表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異能と青春  作者: 成海由華
アークイーター編
99/100

6.最強

 アーク名 鎖使い(チェーンマスター)

 鎖を生成する、操る、解く。

 鎖に特殊効果を付与する事などができる力。


 これがギャラルの能力だった。


 鎖で動きを止められた到極とティア。

 桜たちの元へ行くにはギャラルを倒すしかなさそうだった。


 ティアが異能を発動する。

 異能で出来た腕がギャラルに向かって飛ぶ。

 だが。


 ギャラルはいとも簡単にそれを受け止めた。

 そして。


「ククッ、おらぁーっ!」


 一瞬でティアに近づくギャラル。

 ギャラルの拳がティアを打つ。

 間一髪、異能の手でガードするティア。

 それでも。


「くっ――!」


 勢いを殺し切れず、後方に吹き飛ぶティア。

 ビルの壁にぶつかる。


「ぐうっ!?」


 ティアの口から苦痛の声が漏れる。


「ティア!」


 思わず到極が叫んだ。

 そして。


「お前っ!」


 そんな叫びと共に到極が駆け出していた。

 ギャラルに向かって飛びかかる到極。

 だがギャラルはそんな到極をするりと躱す。


 そして攻撃が空振りした到極に向かって一発蹴りを入れた。


「がはっ!」


 到極の口からそんな声が漏れた。

 なんとか踏ん張り、次の一撃を繰り出そうとする到極。


 だがそれも簡単にギャラルにいなされる。

 そんな一方的な戦いが続いていた。




 一方、桜たちは。

 屈強な男、ガイと対峙していた。


「到極さん、ティアさん……!」


 2人に駆け寄ろうとする桜。

 そんな桜を阻むようにガイが立ち塞がる。


「ギャラルが戦っている間、他の人間を近づけさせない。そういう約束なんだ。わるいな」


 ガイが言った。


「お前たちが余計なことをしなければ、俺もお前たちには手を出さない」


 続けて言うガイ。

 その言葉を聞いて少し迷う桜と光。

 だが隼人と礼夏は違った。


 異能の発動準備に入る2人。

 ガイと戦うつもりだった。

 それを見て。


「だったら少し大人しくしていてもらおう」


 そう言ってガイも異能を発動した。

 そして、次の瞬間。


 隼人が弾き飛ばされていた。


「がはっ!?」


 アーク名 肉体強化(ビルドアップ)

 自分の身体の力を増幅するシンプルな力。

 これがガイの能力だった。


 だがそのシンプルな力をただひたすら真っ直ぐに極めていた。


 ガイが次の狙いを礼夏に定める。

 ガイが礼夏に向かって来る。


 すかさず光がシールドを生成した。

 展開される10枚のシールド。


 ガイがそのシールドに向かって拳を突き出す。

 そして。


 一瞬で8枚のシールドが砕けた。


 攻撃の勢いで礼夏も吹き飛ぶ。


「きゃーっ!」


 地面に倒れ込む礼夏。

 こちらも一方的な勝負になりそうだった。




「はぁはぁはぁ……」


 一方、到極はギャラルに追い詰められていた。


(まずい、このままじゃ……)


 その光景をティアは離れた場所から見ていた。

 先ほどギャラルに弾き飛ばされた場所だ。


「到極くん……!」


 到極を守るため、ティアが異能を全開した。

 生成される数十本の異能の腕。

 それらが一斉にギャラルに襲いかかった。


「はああああああっ!!」


 異能の腕に埋め尽くされ、見えなくなるギャラル。

 そして。


「はぁっ!」


 ティアが最後の一撃を撃ち込んだ。

 土煙が舞う。ギャラルの姿は見えない。


 徐々に土煙が晴れていく。

 その中からシルエットが浮かび上がる。


「そんな……」


 ティアが言った。


 ギャラルだった。

 流石に無傷とはいかなかった。

 が、それでも。


 数箇所の擦り傷。数箇所の切り傷。

 それだけだった。


「いいねぇ。久々に骨のある奴とやれて楽しいぜ!」


 ギャラルが高揚しながら言った。

 ギャラルがティアに向かって行く。


 先ほどの攻撃はティアの全力。

 今のティアにこれ以上の力はない。

 それは到極にも分かった。

 だから。


 ぼろぼろの状態でギャラルの前に立ち塞がる到極。


「なに、まだやるの? 私はティアと戦いたいんだけど……」


 そこまで言って、ギャラルの様子が変わった。

 何かに気付いたようだった。


「いや、お前はお前で面白そうか――」


 ギャラルが到極を見て言った。

 ティアから注意を逸らせたのはよかったが、到極としても満身創痍だった。


(これから、どうしたら……)


 到極が思った。

 到極だけではなく、チームLの全員がそれと似たことを思っていた。


 ゆっくりと歩いてくるギャラル。

 だが、そんな時だった。




「――その辺にしといたらどうだ、2人とも」




 そんな声がビルの上から聞こえてきた。




 ◇ ◇ ◇




 ビルの上を見る一同。

 そこにいた人物を到極は知っていた。


「あなたは!」


 スタイルのいい男子高校生。

 数日前、到極が結城と共に出会った青年だった。


 青年の名は零斗れいと

 結城、ガイ、ギャラル。

 彼らに続く4人目の十傑だった。


「おい、邪魔するなよ。今はこいつらと遊んでるところなんだ。戦う気がない奴は引っ込んでな!」


 ギャラルが零斗に言った。


「やれやれ、仕方ないな」


 零斗が続ける。


「――じゃあ俺が代わりに遊んでやるよ」


 そう言って、零斗が地上に降り立つ。


「言ったな、イヒヒッ。楽しませてくれよ!」


 ギャラルが言った。

 到極とティアの鎖を解除し、ギャラルが一気に零斗に向かっていく。


 ギャラルの全力が零斗を打つ。

 だが。


 その一撃を零斗は耐えていた。

 そこから先は、次元の違う戦いだった。

 破壊されていく街。ガイも加えて激しさを増す戦闘。


 そんな中、到極たちは何とか逃げ延びることに成功した。




 ◇ ◇ ◇




 数日後。

 E.D.O本部。

 その会議室に到極たちはいた。


 捕食獣の発生源が判明したのだ。

 その発生源を叩くための作戦会議が行われていた。

 会議は無事に終了した。


 席を立つ到極。

 その目には覚悟が宿っていた。


「行こう、みんな」


 到極がチームLの皆に言った。


「反撃開始だ」




【第17章 アークイーター編 前編 完】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ