シーン8.何だかんだで意外とハルだね!
「おらぁっ!」
「違うぞよ。ナツもまだまだだのう」
「んだとコノヤロウッ!はぁっ!」
「まだまだ、気合が足りぬぞ」
「・・・・・・・・・・不思議な組み合わせだこと」
なんか、橋の上で傘をぶん回している赤髪と銀髪がいます
非常に認めたくないんだけど、一人は一応血を分けている人間と言わざるを得ない事を、ここに悔やみ申します
うん、なんか変な文だ。ちょっと・・・いや、かなり変なやつ等を見てたから、変な文を書いてみたかったんだ。うん
「何をしてんだ、ジークにナツ」
「ん、よう。兄貴か」
「ごきげんよう、ハル。今はナツの修行に付き合っておるのだ」
「修行?なんの?」
「アレを見るのだハルよ」
ジークが指差す向こうには一本の街路樹、そしてその枝には・・・
「鳥の巣・・・か?」
「そうそう。この橋を通るとな、鳥が警戒して攻撃してくんだよ。おもしれぇだろ?」
「おもしろくねぇよ!?」
目を輝かせるナツを叱り飛ばす、が、全く聞いちゃいない
「その鳥を叩き落そうと、今頑張ってるとこなんだよ」
「うむ、あのものも必死ぞよ。ナツもそれ以上に必死になり振り回すのだ」
・・・・この二人はどこに向かっていくのだろう
いや、笑えないぞ。
鳥が人に危害を加えているのかもしれないけれど、こんなところを本当に警察に見つかったりしたら・・・
「おい、そこの君たち」
うわ、都合よく巡回中の警官登場!
ツカツカと近づいてくる警官にナツは若干怯む、が、ジークは・・・・
「ぬ・・・ヨースケでは無いか。お主も下界に来ておったのか」
「げぇっ!?ぷ、プリンス!!」
「は?え?知り合い?」
しかもプリンスとか言ったぞ
「ジーク。お前、こっちの世界でも部下増やしてたのか」
「それはNOだハルよ。これは向こうの世界での我が部下」
魔族が警官って・・・平和だなぁ
「ヨースケ。我に何用か?」
「あ、いや・・・流石にこんなところで傘を振り回して鳥と格闘するのは・・・ちょっと公共の場では・・・」
おどおどしながら言いにくそうに進言する警官ヨースケ。
しかし、見下すようにクスリと笑う魔王様に「ひっ」と情けない悲鳴をあげる
「ひったくりが確か8件だったかの?」
「うぐっ」
「強盗が5件に・・・」
「ぐっはぁっ!」
「誘拐犯が3件・・・」
「・・・・・・がくっ」
「我を見逃せ」
「・・・・イェッサー」
なんだこの会話!?
「じ、ジーク。お前なに言ってるんだ?」
「我の輝かしい経歴・・・とでも申そうか」
「・・・・お前って犯罪者なの!?魔王なのに!?」
ナツが『うわぁ』、という感じで髪をかきあげる
「やっぱりなぁ」
「ぬ?違うぞ?逆だ。我が魔界で犯罪者を捕まえた事件の数ぞよ」
王様が魔界で何してんだよ
「あぁ?あのヨースケとか言うのどっか行っちまったな」
何も見てないとか言い聞かせてんだろうな
結構消えるのが早かったし
「ヨースケとはな。我が城で警備をしているものだ。まさかこっちにいるとはな」
「へぇ?ま、とにかくだ。いい加減こんなことやめろよ。警官は誤魔化せても、近所で変な噂が立ったら俺に迷惑がかかるんだからな」
「あぁー・・・別にいいじゃんかよ。折角の戦いだ。決着をつけるまで終わらせねぇぜ」
「暑苦しいなお前」
「兄貴が昔言ったよな。勝負の決まりごと」
「あー・・・・はるか昔にそんな事を言った気がしないでもない。とりあえず勝負始まったら一発かませ・・・だっけか?」
「そう!俺らはまだアイツに一発も・・・・・!」
と、行き成り俺たち3人に滑空してくる影
噂をすればなんとやら、鳥が襲い掛かってきたのだ
ナツが傘を思い切り振る。はずれ
ジークが足で鳥を蹴ろうとする。かすりバランスを崩す
俺が拳を振るう。鳥の顔面に直撃
「ほら、これでいいだろ?帰るぞ」
「う、うむ・・・・・?」
「あ?え?あ、兄貴、今何したんだ?」
「鳥殴ったんだよ」
「兄貴って、喧嘩しない人じゃなかったか?」
「ん、そうだよ」
「なのに、なんでこんなことできるわけ?」
「誰がお前らの世話してると想ってるんだ」
「納得」
「うむ・・・・」
ほんっと、珍しい組み合わせ