表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/53

020『突然の休暇』


まりあ戦記・020

『突然の休暇』    





 ここのところヨミの攻撃が無い。


 首都駅に着くなりヨミの攻撃に晒され、命からがらたどり着いたベースでは、いきなりウズメに乗せられ、命がけの戦闘をさせられた。

 もう、なんでもかかってこい!

 まりあは覚悟を決めていたが、こんなに平穏な日々が続くと、いっそこのまま穏やかに生きていければと思ってしまう。


 せめてお兄ちゃん(俺)の法事が済むまではこのままで……。


 そう願うのは、まりあの愛情……と言ってやりたいが、十六歳の少女らしい怯えからだろう。

「休暇は休暇、楽しまなくっちゃ!」

 みなみ大尉は、五分で準備した荷物を景気よく車のトランクにぶち込んだ。

「さ、行くよ!」

「うわーーーー!」

 まりあがドアを閉めきる前に車は急発進した。

「家の外で朝ごはんを食べるなんて新鮮だ!」

 まりあの横で男の子のナリをしたマリアが興奮している。



 徹夜で仕事をしていたみなみ大尉に突然休暇の許可が下りたのは、ほんの十分まえだ。



 頭の片隅で「なんで!?」という疑問が無いわけではなかったっが、詮索したら仕事が増えそうな気がしたので、瞬間で頭を切り替えた。

 箱根にある軍の保養施設の空きを確認し、二秒で予約を入れると、八分でマンションに帰り、まりあとマリアを急き立てて車に乗せたのである。

 まりあは戸惑ったが、マリアの反応は早かった。

「まりあ&マリアじゃまずいわよね」

 マリアはまりあの影武者だ。いっしょに出かけるのははばかられる。

「エイ!」

 小さく掛け声をかけると、髪の毛が縮んで肌の色が変わった。

「え、そんな技があったの?」

「あたしも初めて知った」

 自分でも驚いたマリアの声は、一オクターブ低い少年の声だった。


「マリア……じゃまずいわよね」


 高速に入ったところで、まりあが呟いた。男のナリでマリアはまずい。

「じゃ、マリオって呼んで」

「それじゃ任天堂のゲームだ」

「よし、晋太郎だ!」

「ウプ!」

 まりあが吹き出しかける。晋太郎は親父の名前だ。

「えと、泊まりになるのよね、みなみさん?」

「学校なら、明日の朝一番で連絡入れる。軍務は最優先事項になってるから、ドントマインよ」

「え、これって仕事なの?」

「休暇も大事な任務よ。しっかりホグシておかなきゃ、いざって時に力を発揮できないでしょ! ガハハハ!」



 高笑いしながら宣言するみなみ大尉の圧に呑み込まれていくマリアであった。 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ