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NPCのみの世界  作者: momosui
闘技大会
23/26

7月1日の物語(本戦中)③

あっというまに年の瀬が近づいてますね。毎日投稿を心に決めてたあの時の自分は何をしているんでしょうか。

 ルークの心の中には依然として暗い炎が燃えていた。仮にも相手はかなりの実力者だから一筋縄ではいかないということは重々承知していたはずだった。


しっかし、ここまで防ぎきられると自信無くすな。


一撃くらいは入れられると思ってたんだが、どうやら結構道は長いな。

だけどまだ終わっちゃいねぇ。まだ奥の手が残ってる。そいつがうまく決まればどうにかなる。

たとえ今辿り着けなくてもせめて一歩目だけは力強く踏み出してやる。


 彼の心は未だ折れる様子は見られない。そこに切り札が残っている限り。


 彼の作戦は決まった。





 エーレルの心の中には冷めた感情しか湧いていなかった。彼も男であり剣士である。そこに強敵との戦いを望む心はある。そんな中で予選を勝ち抜き本戦出場を果たした。試合直前の彼の心の中には胸躍る好奇心しか湧いていなかった。


 しかし今は違う。相手は自分より1つ下の同じ学園生徒。そこまでは良かった。2年で本戦に出れたのであるなら十分な実力者だと思っていた。しかしいざ蓋を開けてみれば気迫と力しか持ち合わせていないような戦い方をする人物だった。


 これが熟練した剣士であるならばたとえ彼から攻撃をしたとしても赤子の手を捻るかのように潰されるだろう。しかし彼はそう見えなかった。攻撃を受け流していく中で一撃を加えることが可能な時などいくつも見つけていた。


さっさと終わりにするとしよう。


 彼の心は決まった。





あいつ(エーレル)は俺のこれ(大剣)を普通の大剣と思ってるに違いない。なら一番有効なのはただの攻撃に見せかけて不意打ちだな。


「そろそろ飽きてきたからもう終わらすぞ。」


「おいおいもう少し付き合ってくれてもいいだろ。冷たい奴だな。」


「黙ってろ。私は優勝するように言われてるのでな、 貴様ごときに無駄な体力は使いたくないのだ。」


「そうかよっ!」


 開いていた距離を一気に詰めてルークは上段から斬りつける。


 が、外れて刃は地面を叩く。それにより砂煙が舞う。


「距離を無暗に詰めたのは失敗だったな。」


 出来た隙を突いてエーレルはルークを斬りつけようとする。


 紙一重のところでルークはこれを避ける。


「ちっ。」


「それじゃこっからは本気で行くぜ!」


 ルークは距離を開ける。依然として砂煙が待っているため両選手はお互いの姿が把握しづらい状況になっている。

 

この状況じゃ、先に動いた方が不利なはずだ。もしあいつがこっちの位置を分かっていて奇襲でもかけられたら終わりだが、そこは神頼みだな。


 ルークは砂煙が晴れるのを待ちながら作戦を組み立てる。正面からの技術で負けるなら勝つ方法は不意を突き致命の一撃を入れるしかない。それを決めるためにも少ない知恵を振り絞って作戦を立てる。





うし。これでお互いに位置は分からない。あとは、決めるだけだ。


 ルークの心臓は鼓動が速くなり、柄の部分は汗でひどく湿っていた。激しい動きによって上昇した彼の体温は緊張のせいで下がることを知らず、彼の体は心と共に熱くなっている。


 作戦が成功するかどうかは彼にもわからない。誰にも分からない。誰もその武器を知らないから。ただ一人の担い手を除いて。





 また砂煙のせいで位置を見失った。まだまだだな。


 エーレルの心臓は落ちついていた。彼は早々に相手の実力を見切り、これなら負けることはないと確信していた。ここからはただの消耗戦になるだろうと彼は確信していた。目の前から突進してくる闘牛を赤い布をヒラヒラとさせながら華麗に躱す闘牛士の真似事をするだけだ。そう思っていた。

 

 だからこそ彼は油断していた。暴れ牛が来るのを待ち、少しづつ削っていくことしか頭になかったから暴れ牛が突進以外の手段を使うことを予想していなかった。



◇ 



「おいエーレル。」


「なんだ。」


「お前が魔剣と引き換えに失ったのは本当に眼だけか。」


「そうだが。何が言いたい。」


 未だお互いの位置は掴めず探りあっている。


「確かお前は悪魔と取引したって言ってただろ。それがな俺は思い出したんだけどもよ、悪魔とかの奴らと取引するときの基本条件は【等価交換】だよな?お前が眼を贄にしたのならせいぜいが眼が何かしらの特殊機能を持って帰ってくるだけだ。それなのにお前は明らかに眼以上の物を貰っている。これはおかしくねぇか?」


「貴様は何の話をしている?」


 彼は互いに言葉を発する。発する事で自分の位置に大まかな予測が付けられてしまうがそれは相手も同じ。


 この話をしている間にエーレルは大まかな予測を付ける。敵の位置は自身の前方と予測をする。しかし彼は攻めない。彼の予測では互いの距離は一瞬で詰められるほどではない。つまり暴れ牛が正面から突進してくるのを待つだけで事足りることを理解していた。


「何の話をしているも何も今言ったじゃねぇかよ。お前こそ人の話を聞いていたか?」


 未だ砂煙は晴れない。所謂アニメみたいに中々砂煙が晴れないあの状況と同じだ。


「どうやら貴様は大きい思い違いをしているようだな。一度勉強をやり直してくることを強く推奨しておく。」


「そりゃ余計なお世話ってもんだな。」


「じゃあ最後に一つだエーレル。」


 【最後に一つ】。この言葉を聞いてエーレルは気をより引き締める。


「人の話を簡単に信じるもんじゃねぇぞ。」


 エーレルが聞いた最後のルークの声は前からではなく横からだった。

ゲームしていました。

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