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ご近所様は人じゃない!?  作者: 春夏秋冬
12/14

シーン11.ひねった気持ちと素直な行動?

「ねぇ君さ、いくらなんでも調子乗りすぎじゃない?」

「へ?」


今の時間は昼過ぎくらいかな

のんびりとシアちゃんとお弁当を食べていちゃいちゃしていたあたしに向かっていきなりぼーげんを吐いてきたのは見知らぬ子でした

ところで暴言じゃなくてボーゲンってあったよね。なんだっけ?


「あなたは誰よ?」

「人に名前を聞くときは自分から名乗るもんよ」

「じゃ興味無いから名前言わなくていいよ」


そんなことよりもボーゲンがなんだったかのほうが興味ある

あたしがうーん・・・と唸っていると


「君のそういうところがムカつくのよっ!」

「ん?まだいたの」

「・・・・・!へ、へぇ・・・噂どおりの勝手な子ね!」

「それで、結局はどちらさまですかぁ~?」


ぽややんと様子を見ていたシアちゃんがその女子に聞くと


「私はルリネ。なんかフユって子がずいぶんいい気になってるみたいだから言いがかりをつけに来たの」

「正直だねぇ~。言いがかり付けに来たって自分で言わないよぉ、普通は」

「普通じゃないなら変なヤツか。この変なヤツめ!」

「やっかましい!君に言われたくないわっ」


おー、なんか顔赤くしてる。

単純っぽい子だなぁ

それはいいけど、ボーゲンボーゲン・・・・・・なんだっけ?


あ、確かスキーのヤツだ


「とにかくね、そんなちっこいくせに偉そうにされてちゃたまんないのよねっ」

「ルリネちゃん背高いもんねぇ~、うらやまし~」

「ふふん、そうでしょう? でもね、高ければ良いってもんじゃなくって・・・・・はっ」


スキーの・・・・えっと、道具? なんか違う


「とにかくっ。そこのフユ!あんまでかい顔しないでよねっ」

「えー、フユちゃん顔小さいよ?」

「む・・・むぅ、たしかに。これは私がうらやまし・・・・・じゃなくて!」


あ、思い出した!


「とにかく、フユ。聞いてるの? 私はあなたの・・・」

「滑り方だ」

「滑り方が気に入らなくて・・・・」

「スキー行きたくなってきた!」

「一度こってり指導してあげようと思って」

「あ、ほんと? じゃ今度お願い」

「仕方ないわね、私の指導は厳しいわよ・・・・・・ってあれ?」


ルリネちゃんはなんか変な顔をして首を傾げていた





・・・・・・あれ?

私は最近生意気と評判のフユに文句を言うためにいつもとは違う公園へわざわざ出向いたはずなんだけど・・・・・・


「ルリネちゃん、これ食べる~?」

「あ、シアちゃん。それあたしが最後にとっておいたコンソメたっぷりポテチ!!」

「ダメだよぉ。お友達記念にルリネちゃんにあげるのー」

「えぇ。折角のお友達記念だし、こっちの黒こげポテチあげようよ。ナツ君も『新人の歓迎には根性焼きが一番!』って言ってたし。根性ありそうな焼き加減のコレのほうがいいよ」


あれ、なんで私気付いたら公園からフユの部屋にいるんだろう?

なんで部屋でお菓子食べてるんだろう?


「じゃ、どっちも食べてもらうと言うことで~」

「うぅ・・・まぁ、いいか。歓迎会だし」

「ち、ちょっとまった!フーすけ?なんか流されてここまで来たけど・・・・・・あと何度もいってる気がするけど、もともと私は君に文句を・・・」

「お、フーすけっていいね」

「ハルお兄さんもハーすけってよんで、二人で並ぶと語呂がよさそうだねぇ」

「ごろ?ごろごろ?」

「うがぁぁぁぁあああ!!!」


人の話を聞かない二人に私はなんかもうやりきれなくなって叫んだ

なんだかわからないけど無性にここから離れたくなった

なんだか、わからないけど・・・・・・


「お?フユの新しい友達かぁ?」

「へ?」


玄関から飛び出そうとしたところで男の人と出くわした。

そういえば、フーすけはお兄さんがいるみたいなことを言ってたような


「なんだ、もう帰るのか?ゆっくりしていけばいいのに」

「・・・・・だって、フユってわけわかんないんだもん・・・わけわかんないまま連れてこられて、わけわかんないまま一緒にいて」


なんだかむしゃくしゃしていた私は、初対面にもかかわらずそんな脈絡も無いことを言ってしまった

でも、そのフユのお兄さんらしき人は・・・呆れたように、そんな私を笑い飛ばした


「わけもなしに一緒にいるのが友達だろうが」

「とも・・・・・・だち?でも、フユとかシアとか・・・喋ったこと無いのに・・・」

「ほんと最近のお子様はどいつもこいつも・・・・・・細かいこと考えるなよ。フユも多分なーんも考えてないぞ?"なんとなく"でなんでも行動するヤツだからな」

「なんと・・・なく?」


そう。

私はなんとなく声をかけた

違う公園までわざわざ足を運んで

喋ったこともないのにわざわざ声を・・・


「だからお前もお子様らしく、なんとなくうちでゆっくりしてけよ」


なんとなく・・・・・・私の顔が熱くなった

私はペコリと頭を下げて、身を翻しフユの部屋へ


「フーすけ!!」


そしてなんとなく叫んだ


「私を姉と呼んでいいわよ!」

「・・・・・・あんた、私の姉がどんな化け物か知ってていってる?」




さて、いきなり偉そうなことを言ったうえ、ルリネちゃんにとある感情をめばえさせてしまったハルだったが・・・・・・


「そうそう、細かいこと考えてたらうちの妹とやっていけないよな。うん、我ながら的確なアドバイス。やっぱ俺がキングオブ兄だな」


そんなことは露知らず、妹の人間関係にでしゃばることができた自分を自画自賛していた

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