4月24日のお話(説明会)
さぼりました(二回目)
名探偵が公安といちゃいちゃしてるのがいけないんです。
●4月24日 12:44 火の日 教室
「早く教授のところに行くぞルーク。」
授業も終わってお昼も適当に済ませたころ、今日の予定のメインの教授からの説明を受けるためにクーはルークを急かす。
「落ち着けよ。なんでそんな急いでるんだ?なんか今日教授以外に予定あったか?」
「夕方からギルドで受けた荷物運びの依頼が入ってるから早くしないとお金が手に入らないんだよ。」
「お前いつそんな依頼入れたんだよ?」
「入れたのは数日前だよ。今日に商会宛に注文した荷物が大量に届くんだ。」
「商会が注文した荷物を名前も知らないやつらが運ぶってその商会大丈夫なのか?」
「注文した物って言っても商品とかじゃなくて雑用品らしいよ。」
「なにをそんなに頼んだんだが・・・。」
「さぁ?」
「まぁお前が急ぐ理由はわかった。それなら早くラパンとサリュのところに行くか。」
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●同日 13:06 オビ教授の部屋の前
「ラパン、ここで合ってるよな?」
「うん。あってるよー」
あの後、彼らは2人と合流して今回の調査クエストの依頼主のオビ教授の部屋へと向かった。
「それじゃ入ろうか。」
「オビ教授居ますかー?依頼を受けたラパンです。」
ドアの上部にネームプレートが掛けられており、その下には輪っかの形をした金属のノッカーが付いてた。
ラパンがそれを使いながら中に居るだろう教授を呼ぶ。
「入ってきなさい。」
「失礼しまーす。」
「失礼します。」
「失礼します。」
「失礼させてもらいます。」
中に入ると、白髪の教授が立っており、手にはマグカップを持っていた。
教授はこのあと何も授業が無いのか白のワイシャツに茶色のベストを上に着て、暗い赤のネクタイが軽く緩められた状態だった。下には黒のスーツパンツを穿いており彼自身のしっかりした体格と相まって様になっていた。
しかし、顔には疲労が現れていて目の下にはクマもある。ここ数日は寝てないのが想像できる。それほどこれに力を入れているのか。
「今回の調査クエストを受けてくれてありがとう。それで、君たちのパーティは全員で4人で合ってるかね?もしそうなら説明を始めようと思うのだが。」
「はい、説明を始めていただいて構いません。よろしくお願いします。」
「ふむ。じゃあ説明を始めるとしよう。そこのソファーにでも座ってくれ。」
教授は入り口正面にあるソファーへと座るように言ってきた。
教授は一度マグカップをテーブルの上に置いてから、もう一つのソファーへと座る前にクーたちに紅茶を出してくれた。
「わざわざ紅茶なんてありがとうございます。」
「構わんよ。せっかく依頼を受けてくれたんだからある程度のもてなしはさせてもらうさ。これもそのうちだ。」
「さて、どこから話すとするか。君たちも冒険者である以上目的地である草の墓については調べたのだろう?」
「ある程度なら調べましたがあくまで基本的な事だけです。」
「それだけでも十分だ。」
「では、まず今回の調査でしてほしいこと、つまり調査内容から説明するとしよう。」
「わかりました。お願いします。」
「今回の調査で調べてほしいことは老夫婦の息子の存在の有無と薬草の栽培方法が載せられた書物だ。」
「息子ですか?童話にはそんな人は出てきませんが・・・」
「うむ。ではそこから説明するとしよう。」
「多くの人が知っている通り草の墓は薬草の老夫婦の物語の最終地点だ。そこで老夫婦が共に死に、そこで物語が終わりとなっている。しかし、ここでおかしい点があるのだ。」
「息子が童話に出てこないことですか?」
「それもおかしい部分の一つなのだがもう一つ、薬草の栽培方法が載っている書物が見つかっていないのだ。」
「それは単純に長い時間が経過したからなのでは?」
「いやそれは無い。なぜなら君たちも童話を読んだのなら知ってるだろうが最後の方に妖精が魔法を使って2人を埋めるシーンがあるのだが、そこで書物も一緒の場所に保護の魔法を掛けて埋めているのだ。それなら長い時間が経過しようと無くなるということは無い。」
「保護の魔法自体がその時には無かったのでは?」
「確かに保護の魔法はここ数年で作られたものだ。可能性としてはある。だが妖精は魔法によって生まれた生物であり、いわば魔法の子だ。ならば私は妖精が私たちの知らないものを知っているという可能性の方が高いと思っている。」
「それもそうですが・・・。」
いまいち納得できないことを思いながらクーは話す。
「つまり保護の魔法が掛けられたかもしれない書物が無いのは息子が持ち出したからだ。と教授は考えているんですね。」
サリュがまとめる
「そういうことなんですか教授?」
クーが確かめる。
「うむ。彼女の言う通りだ。」
「でも息子と言ってもそんな人の姿、名前、住んでいる場所など何1つとして手掛かりが無いのですがどうすればいいのでしょうか?」
「薬草の本を持っているなら、それを使って薬草栽培を営んでいるんじゃないんですか?」
「いや、親しい商人や知人に聞いてはみたのだがそれらしき人物は浮かんでこなかった。」
「それならなののことどうやって探すんですか?」
「それなんだが、どうやら命日に毎年花を供えに行ってるみたいでな。会えるとしたらその時くらいだ。」
「その命日はいつなのですか?」
「今週末だ。」
「じゃあ週末に墓の入り口あたりに行けばいいのですか?」
「いや、奥まで行ってくれ。花が供えられていなければまだ来てないことになるからな。すでに供えられていたら帰って来てくれ。その場合でも最低分の報酬金は出そう。」
「わかりました。しかし花を供えられるのを知っているのなら自分で向かえばいいのでは?」
「それもそうなのだが、あそこにはあの妖精が出てくるという噂があるのでな。念には念にをだよ。あとは・・・そうだ。君たち尾行に気を付けたまえ。必ず何か起きる。」
「それはどういうことですか?」
「私の同僚なんだが、ビスという奴が居てね。そいつはたたき上げの自分が嫌いらしくしつこくちょっかいをかけてくるのだ。今回の調査が成功しようものなら私の名はそれなりには広まるだろう。あいつがそんなことを許すはずもない。」
「そのビス教授が場合によっては私たちの成果を横取りにするというのですか?」
「そうだ。十中八九してくる。きっとある程度の成果が確認できたところで君たちの成果を横取りにしにくるだろう。」
「だけど、依頼主がオビ教授とわかっているので成果の横取りは意味ないのでは?それどころか捕まりますよ。それに映像記録用の道具だってギルド側から監視の名目でくっついてきますし無理なのでは?」
「あいつはギルドの方に少しばかりコネがあるから道具に細工するくらいなら簡単だろう。ほんとは私から別のを貸せればいいのだろうから、いかんせん私も今はそこまで余裕にあるわけでは無くてね・・・。」
「それを不良品に変えさせなようにすることは出来るのでしょうか?」
「残念ながらそんなコネは無くてね。そして映像記録の道具が機能していなかったせいで君たちの調査の信憑性が揺らいでる間にあいつは君たちの成果を発表する気だろうな。それにあいつは頭の割に証拠を隠す能力が長けている。」
「依頼を出していないビス教授が成果を発表するのは疑われるのでは?」
「あいつは貴族の出でもあるから少しくらいの私兵は抱えているだろうな。だから依頼を出さなくても調査自体は出来るのさ。なんだったらお抱えの人物に一般調査をさせていたらたまたま見つけてしまいました。でも通ってしまうだろう。」
「ちょっと相談してもよろしいですか?」
ラパンとルークは聞くことに徹していた。話は理解できるが話し合いは後の2人の方が得意だからである。
「あぁ構わないよ。」
『どうするこの依頼受けるか?』
『あたしは反対かな。普通の特殊調査ならまだしもそんなことには巻き込まれたくないよ。』
『俺は賛成だな。思いっきりそいつらをぶった切りたい。』
『聖職者としてそのような悪行は見過ごせません。彼を神の前に出したいので私は賛成です。』
『じゃあ、多数決的に多い賛成ってことで。』
『え、クーはどっちなのさ?クー次第では変わるじゃん。』
『自分が入ったら偶数だから意味ないだろ。』
『ちぇーそっか。』
『じゃあ賛成ってことで大丈夫だな?』
『『『了解』』』
「終わったかね?」
「えぇ。この依頼受けさせてもらいます。」
「おぉそうか。それはよかったそれじゃあよろしく頼んだよ。」
「はい。それでは自分たちはこれで失礼します。」
「うむ。よろしく頼んだ。」
*映像記録道具は必要技術の高さと素材の希少性のせいでそれなりに値段が張る。しかし壊れにくく使える場面は多いため富裕層・商人にとっては必要で代物である。
5/31に大きく改稿しました。




