表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『見えないアクリル板』リアゼノンIFストーリー

作者: 八ッ坂千鶴

 ◇◇◇リアゼノン第五層◇◇◇



「ガロン‼ カメラ準備できたか?」

「もちろんなのです‼ モードレさん‼」

「よし‼」


 暗い迷路の中で着々と準備が進む収録班。俺はその様子を見学しながら、開始の合図を待つ。

 感染症が流行っているということで、それに合わせたセッティング。奥の方では、ルグアの兄ルクスが、手を振るのと駆け足を練習中、

 ってか、仮想空間なんだから別にする必要なくね? それより、なんでこんなことになったん?


「アレンも位置についてくれ‼」

「そうっすね。分かりやした‼」


 俺は、ルグアの隣に立つ。視線を少し下げると、ルクスの娘のラミアとファリナが、胸を踊らせていた。

 ガロン達は収録班側なので、参加はしないけど……。それでも緊張感でいっぱいになる。というよりも、こっちの方が緊張する。


「では、テイク1なのです‼」


 『せんぱーい‼』と行って駆け寄ってくる一人の男性ルクス。だけど、一回目は何故かつまづき、すってんころりん。

 その状況にルグアは頭を抱え、子供達は呆然とする。俺もそれしか反応できない。仮想空間でズッコケるわけないもん‼

 それよりも、よくズッコケられるよね? ルグアのお兄さんなんでしょ? カメラサービスが上手かったりして(苦笑)


「では、テイク2なのです‼」


 そして始まる2回目。一回目と同様に手を振り駆け寄ってくるルクス。だが、それをルグアは見逃さなかった。


「ルクス危ない‼」


『先輩?』


「前だ前を見ろ‼」


 ――バシンッ‼


 ルクスがなにかに激突した。これにはラミアとファリナの大ウケらしく、お腹を抱えてひっくり返る。

 激突した張本人も、どこか気まずそうな表情。俺も助けようがない。んなことよりなんであんなところで?

 俺はルクスがぶつかった場所を見る。そこには薄っぺらい透明な板。いや、これはアクリル板だよ‼


「なんでこんなところにアクリル板が?」

「片付け担当のミスだな」

「片付け担当っすか?」


 ルグアが収録班を見つめる。そこには美味しそうに魚を頬張るフランが、カメラ前を陣取っていた。


「ってことはつまり……」


『フランさんが邪魔で、撮影できていないのです……』


全員「『おいッ‼』」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ