第7話 小鳥の名前
そして、その小鳥ははれて私の小鳥になった。
名前は考え中ということになっている。
私が話せるようになったら名前をつける。
ということになっているみたいだ。
私へのプレゼントだから名前はアリーチェがつけるべきって感じになった。
それまではみんな小鳥と呼んでいる。
それは、それで可哀想な気がするけど。
そして、今日も私は魔法の練習だ。
中々順調に魔力が増えていると思う。
風魔法で空に浮くことができるようになった。
でも、とても怖い。
安定感とかない。
練習はいっぱいしたんだけどね。
やって、すぐやめた。
努力の無駄使いをした気もするけど、しょうがない。
無理なものは無理だ。
ライトや身体強化以外で魔法を使ってみたいと思って、空飛びたいなと思ったから、やったけど、これ怖すぎる。
ちなみに、この小鳥は私から離れたがらないが、空を飛びたいなと思って浮いた時も私から離れなかった。
自分で飛べるのに。
そこがとても驚いた。
人間でいうなら、自分より歩けない人におんぶさせる感じだよ?
不安でしかないよ。
それなのに、くっついていて、どれだけ私と離れたくないのか。
何が言いたいかと言うと、とても嬉しい。
私、前世で友達関係良くなかったから、こういう風に家族以外に慕われるのは素直に嬉しい。
私も大切にしたくなる。
早く名前を呼んであげたい。
名前はきまっている。
私は小さい頃から友達の幼馴染がいる。
身内みたいな子が。
小学校も中学校も高校も大学もどの学校も一緒になったことはないけど、家族みたいな子だった。
この子だけが、ずっと友達だった。
学校で最後まで仲良かった子はいなかったけど、この子だけは離れなかった。
学校をやめなかったのは、この子のおかげもあるかな?
私とは全然違って、さっぱりしていて、会う度、違う色の髪の毛をして、ピアスもしていた。
『友達は多く浅くの関係』と言っていたけど、、それでも、私には彼女と彼女の友達は仲のいい友達だったように思える。
その友達の名前は、『鈴木夏菜』。
私と同じ苗字なのだ。
それも、嬉しかった。
初めて転生して友達なったのだ。
同じ名前を付けたかった。
まぁ、セオもそれに含まれるけどね。
夏菜と約束してたんだ。
私の家には犬がいたんだけど、亡くなっちゃったんだよね、結構前に。
それで、もし次飼うなら、「菜々(ナナ)」って名前にしようってなったの。
男の子なら「なーくん」女の子なら「なっちゃん」って。もちろん、性格的に呼び方があってなかったら変えるつもりだったけどね。
夏菜はもし、犬が飼えるなら、「優亜」って名前にして、男の子なら「ゆーくん」女の子なら「ゆーちゃん」って呼ぶって。
結局私は、次の犬を飼う気にまだなれてなくて、飼っていないし、夏菜は家族がだめらしく、飼えないので、一人暮らしをした時って言ってたけど、まだ、一人暮らしをしてなかった。
この小鳥に性別はないらしい。
それでも、なんとなく、女の子に思える。
この小鳥の名前は『菜々(ナナ)』。
『なっちゃん』と呼びたい。