(7)偉大なる母エンプレスアーマイゼ
短め
(7)偉大なる母エンプレスアーマイゼ
緊張しながら待っていると、高台の奥に設置された豪華な扉が少しずつ開いて行く。
扉が全開に迄開くと、中から白銀の鎧を来た人間と蟻を足して割った様な、容姿の蟻達が槍を持ち二列縦隊で入って来た。
左右に分かれて、等間隔に並び向かい側の蟻達と、槍を交差させる。
まるで王の通り道の様だ。
いや、実際にやって来るのは女帝であるから、あながち間違いでもないだろう。
コツコツと、ヒールを履いて歩いている音が聞こえて来る。
気付けば、騒めきも収まり静寂がこの会場を覆い尽くして居る。
段々と足音が大きく聞こえて来る。
その度に会場の緊張が高まる。
そして、遂にマザーが姿を現した。
それは絶世の美女であった。
白と青のイブニングドレスを纏い現れた。
所々に、蟻の名残が見受けられるが、それを差し引いてなお、美しさを欠片も損なって居ない。
そして、其処に居るだけでも目が離せなくなる。圧倒的な存在感。
まさに格の違いをまざまざと見せつけられる。
『初めまして、我が子達よ』
マザーは言葉では、無く念話で全ての蟻達に言葉を紡ぐ。
何故か、胸に込み上げるものがある。
だが、違和感がありそれに抵抗すると〔新たに、『外道魔法耐性Lv1』を獲得しました〕
何?
情報アーカイブで、何故獲得したのか?エンプレスアーマイゼについて、調べると理由が判明した。
多分先程のは、エンプレスアーマイゼなどのら上位種が持つ個体スキル、眷属支配のスキル効果であろう。
はぁーそれにしても。綺麗だな。
それに、上位個体種達は、人間に近くなっていって居るな。
マザーめ殆ど人間と遜色のない見た目だ。
まあ、見た目は全身が白銀に輝いているが、それを抜けば頭から生えてる触覚を、帽子などで隠せば、十分人間の美女に見える。
神々しい雰囲気を醸し出しながら、女帝は、優雅に用意された玉座に腰掛ける。
『貴方方には、妾の尖兵として憎き蜂共を一掃する任務を与えます。今此処に貴方達を兵士として認めます。最後のその血の一滴まで、妾に仕えなさい』と満面の笑みを浮かべる。
そんなマザーにゾッとしたが、周りの蟻達は士気を上げ咆哮を上げる!
「「「ギー!!!」」」
その後、マザーは奥へと消えて行った。