第6話 童とは子供に在らず。忌み嫌われる者の名よ
ギリギリ15禁なシーンがあります。ご注意を。
起きた。
だが、眠い。
これといって作るものが無いから眠い
時計を確認……6時!
よし寝よう。
二度寝は研究室でこき使われる学生にとって
最大の贅沢である。
二度寝なんて言う悪魔の誘いに乗った者達はもれなく寝坊し、実験の記録を忘れて教授に怒られるのだ。
(悪いなみんな、俺は二度寝を堪能するよ)
さすが悪魔の二度寝だ。
大変気分が良い、だが、もう時間は8時だ。
この時間は家族は朝食を食べ終え
各々の事をしてる時間だ。
(朝飯いいや。
研究室じゃ生活リズムを教授に粉砕され1日1食の時すらあったし。
まぁその1食が、脳の栄養補給しか考えてないすごく合理的で美味い教授の手作り料理だから1食でも平気なのだが。
酷い時は、ブドウ糖のラムネを休憩時間に10粒無理やり食べさせられ
体はボロ雑巾なのに頭は冴えてるインテリゾンビに変えられたよ。
まぁ、そのお陰で准教授から教授に慣れたとか)
懐かしい思い出が蘇ったが、俺は今ゲームで刀を打ちたいのでプライムにログインをした。
ログインすると、右腕に柔らかい感触があった。
(やな予感)
右を向くと、浴衣を羽織ってるだけのほぼ全裸なロリ魔王が俺の右腕を抱いていた。
サラシを巻けサラシを!
あと、オリアがブチ切れすぎて、黒く蠢いている。
怖!
まぁ見るものが見れば鼻血物だろうが、俺はもう彼女の時に鼻血を出し切った。もう出ない。
てかいつからR18ゲーになったんだ?
あまりよく見たくないが、ちゃんと大事な所はプレイヤーの目の方でモザイクがかけられている。
あと、このロリ魔王
顔もすごく綺麗だが、体の方も綺麗だった。
そして驚くほど白い。透き通った健康的な白だ。
ただ細いのでは無く、しっかり健康的な体つきで、俺の美大に通っている友人に見せれば違う意味で鼻血を出すだろう。
あとコイツの彼女はモデルだ。
どうやって告ったのか気になる。
まぁこのロリ魔王、全てを台無しにするかの如く
首に大きな切り傷がある。
酒呑童子だからかな?
あぁでも務所にぶち込まれたクズは好きそうだ。
ちなみに後々、ロリコンの交渉に使えると思い、
10枚くらいスクショした。
こっちもモザイクがかけられてて、ありがたい。
まぁいつまでも寝てる訳にはいかないので起きた。
なんか俺の部屋を見張っている鬼2人が鍔に手を掛け目を血ばらせながら睨んできた。
左の青鬼は今にも斬りかかりそうだが
右の黒鬼は鍔に手を掛けて、こちらの動きを伺っている。手練のようだ。
触れてはいけないのだと思うが、2人とも殴られた跡があり、酷く腫れている。
犯人はどうせロリ魔王だろうな。難儀な事だ。
俺は客人なので斬り掛かることは無いだろうが
一応、刀を腰に差しておいた。
少し経つとロリ魔王が起き出した。もう浴衣なんてものは来ておらず、すっぽんぽんだ。
「「姉御!おはようございやす」」
鬼二人が刀を床に置いて、頭を垂れた。
まぁそうだよな。一応大将だもんな。
「なぁ?あぁ、おはようさん、今日も〜よろしゅう頼むなぁ」
あら、ことば遣いが違う。
「うん?おぉ、メヒトやないかぁ。昨日の夜、楽しんでもろたかぁ?」
「あぁ、あん肝が絶品だったよ」
「そら、良かったわぁ」
そういえば酒呑童子は西の鬼だったな。でも口調が変わったのはなんでだ?
「あの、姉御。ちょっと何か着てもらってよろしいですか?」
青鬼が言った。あまり宜しくないわな。
「うーん。でもなぁ、火照ってもうてなぁ」
「河童の親父が来ています」
黒鬼がそう言うと
ギラリとロリ魔王の目付きが変わった。
「おい、若造。着物ぉ持ってこいや」
お?元に戻った。この口調は作ってんのか?
「此処に」
黒鬼が直ぐに渡した。用意のいい事だ。
ロリ魔王はすぐに着替えて俺に
「おめぇさんもこいや。親父ぃ、合わせたる」
と言った。まぁ断る理由も無いので着いていく。
が、部屋を出た瞬間ロリ魔王が動きを止めてた。
視線の先には赤黒い鱗を全身に生やした、右目が完全に光が宿っていない鬼だった。
「お、親父!」
どうやらこの鬼が河童らしい。
尻子玉を本当に抜かれそうだ。
「おぉ、おせぇじゃあ、ねぇかよ?
約束の時間はもうすぎてるぜぇ?
なぁ?伊吹よぉ?」
「すまねぇ。私のせいだ。」
すげぇ、ロリ魔王が頭を下げた。
「おうおう、素直に面ぁ、さげられるよぉになったじゃあねぇか。
で、おめぇが面合わせてぇって言った奴がこいつかぁ?」
左目があった。うん、多分そうです。
「そうです、親父。こいつはぁ鍛治職人なもんで、私の炉を使わせてぇと思ってる。
そこで親父ぃ、コイツに手ほどきぃしてほしんでさぁ」
「ふーん。刀ぁ、もう打たねぇんか」
「女にゃ、ちと厳しい世界なもんで」
「鬼のおめぇが抜かしおる。どうせぇ飽きちまったんだろ」
目を泳がせてる。図星だな。
「まぁえぇ。本業に力ぁ入れりゃぁ良い」
「はい」
うん?なんか河童(?)がこっち見てきた。
「さて、そこのぉ兄ちゃん。自己紹介だ。
おらぁ、河童の河伯。刀匠だ。
このバカ娘の親父で、元鬼の大将だ」
河童が鬼の大将やってる〜
「俺は、メヒト。鍛治職人だ」
「おぉ、メヒトかぁ。
鍛治にゃあ、ピッタリのなめぇだなぁ?」
うわ、こいつ、名前の由来を察しやがった。
それより早く刀を打ちたい。
この河童はビンゴだ。
「じゃぁ、俺の持ち場にぃこいや。刀ぁ打たせてやる!」
よし、イベントきた!
<ワールドシナリオ、「最初の神」が進行しました>
<ワールドシナリオ、「魔王の暗躍」が進行しました>
<ワールドシナリオ、「戦士の女神」が進行しました>
<ワールドシナリオ、「主神の到来」が進行しました>
<エピッククエスト、「鉄の相槌、火の息吹」が発現しました>
やべぇフラグ踏んだようだ。
俺は普通のイベントを望んだんだが
規模がデカすぎる
なんで主人公がこんなに大量のフラグを立てたかというと、
まずヴァルキュリアの一体がいる事で、「戦士の女神」と「主神の到来」がフラグが少し立って
5番目のAIに目をつけられて「魔王の暗躍」がフラグ立って
河伯に職業:鍛治職人で好感度が一定ライン超えたのでフラグ立ったって感じです
で、フラグを起動したのは最高責任者です。
さっさっとワールドシナリオ進めて次に行きたいらしい。
ちなみに「主神の到来」「戦士の女神」は一定数の真なるヴァルキュリアを持ったプレイヤーが居ないと起動しません。
最後まで渋ったのはもちろん長女。
ファザコンなので察してください。