(8)割り振り
(8)割り振り
就任式が終わった後は、早速所属する隊ごとに分けられる。
俺は、ソルジャーアント達とは違う列に並ばされる。
どんどんと列は消化されて行き、遂に俺の番が来た。
「ギー、ギ(ええと。君は3番の通路を進んでくれ)」
隊の割り振りをしている蟻に言われて、数多ある通路の右上に刻まれている番号を見て、3番を探す。
おっ!あった。彼処だな。
指定された番号が刻まれた通路を見つけたので、その通路を進んで行く。
体感時間で10分ほど、進んで漸く通路の終わりが見えて来た。
通路から出ると、広間になって居り、其処には6m違い巨体を誇る蟻達が、数十匹居た。
中には俺と同じ個体である。ランドアースの姿も、見られる。
何とか気付かれない様に。と気配を消して見る。
〔新たにスキル『気配遮断Lv1』を獲得しました〕
と、天の声(仮)が教えてくれる。
早速気配遮断を発動する。
若干気配が薄れた気がする。
それで早速鑑定を一番距離がある。デカブツの蟻に掛けて見る。
【ジャイアントオルミーガ Lv1
ステータス
HP:90/90(緑)
MP:27/27(青)
SP:30/30(黄)
:30/30(赤)
攻撃力:72
防御力:95
抵抗力:46
魔法力:46
速度力:41
スキル
『噛み砕きLv3』『突進Lv3』『穴掘りLv8』『SOSLv5』『怪力Lv5』『連携Lv1』『土魔法Lv1』『痛覚遮断Lv1』『根性Lv1』『踏み砕きLv1』『硬化Lv1』】
掛けられたデカブツは、キョロキョロと辺りを見回し始めたので、鑑定を解く。
デカブツは、首を傾けて不思議そうにしている。
どうやらバレなかった様だ。
暫くすると、人数が出揃ったのか。奥からサージェントオルミーガが現れた。
「ギー!(注目!)」
「ギ、ギギ、ギーイ(では、これより諸君らの役割を伝える。訓練を修了した後。いよいよ諸君らは実戦に投入される事になるが、正面戦線では無く。別働隊として活躍して貰う)」
サージェントオルミーガが、そこで一旦話を止めて、皆が理解しているか確認する。
「ギーイ、ギィ、ギィ、ギー(諸君らは正面戦線が、敵主力部隊を引き付けている隙に、我々とは別の部隊が迂回路を現在的の後方に作成中だ。我々の役目は、その迂回路を伝い敵後方の道を塞ぎ、増援を断つ事である。当然敵は通路を死守する為に動き出すだろう。それを耐えて此処にいる。ランドアースの諸君らが、土魔法で通路を塞ぐ間、ジャイアントオルミーガの諸君らが、その作業を守るのだ)」
うぇ〜。しんどそうな部隊に配属されたな。
でも、考えようによっては、正面戦線は開いた場所である。巨大な花畑で戦う訳だから、そこよりも比較的狭い通路の方が、マシか?
いや、正面戦線の方が味方が多いのか?
「ギーイ、ギギ(勿論。我々以外にも別働隊が通路を塞ぐ手筈になっているが、我々が塞ぐと気合を入れてやって欲しい)」
おお、他にも居るのか。まあ、当然だな。
「ギー、キギギ(説明は以上だ。何か質問は?良し!では、早速これより訓練を始める。この部隊名はC-182部隊だ。周りを見ろ。隣に居る者達が、諸君らの命を預け合う戦友である。しっかりと顔を覚えとくように)」
ええ!全然見分けが付かんぞ。
こりゃあやばいかも。
他の蟻達と見比べて見るが、全然違いがわからない。
そう言えば蟻はフェロモンで仲間を見分けて居るんだったか?
でも、此処は異世界だぞ?
だが、そう考えると蟻は基本雄が、羽蟻で雌が働き蟻だから、これには当て嵌まらない。
ええい!ごちゃごちゃと、考えていても仕方がない。
取り敢えず何か個体ごとに特徴がないか、つぶさに観察して見ると、少しだけ違いがわかった。
その後はサージェントオルミーガに連れられて訓練所に行く。