シーン1.クライス家はこんなヤツ等!
二つのボロ家の直ぐ後ろにあるのは透き通ってて綺麗な湖
美しい湖は太陽を反射し、よりいっそうその美しさを増している
そんな湖の端っこで黒髪の青年は胡坐をかきながら釣竿を垂らす
横には青年より小さい水色の髪の少女が物珍しそうに湖を覗き込んでいる
「ハル君ハル君」
「・・・・・・・・・・・」
「お魚釣れませんね?」
湖を覗き込んでいた少女は視線を青年へと移し頭上にハテナマークを浮かべながら無垢な瞳で聞いてくる
「今日はきっとお魚は旅行に行ってていないんだよ。だからもう少し待ってようか?」
「旅行!?どこ行ってんだろう~・・・あたしも行きたいなぁ」
ハルと呼ばれた青年はやや苦笑しながらも、申し訳無さそうな口調で適当なことをほざきやがる
それにたいし水色の髪の少女は疑うこと知らずと言った感じで再び湖を除く
そして再び顔を上げた少女はハルと呼ばれた青年の顔を見ながら
少女は屈託の無い満面の笑みでハルに言う
「釣り飽きたね」
「・・・・・・・・・・まだ初めて10分経ってないよ?」
「だって飽きたんだもん」
「なんかごめんなさい・・・・」
平気な顔で青年の心を無意識に削り取っていくこの水色の髪の少女
名前は フユ・クライス
名前からわかるとおりハルの妹に当たる少女だ
「んー・・・・ハル君ハル君」
「はいはい、今度はなんだいマイシスター」
「楽しいことがしたいです」
「例えば・・・・・?」
「しりとりとか!」
あー・・・・確かにそれなら釣りしながら楽しめるなぁ
「うん、じゃあそれにしようか」
「はい!じゃああたしあからね。馬!」
なぜ馬?
この妹はなにを考えるんだろうか、一度脳内をじっくりと見てみたい・・・・
「えぇっと・・・・マントヒヒ」
「ひま!」
「まかぁ・・・・じゃあ街」
「ちから!」
「んー・・・拉致」
「ちんすこう!」
というか一々怒鳴ってうるさいぞコイツ
そしてこれ地味に嫌がらせしてるのわかるかな?
「う?ンー・・・うち」
「ち・・・ち・・・チーカマ!」
「マーチ」
「ち・・・・・・・ち、ち・・・ちきしょう、舐めやがって・・・」
「いや、何の台詞だよそれ・・・」
「だってハル君が卑怯なんだよ!?」
「だって勝負ですから」
ヤレヤレと言った感じ空を見上げる
お、今日は雲一つ無い快晴だ
「ハールーくーん!!」
「あー、わかったわかった。それじゃサービスでオッケーにするよ」
「・・・・・・・・」
「・・・・[ち]攻めもやめるよ」
「うん、それでいいのです」
「はい、じゃあ再開 [て]で終わったから・・・敵」
さて、どう反撃してくるか
基地とでも言えばやり返せるぞ。それか何か俺が驚くようなことを言ってみろマイシスター!
「北O鮮原爆実験成功!」
・・・・・・・・え?
やばいな、最近の子供を完全に舐めていた
流石に妹に負けてらんないぜ・・・・
「宇O川戦い」
さぁさぁさぁ、現代の問題に対して歴史で対抗したがどう出る?
対するマイシスターことフユは不適に笑おうとしたのか、失敗して文では書きあわらせない奇怪な笑い声を上げている
なにこれ怖い
「イOドのリOイアOス、ジャOナガOル製油所で火災!!」
・・・・・・え?
「フユさ、お前そんなんどこで覚えた?」
「街のテレビ立ち見してたらやってたよ」
「街で知識つけてきたんだなぁ・・・・」
無い胸を張り、ブイッ!と指を出してくる妹
そんなことより規制入りすぎじゃないか?
かといってここで折れるのは違う気がするので対抗
「インドOシア独立戦争!」
「むぅ・・・・・また[う]かぁ・・・・あ、でも今ハル君、せんそぉおお!っていきおいよくいった!」
「いや、それはねーよ・・・」
「言ったよ!盛りのついたメス豚の如く叫んだよ!」
「まてまて、お前はどっからそんな言葉を覚えてくんだよ!?」
ってか、ああもう、コイツはなんでこうもしりとりに必死なのかねぇ
「はぁ、もうそれでいいや。で、次はどんな事件がくるんだぁ?」
「えぇーっと・・・[お]だよね?じゃあ・・・オタクブーム!」
「それ事件!?事件なの!?」
「ある意味事件じゃないなぁ?」
そんなのほほんとした顔で言われると不思議とそう思ってしまうのは何故だろう・・・・
「ということで、オタクやめよ?ハル君」
「おいちょっと待てコラ!?何1話目から読者がドン引きするようなよ!?」
「読者?なんのこと?」
世界の構造がわからないフユは小首を傾げる
クソゥ俺だけ悩んでるとか、なんかイヤだ・・・
はぁ・・・・疲れたし、そろそろ終わらせるか
「じゃあ[む]だな?ムキムキ事件」
「あ!ハル君[ん]ついたよ!」
「あっちゃー、失敗だなぁ、あははー」
ちなみにこの事件の詳細は各自の想像に任せるよ
俺は想像するのも怖い・・・
「やることなくなっちゃったねー・・・」
「いや、でも釣りが・・・・・あ」
「釣り竿持ってかれてるね・・・・」
「・・・・・」
「かえろっかハル君」
「そ、そうだね・・・・」
こんなクライス家の長男と次女はこんなヤツ等