歴史と魔法
説明回となります。
●同日 8:30 教室
授業開始の時間になった。既に先生は5分くらい前から教室へと入ってきており、授業の準備をしていた。
先生の号令で授業が始まる。
外を見れば目の前には大量の人に馬に建物さらには飛空艇が空を飛んでいる。その奥には湖が広がっており、建物で隠れてるせいで見えないが。人の動きや荷馬車が忙しなく動いているというのは簡単に想像できた。
今は4月ということもあって陽は暖かく太陽はすべてを照らしすべてのものは陽を受けて色鮮やかに輝き光を放っている。
窓が開放されているおかげでで遮る物は何もなく、陽の光がクーたちを暖かく照らす。そこに人々の生活音が混ざりあい一つの音となり自分の鼓膜を震わす。貴族が王族がどれだけ願おうともこの音は聞けない。彼らがどれだけ願おうともこの音だけは今ここにいるクーたちだけのものでありクーたちが主役だ。
クーはその音を聞きながら眠りに入った。
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「おはようクー。それとも居眠り学生って呼べばいい?」
「よぉ居眠り学生。」
「ん?あぁ終わったのか・・・。」
「そんなお前に先生からプレゼントだ。この世界がNPCのみになった訳を調べてまとめてこいだとよ。」
ルークがクーにメモ用紙を渡してくる。見ればそこには提出日と課題のテーマ。担当教授が書かれていた。
「あーまじかよ。初日からめんどくさいなぁ。」
「ま、これに関しては全面的にお前が悪いからな。大人しく諦めて提出しちまえ。」
「そうそう。まさか初日から寝るとはねぇ。」
「うーわまじか。あとは魔法基礎の授業だけだよな?」
「ん?あぁそうだなそれで午前が終わって午後は何も無かったな。」
「じゃあ魔法基礎の時に仕上げるとするかな。」
「今度はバレないようにするんだよ?」
「そんなのわかってるさ。そんなの楽勝だよ。」
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「クーお前って実は結構バカなんじゃないのか?結局バレてさらに課題をもらってるじゃないか。」
「クーって見た目は賢そうで真面目なのに中身は結構ダメだよね。」
「うるさい。まさか最初の授業から先生が誰かに質問するなんて予想出来るわけないじゃん・・・。」
「あんなわかりやすく先生の話を聞かないで何かやってたら先生だって何をやってるのか聞きたくなるよ。」
ルークは心からバカにしていることが分かる笑いをこぼす。ラパンも同じように笑う。
「それで?結局最初のは纏められたのか?」
「そっちはなんとかね。だけど追加課題貰ったせいで結局変わらないよ・・・。」
「命短し学べよ少年ってか?」
「黙れ。」
不機嫌そうに返せばルークはまた笑みをこぼす。
「今回に関してはさっきも言ったように全部お前が悪いからな。」
「そういうことだよクー大人しく諦めなって。」
「じゃあなクー。お前が終わるまで適当に時間を潰してるから早く来いよ。」
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●同日 13:16 学園内図書館
イノサンス学園には図書室ではなく図書館がある。
元々はプレイヤーが何かを調べるために使われていたが、ご存知の通りプレイヤーがいないため使っているのは基本的に生徒だけだ。
図書館は近接科と魔法科のそれぞれに専用の建物があり、どちらにもその分野の書物が集められている。
「さてと
書き終わったことだし鑑定して出来を見ておくか。」
クーはそう小さく独り言をつぶやいたあと周りを見渡してみる。
周りには同じ学園生徒が同じように図書館を利用しており、昼寝をしている生徒、船をこぎ始めている生徒、真面目に本を読んでいる生徒など様々である。
「鑑定用の道具は・・・・。」
クーは正面奥にある鑑定用の道具の方へと向かった。
「すいませんこれ一個借りまーす。」
「わかりました。退出する際に返却をお願いします。」
「はーい。」
道具を借りた後、クーはさっきの席に戻る。
紙の上に手のひらサイズの立方体を置く。
道具を置いたらその上に手をかざし魔力を放出する。
すると鑑定結果が浮かび上がった。
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【歴史について】《作成者:クーシャン》
・自分たちはもともとNPCだった。
元々の役割はPCがゲームを進行するためやこの世界にのめりこむために用意
された存在だった。
・運営会社は運営に手一杯であった。そのときAI開発の第一人者である人物から運営の手伝いをさせてほしいという旨の連絡が届いた。
その人物と共同開発されたのが【ワンズ】である。【ワンズ】には運営の手伝いをさせるためにそれなりの権限に加えて人格を与えた。
・ある時バグかそれとも元々の不具合に誰も気づかなかったのか【ワンズ】が暴走しその結果誰もFOに
アクセス出来なくなってしまった。またその時に接続していたプレイヤーは強制的に接続を切られて
しまった。よっていまFO―――ケアにプレイヤーキャラクターは存在せずNPCのみの世界となってい
る。
・その後【ワンズ】はNPCに人格・感情・知識を与えてどこかへと消えてしまった。
・なお今この世界―――ケアの運営・管理は【ワンズ】が行っておる。とされている。しかしどこからどのように管理・運営をしているのかは明らかになっていない。
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「さてと、こんなもんか。じゃあ次は魔法基礎の方も鑑定してみるか。」
下の紙を歴史から魔法基礎の物へと置き換えもう一度魔力を放出する。
そしてまた鑑定結果が浮かび上がった。
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【魔法基礎についてのレポート】《作成者:クーシャン》
・魔法は魔力を指に纏わせ魔法文字を使い魔法式を空中なり地面などに書くことで発動が可能。
書ける場所に制限は無く書こうと思えばどこにでも書ける。しかし対魔法的処方が行われてあるとそこに魔法式を書くことは出来ない。もしくは制限を受ける。
・魔法式を書く時の条件として以下の5つの条件がある。
1:魔法文字は重なってはいけない。少しの重なりは結果に影響を及ぼすがそれだけである。
2:魔法文字はきれいに書けば書くほどより良い効果が得られる。多少汚くてもある程度の効果は発揮される。
3:魔法文字を書いているときに魔力が切れるまたは魔力が指に纏えない状態になると発動させようとした魔法は発動しないか暴発の2パターンがある。
4:魔法文字のサイズに関しては特に制限は無い。しかし大きい文字を書こうとするとその分魔力が必要になりそこまでの実用性はない。
5:複数人が交代しながら一つの魔法式を書くことは現在出来ず、それを成功させる手段も目処が立って
いない。
・また人が持つ魔力には人ごとに特徴がありその性質を使った人物認証なども開発されている。
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「うん。こんなものだな。さてと提出してルークたちを探しに行くかな。」
最後に転送の魔法式を紙に書いて発動する。すると、淡い光が魔法式から溢れ出てきて紙を球体が包み込み空中に浮かびながらふわふわと飛んで行った。
「よし。じゃあ探しに行くか。」
道具を返却してクーは外に出る。
「どこにいるのかなぁ。」
*魔法式によって魔法が発動する原理は解明されていない。ただ式を書くという過程。発動した時の結果のみが残っている。
広場が広がっていた。ってなんかダジャレみたいですね。表現として間違ってる気はしますが、いい表現が思いつかないのでそのままです。
5・28大きく改稿しました。




