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《警告:ゲームをプレイする際に注意事項を確認した上で長時間同じ体勢でも平気な状態にしてください》
《準備はできましたか?》
〈YES/NO〉
「YES」
《条件達成を確認。 システム起動……》
《起動完了》
《プレイするゲームを選択してください》
「プライム オブ ザ ワールド」
《ゲームデータ確認……確認しました》
《ダイブしますか?》
〈YES/NO〉
「YES」
《承諾を確認。ダイブを開始します》
Now Loading……
まず最初にキャラメイクに移った。
なんか目の前に小さな球体が浮かんでいて右横に空欄のステータス画面が浮いていた。
パッと見た感じ大体見慣れたステータス画面だが、
ステータスの1番上に□□陣営と書いてあったり、種族の横に(末)と表示されている。
なんかこの辺りがゲームの肝になってそうだ。
「陣営って何があるのかな?」
《マスター、陣営は魔王と人類の2つがあります》
「ぅわ!びっくりした……」
いきなり耳元に声が聞こえてびびった
ホラゲーは得意な方だが、来ると思ってない時は普通にビビる。
やめて欲しい……。
とりあえず声が聞こえてきた方に目をやると肩にちっこい球体が浮いていた。
「あの〜どちら様で?」
《私はマスターの軌跡を見守る者です。
基本的には言葉を発しませんが
マイロードの助言により
乱数で知恵を少し貸す役割を担う事になりました。
何か分からないことがあればなんなりと》
「じゃあ、名前は?」
《名前はありません。
マスターが付けてもいいですよ?
変なの付けたらシカトしますけど》
「まじかよ……」
このゲーム凄いぞ!
お化けAI積んでる説が出てきた。
受け答えがスムーズだしあらかじめ作ったセリフを言っている感が無い!
あと「変なの」の基準が分からないから怖い。
「変の基準とかは?」
《……》
「あのー」
《……》
あーくそシカトしてやがる。
「たまっころ」
《……マスターの変更を要請……承諾》
「あーもうわかったよ、悪かった。真面目に考えるよ」
《次は無いですよ^^*》
すげぇ球体に顔文字が浮かんでる。
なんかツボる。
それより俺に知恵を貸すか…
〈ミーミル〉とかが思い浮かぶが声的に女性キャラだ、合わない。
だとすると……
「〈オレア〉はどうだ」
《まぁいいでしょう。由来がしっくり来ませんが》
うわこいつネットと繋がってる可能性もあるぞ。
下手な事言ったら煽られそうだな。
《では、マスター貴方の名前を教えてください》
ここでプレイヤーネームを決めるのか。
もちろん既に決まっている
「メヒトだ」
《マスター:メヒト。マイロードに記録完了》
うん?
マイロードは機械なのか。
もしかしたら巨大なサーバーなのかもな
《さて、メヒト様。
本題の陣営やその他の説明を始めます》
「わかった。
後様はいらない、呼び捨てで頼むよオレア」
《わかりました。メヒト》
《まず、陣営から。
この世界は2つの勢力、「魔王」と「人類」があり、それぞれ陣営を作っています。
「魔王」陣営は8人の魔王の連盟で、それぞれ八大種族の長達が魔王と名乗っています。
陣営に入ると選べる種族が八代魔族になる代わりに人類は選べなくなります。
そして選んだ種族の長の下に着くことになるので魔王との相性も考えた方がいいでしょう。
次に「人類」陣営です。
この世界は8つの人類国家があり、これらの連盟がこの陣営です。
特徴は職業が豊富な事と、魔法の数が多いい事、流派によってスキルが得られる事と、そして器用のレベル上限が無いです。
そして魔王と違い陣営に所属していても王国の下に着く必要がなく
その場合、冒険者組合に自動的に所属します》
色々説明があったが俺にとって重要なのはあれができるかだ。
「オレア、人類陣営の職業で鍛治職人はあるか?」
《もちろんあります。
鍛治職人は段階があり、最終的にはワールドジョブに進化します。
しかし鍛治職人のワールドジョブは生産職の複合系なので、
武器、防具、建築、装飾の経験値を基準に満たさないと進化できません。
それとほかのジョブの一覧もあまりますよ》
すげー
ざっと見た感じ剣士だけでも斧や槍とか14種類
両手とかも含めると13種類、ここに大きさも加わって……って細すぎだわ!
こんだけ凝った設定作るやつなら絶対隠しジョブがあるはずだな。
なんかジョブにもランクがありそうな感じするし、結構ガチなんだなこのゲーム
「よし、決まった。
〈人類陣営〉職業:鍛治職人 副職:双剣使い(刀) 」
《やり直しはできませんよ?》
「決まりだ」
《次は、メヒトの体を決めましょう》
そういうと、目の前の球体が変形して
何も無いマネキンができた。
《これは、あなたの体です。性別や骨格、筋肉の付き方、肌の質や色、傷やメイク、髪型、インナーを決められます》
大体こうしたい形はできてるから……
〜15分後〜
何も無かったマネキンが今は筋肉が程よく付いたいた身長160cmの隻眼の日本人の青年に変わっている。
服装は着流しで腰に2振り刀を差している。
《これは日本の〈武士〉の格好ですか?》
「そうだね……」
本職は鍛冶職人なので鍛治職人らしい見た目にしたかったが、いまいちピンと来なかったので、武士の格好にした。
《では、メヒトさん。
私達の世界に誕生しますか?》
誕生の事をログインって言うんだ。
どうでもいいけど。
「誕生するよ」
《〜9柱の神が貴方の旅を導かんことを〜》
オリアがそう歌うように言うと
いきなり意識が暗転し、心地いい風が頬を撫で始めた。
実はこの物語の黒幕序盤に出てたり出なかったり。信じるか信じないかアナタ次第!