第2話 念願の異世界転生
ここはどこ?
あたり一面、真っ白の世界。上も下も右も左も、すべてが真っ白。『なにもない世界』みたい。
そして、突然現れた、この目の前にいる男の子は誰?
「お待たせしました。」
男の子はそう言った。
たぶん中学生か高校一年生くらいの成長期前の男の子。
茶髪の優しそうな男の子。
何か知ってそうな男の子が現れて、勢いよく聞いた。
「ここはどこ?、、あなた誰なの?天使?それとも神様?私は、、、、死んだ、、よね?、、、、あ、敬語!!すみません!!」
私が敬語を忘れていたことに気づいて謝ると、男の子は面白いものをみたようにくすくすと笑った。
「気にしなくていいよ。ここは神界だよ。」
男の子はむしろ敬語はつけない方がうれしいというように言った。
「僕はあなたの世界でいう神。、、あなたにいうのはちょっと恥ずかしいけどね。」
「なんで?」
どうして恥ずかしいのかわからない。
「崇拝する人や本気でいると信じている人は珍しくてもすべての人が“神様”を知っていて、敬っている。あなたたちの国では、神はすごいもの、万能。とか言われているけど、そこまですごいものでもないんだよね。」
「そうなの?」
神様はそれだけですごいものだと思うのは私だけなのかな?
「僕たち神は直接人間個人に対してなにかすごいことができるわけじゃないよ。」
自嘲ぎみに言った後、私の目を真っ直ぐ見て、真剣な顔をした。
「あなたは死んだよ。」
やっぱりそうかと思った。
だけど、男の子は私が聞こえてないと思ったのかもう一度言った。
「あなたは死んだよ。」
「うん、わかったよ。私はどうなるの?」
男の子は私の答えに複雑そうな、なんとも形容しがたい顔をした。
それから、私にぎりぎり聞こえるような小さい声で「まぁいいか。」と独り言を言った。
「あなたは本当に異世界転生したいの?」
「なんで知ってるの?そうだよ。もしかしてしてくれるの?」
「あなたが死ぬ前に、つぶやいたのが聞こえたからね。、、、それに時々、あなたの様子を見てたんだ。」
「地球とここは管轄?みたいなのが違うんだけど、地球の日本ってとこの神様の一部と友達なんだよね。だからちょっとこっちの世界にあなたの魂をよこしてもらったんだ。」
そうなんだ?わかったような、わからないような?
「といううことで、あなたを僕の世界で異世界転生させてあげます!!」
「何か特別な力をあげるよ。異世界転生してよかったて思ってもらいたいし。3つくらないなら。……あ!もちろん僕の世界には、魔法も魔物もいるよ。貴族や王様もね。」
なんでもいいのかな?
「じゃあ、魔物を飼ってみたい!!テイマー?っていうの?それがいい」
「テイマーか。いいよ。でもいいの?もともとある職業でもあるよ?全魔獣との適正とかはつけてあげられるけど特別でもないけど、、、、。」
「うん。あとやっぱり魔法は使いたい!!」
「魔法ね。もちろんいいよ。全属性の適正とかかな?これも珍しいけど、特別でもないんだよね。本当にいいの?」
「いいの!!ありがと。」
「ほかに何かある?」
「他?特にないかな?」
「そう?もう2個ぐらいかなえてあげられるのに、。じゃあもし何かあったら教えて?」
「そんなことできるの?」
「もちろん、教会とかあればそこらへんで祈れば声を通わすぐらいならできるよ。」
「ありがと!!嬉しい。少し心細かったんだよね。」
「でも、生まれた後にかなわないことは無理だけどね。」
「それからもしかしたらだけど、前世のつまり、今の記憶を思い出せないかもしれないんだよね。」
「そうなの?」
「うん。初めてだからね。」
「この世界では異世界転生は初めてなの?」
「うん、異世界転生はね。でも、迷い人はいたかな。」
「迷い人?」
ん?どういうこと?私が頭の中をはてないっぱいにしていると付け足してくれた。
「迷い人は世界と世界をつなげる穴のようなものから落ちてきた人のことなんだよ。時々あるけど、そんなにおおいものじゃないよ。落ちるとしても、こっち側に落ちてくるだけだけどね。こっちから地球とかはないよ。」
「そうなんだ。」
「そろそろかな?どうかこの世界ではあなたが幸せに暮らせるように、僕は願ってるよ。いってらっしゃい!」
そうつぶやいたとき、もともと真っ白だった空間が私を中心に白く輝きだした。
もうすぐ異世界転生すると思ったとき、そういえばまだ、この子の名前を知らないと思って急いで聞いた。
「…あ!!私は鈴木優心だよ。あなたの名前は?」
男の子は驚いた顔をした後、うれしそうな顔をした。
「僕はセオール。僕のことはセオって呼んでね」
フローレス・アリーチェ
前世の『鈴木優心』としての記憶を持つ。
前世で大学の友達関係でうまくいっていなかった。
魔法の全属性、テイマーとしての力を持つ。