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065『二荒山神社の餃子みくじ』

まりあ戦記・065


『二荒山神社の餃子みくじ』 晋三 





 先生がオイデオイデすると、第14師団の店は大きな鳥居の前になった。



 いきなりだったらビックリするんだけど、ついこないだ雲を突き抜けてあの世を見せてもらったところなので、それほど驚かない。


「ひょっとして、こないだの続きですか?」


「まあね、とりあえず、この鳥居分かるかなあ?」


「ええと……」


 鳥居は……間近に寄ると、鳥居の前後に支えの柱があって、柱と鳥居本体をぶっとい横木が貫いてガッチリしている。なんか、鳥居そのものが地面に根を生やしている感じで、収まりがいい。


 左右を見るとでっかいビル、普通に6車線の道路で都会の真ん中。ただ、鳥居の周囲が左右のビルと同じくらいの空き地になっていて、空き地の向こうは緑の丘。丘の中央、百段くらいの石段が登って、その向こうが神域らしい。


 横の標柱しめばしらを見ると『式内大社 二荒山神社』と彫ってある。


「あ、お札の神社ですか?」


 先生の四人掛けの上には二荒山神社のお札があった。


「うん、ちょっとね、お力を借りるの……」


 サッ


 先生は両手を挙げ、勢いよくカーテンを開けるような仕草をした。


 ホヮ~~ン


 鳥居がダブった……と思うと、カタチはそのままに白木の鳥居が現れ。先生が鳥居の向こうを指さすと、あっという間に突き抜ける!


 シュシュ!


 突き抜けた先は…………あの世?


「あの世の先」


「あの世の先?」


「神さま仏さまの世界……の……奥の奥……」


 そこは、あの世のように上下左右の感覚の無い空間で、無数の光の玉が瞬いてくっ付いたり離れたり。


 大きな花火が爆ぜる数秒間を動画に撮って、それを正順逆順に繰り返しているような。巨大な恒星の爆発の前後を繰り返しているような、そんな感じ。


「あの、小さな光の一つ一つが神さま仏さま。時々、巨大な一つにまとまったり、バラバラに分裂したり。神さま仏さまというのは、一つでもあり無数でもある……そういうのを視覚化した感じかな」


 アマテラスを想った。


 アマテラスは日本政府の巨大なコンピューターだ。並列化された七台のスーパーコンピューターの総称だ。七台だから七福人に例えられ、大事な問題は七台のコンピューター(035『大尉は司令を追いかけた』)の投票で決まる。それに似ている。もっとも、アマテラスの決定はたまにエラーが出る。そのエラーを補完するために特務旅団が作られたと言っていいと、ホトケさんの俺は思ったりする。


「同じなのよ」


「え?」


「アマテラスと」


「先生、俺の頭覗いてる?」


「あ、お互い仏さまだからね(^^;)」


 仏さまというのも並列化してるんだろうか?


「神さま仏さま……ちょっち長いからゴッドって呼ぶわね」


「うん」


「ゴッドは、AIが発達し始めたころから、人類の未来に不安を抱き始めたの」


「あ、ああ……」


「AIの全能感は、ちょっとゴッドに似ている。そこで、ゴッドは地球外のゴッドに協力を求めた」


「地球外にも神さま仏さまがいるの?」


「ええ……」


 サッ


 またカーテンを開く仕草をすると、ゴッドは小さくなって、その周辺にゴッドに似たのが十数個現れた。


「直接影響力のあるゴッドは、このくらい。そのゴッドがいっしょになって地球に干渉しているのが……」



 ヨミ( ゜Д゜)!?



 閃いただけで言葉にはしなかった、


 でも、先生は静かに頷いた。



 再び第四師団に戻ると、みんなたらふく食った後だった。


 異界に行くと時間は経過しないはずなんだけど、どうやら一時間近く経ってしまっていたらしい。メグリ先生が見せてくれたのは、それほどに重い内容だったんだ。お札の下の四人掛けに目をやると、服装はそのままだけど、全然違う女の人が餃子を食べていた。


 それからお迎えのヘリが来るまで二荒山神社に行ってお参りした後、おみくじを引いた。


 ここのおみくじは餃子みくじといって、餃子の形をしている!


 ふつうのおみくじもあるんだけど、面白いから、みんなこっちを引く。


 お箸で摘まむという本格派で、開いてみると、みんな大吉とか忠吉。


「おお、夫婦仲良しって出てるぞぉ!」


 金剛少佐が喜んだ時のみなみ大尉の顔と言ったらないんだけど、みんな「グハハハ( ≧艸≦)」と笑ってしまう。


 ちなみに、まりあは末吉——迫る苦難は未来の肥やしと知れ——とあった。





☆彡 主な登場人物


・舵 晋三      永遠の16歳 法名・釋善実

・舵 まりあ     晋三の妹 高校2年 ウズメのパイロット

・舵 晋太郎     特務旅団司令 晋三とまりあの父

・高安みなみ     特務旅団大尉

・中原光子少尉    みなみ大尉の副官

・金剛武特務少佐   ベースのコンピューターの保守を任務とする技術士官

・テレジア(元マリア)ガイノイド戦士(031から)まりあのガード(VR10201改)

・ナユタ       ソメティのパイロット 第二首都高一年

・徳川曹長      みなみの世話係

・まりあの友達    釈迦堂観音(お堂さん) 矢治公男と喜田伸晃 鈴木さん 佐藤さん

・学校の先生     瀬戸内美晴(担任)

・岡田 時子     舵司令がたまに入れ替わる母の若いころの義体

・岡田 時蔵     時子の祖父

・メグリ先生(?)  晋三が小一の時の担任


☆彡 重要語句


・インテグレーション(integration) ウズメ02を複数パイロットの能力を統合して操縦すること

・セパレートアタック        複数パイロットが個別にコントロールして攻撃すること

・ケティちゃん           ケティちゃんを依り代とする小思念体

     

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