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37話 寄り道

 リザードマン村を拠点として探索を始めた俺たち。

 オーガ二体を倒し、村へ一旦持ち帰ることにした。

 その道中で……。


「つまり俺も魔族みたいなもんってこと?」


「広い意味ではそうなる」


 オーガ戦でリゼルヴァの言った、『魔族は不死者の創造主』という情報について教えてもらっていた。

 族長から『異界の神を祖とするのが魔族』って話は聞いている。

 しかしアンデッドが魔族由来というのは意外だった。


「この世界を侵略してきた異界の神、その眷属が魔族。その尖兵として創造されたのがアンデッドだ」


「へぇー……でもアンデッドって、よそ者の割に馴染んでるよね? リゼルヴァたちも受け入れてくれたし」


「お前は本当になにも知らないんだな。マミーほどのアンデッドともなれば賢いと聞いていたが」


「へへっ、すいやせん」


 ぺろりと舌を出す。

 だってずっとアイテムボックスに閉じ込められてたんだもん、しょうがないじゃん。


「元々の神と異界の神との戦いで、あるリッチがこちらに寝返ったのだ。その者は友好の証として死した竜王を蘇らせた。

 おかげで魔族は弱体化し、今の……ある程度平和な世界がある」


「含みのある言い方するね」


「時折勢いを盛り返しては、やっかいごとを起こすのだ魔族は」


「それで勇者が必要、と」


 竜王……たぶんドラゴンのなかでも偉い奴だ。

 リザードマンはドラゴンを信仰していたな。


「竜王を助けたからリザードマンはアンデッドに優しいわけね」


「そんなところだ。まあ、たいがいのアンデッドは見境なく襲ってくるから普通に殺すがな」


 ですよね、ゾンビやらスケルトンやらに話通じないもんね。

 寝返ったリッチっていう人物が気になるけど、大昔の話らしいから詳しくは分からないらしい。

 たぶん良いやつなんだろうなあ。

 

「ねぇマスター、向こうに建物が見えるよ」


 オニスケ――スケルトンオーガの頭に乗ったドクンちゃんが声をあげた。

 高い視点から何かを発見したようだ。

 ていうかなんで今まで高いところから見渡す発想がなかったんだろう。

 飛べるトリスケにドクンちゃんを乗せればよかったじゃん……バカだ俺は。


「こんな森の中にあるってことは、おしゃれな古民家カフェかな?」


「残念だけど遺跡っぽいよー」


 素晴らしい、是が非でも調査しなくては。

 遺跡=ダンジョン=お宝……お約束である。


「じゃあリザードマンズは村に帰っててくれ、オニスケを護衛につけるから。遺跡は俺たちで向かうわ」


 遺跡に入るとなればオニスケのガタイじゃ詰まりそうだ。

 馬サイズのトリスケもかなり怪しい。


「石畳は(ひづめ)が痛む。我は遠慮したい」


「えぇー、がんばろーぜ?」


 ホルンが女々しいことを言い出した。

 いやでも、蹄の痛みを俺は知らないし個人の尺度で我慢しろって一方的に押さえつけるのは時代にそぐわな


「私も残ろう」


 そうこう考え込んでる間にリゼルヴァの参加が決まった。

 リザードマン二人とオニスケに別れを告げ、テポテポ進む俺たち。

 たまにトリスケにドクンちゃんを乗せて方角を確認しつつ、無事遺跡に到着した。

 

 苔むした石畳に高さ6メートルくらいの石柱が立ち並んでいる。

 砕けた石や彫像が転がっていて、謎の文明の残り香を感じさせるロケーションだ。

 

「……うーん」


 俺の肩に座るドクンちゃんが唸る。


「なにか知ってるのか?」


「見たことあるような、ないような」


 ドクンちゃんの失われた記憶に関係しているのかもしれない。

 しばらく石畳を進むと、頑丈な扉が現れた。

 どうやら地下へ続く遺跡のようだ。


「これどうやって開けるんだろーね?」


 地面にはまった扉は取っ手も何もない。

 入口なのだから開かなければ始まらない。

 ゲームなら周囲にレバーなりスイッチなりの仕掛けがあるものだけど、それもない。


「どれ、俺に任せてみんかい」


 指先から包帯を伸ばし、扉のわずかな隙間から向こう側へねじ込む。

 そのまま触覚を頼りに探ってみる。

 なるほど階段がある。


「おっ、これかな」


 壁の一部に突起を探り当てた。

 包帯を絡ませて目いっぱい引っ張る!


 ――ギ、ギギギギ


 重い音を立てながら、扉がスライドし階段が露わになった。


「すごーい!」


「上手いものだな」


 ドクンちゃんとリゼルヴァの称賛が心地いい。

 地下へ続く通路にはご丁寧に松明が設置されている。

 探索しろと言わんばかりだ。

 

 しかし図体の大きなアニマルズは進めないだろう。

 ホルンとトリスケには待ってもらうことにした。

 

「というわけで君たちは留守番です」


「せいぜい気をつけろ」


 よってパーティメンバーは俺、ドクンちゃん、ホブスケ、リゼルヴァの4人。

 強くてほどほどの大きさのスケルトンが欲しいなぁ……。


 つれない馬に見送られ俺たちは遺跡内部へ入っていった。

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