シーン12.姉の疑問?
ポク、ポク、ポク
「ん、うーん・・・・・・」
俺は今、朝の布団の中の聖域にて至福の時を過ごしています
いや、冬の毛布って言葉にできない気持ちよさだよね
ポク、ポク、ポク
「うーん・・・」
気持ちよすぎてこの時期になると中々布団から出られないね
特に早く起きる必要のない、今日みたいな日曜なんかは特に・・・・
ポク、ポク、ポク
ええ、布団から出たくないんですよ。おきたくないんですよ
でもね、でも・・・
ポク、ポク、ポ―――
「いい加減にせんかぁあああ!」
たまらず俺は身体の上に馬乗りになっていた姉を布団ごと吹っ飛ばした
コロン、と上手く転がって受身をとり、アキ姉は地面を這いながら俺に近寄ってきた
「んで・・・・朝から人の頭を木魚みたいに叩いてくれたのはどういう了見で?」
「・・・・・この叩くのがたまたまあったから」
「なんでそんなもんがたまたまあるんだよ・・・」
「多分・・・・・・恭ちゃんが持ってきたんじゃないかな・・・・・・・?」
ありうる
あのバカはなんとなく気に入ったものを拝借して我が家に置き逃げするという習性がある
ただ、それが人のものだろうと拝借してしまうことがあるのが困りものだ
なんでああも常識を無視して自分の感性に正直に生きられるのか不思議でしょうがない
「まぁ、それはいいとして・・・・俺を起こした理由は?」
「・・・にゃい」
「おやすみ」
「嘘だから起きてハル~・・・・・・」
布団をかぶりなおした俺を再びアキ姉がポクポクと叩いてくる
別に痛くはないけど、地味に邪魔でなんとなくムカつくな、これ
「はいはい、何のようだよ」
「・・・うん、あのね・・・相談にのってほしいの」
「はぁ、なんの?」
「・・・昨日のことなんだけど」
「昨日?なんで昨日の事を今日の朝にいうんだよ」
「・・・・・・さっき思い出したから」
「ああ・・・そうっすか」
忘れてたなら大した相談じゃないのか?
「・・・・・・・私ね、ずっと疑問に思ってたんだけどね・・・・・」
「うん」
「・・・・・・雪って、なんで降るの?」
・・・・・・少し、思考が止まった
雪の降る理由・・・・・・ねぇ
簡単に言えば、上空で冷やされた水蒸気が凍って、それにまた水蒸気がひっついて・・・・って固まったってものが雪
で、重くなって降る
降ってるうちに溶けたら雨になって、溶けなかったら雪のまま降る・・・・・・という感じだったとおもうんだけど
説明めんどいぞ
「あのな、雪を降らせてる人がいるんだよ」
だから俺は適当にでまかせを言ってみた
「・・・・・・誰が降らせてるの?」
「・・・恭介だ」
「・・・・・・・・・・・・なるほどぉ」
アキ姉は恭介を妖怪か何かと勘違いしてる節があるので、案の定納得してしまった
「・・・今度恭ちゃんに聞いてみるね。・・・なんで雪を降らしてるのか」
「じゃ、聞いてみてくれ。なんて答えたかまた教えてくれな」
「・・・・・・うん」
さーってと、アイツはなんて答えてくれるのかな?
その後
アキ姉はたまたまうちに立ち寄った恭介に聞いて見たらしい
そうすると、困惑しつつも一応答えてくれたそうだ
何故雪を降らすのか・・・・・・その答えは
「冬だから」
ごもっともで・・・・・・