、

これはこれでよしとしたのでした。

あれからさらに4ヶ月後…

若葉[おはよう莉々(りり)ちゃん、

平穏(ひらやす)くん、茂樹(しげき)くん]

莉々と平穏と茂樹[おはよう若葉ちゃん]

青山莉々(あおやまりり)[今年ももうすぐ

冬休みとクリスマスね♪]

赤城平穏(あかぎひらやす)[そうだね

1年なんてあっというまだよ]

金塚茂樹(かねつかしげき)[今年も

冬休みとクリスマスパーティと

年末年始が楽しみだな♪]

若葉[いくらクリスマスや年末年始が

楽しみだからって、羽目を

はずさないようにほどほどにね♪]

そうなのです若葉はあこがれのお兄様への

淡い?恋心がさめたあとは、

今まで通り家族や友達との平凡でごく普通の

日常生活にもどっただけなのです。

そして二学期の終業式が終わり

莉々[それじゃあまた、来週のクリスマスパーティでね若葉ちゃん]

平穏と茂樹[それじゃあまた来週若葉ちゃん、

クリスマスパーティは必ず行くよ]

若葉[それじゃあまたね莉々ちゃん、

平穏くん、茂樹くん]

下校途中ついこの間まで自分が

あこがれていた初恋の人は、

今ごろパリで恋人と仲よく幸せに

暮らしていることを知ってか知らでか、

若葉[あこがれだったお兄様は今ごろフランスのパリで好きな男性(ひと)

と仲よく暮らしているわよ。

白川先生も幸せになってほしいわ♪]

元あこがれのお兄様愛雅の

幸せを祈る若葉なのでした。

あこがれのお兄様終わり

というわけで以上ちょうどタイムリーだった?

社会風刺を盛り込んだコメディタッチの

ヒューマンドラマでした。

もちろんこの作品はフィクションです。

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