R1・日常の終わり
他の登場人物視点です。
R1 ・日常の終わり
その日は、いつもと変わらない何の変哲もない。いつも通りの日であった。
昨日もいつも通りに寝て、今日いつも通りに起きて、朝食を食べ電車に乗り学校に登校した。
三階にある自分の教室に行き、中に入り自分の席に鞄を置く。
隣の席の友人山田一登が、話しかけて来た。
「おはよ。竜馬」
僕の名前は菅井竜馬で、この一登とは幼稚園の頃からの友達だ。
「ああ、おはよう。一登」
「昨日、あの後もまだプレイして居たのか?」
「うん?ああ。あっ!そうだ。聞いて驚け。あの後ソロプレイヤー最強と名高いMr.ロマンと、野良パーティーを組んだんだぜ」
自慢気に話すと一登は、悔しそうで居て驚いた表情をする。
「マジかよ!?俺ももう少しプレイしとけば良かったなぁ〜」
「いや、多分それは無理だったと思うよ?偶々一人でプレイしてたから声をかけられたんだと思う」
「そっか〜。それとMr.ロマンはマジで極振りステータスだったのか?」
「ああ、そうだったよ。その時戦った敵が、ガトーラーだったんだが、その魔法攻撃の全てを紙一重で避けながら前進して行って、拳で殴り倒してたね」
「えっ!?マジかよ!?ガトーラーの魔法攻撃ってあの一秒間に、様々な遠距離攻撃をして来て倒すには、盾職のプレイヤーが攻撃を防いでいる間に、魔法職が攻撃を叩き込むしか方法がないって言われてる。あのガトーラーか!?」
「うん。そうだよ。僕も我が目を疑ったね。どうやったらあんな事が出来るのか不思議だよ」
「確か、Mr.ロマンは素早さと攻撃力の二つだけにステータスを極振りしてたんだっけ?」
「そうだよ。でもあれは素早さに極振りしただけじゃないね。プレイヤーの腕前も加味されて、あんな神業が初めて実現出来るんだよ」
「かぁ〜。やっぱり生きた伝説って言われるだけはあるな。俺も一度でいいから一緒にプレイして〜」
そうやって他愛ない話していると、予鈴が鳴りホームルームの時間になる。
担当教師と、副担任の二人の教師が教室に入って来る。
それでいつも通りにホームルームが、終わる間際に"ソレ"は起こった。
突如学校全体が揺れ始め、初めは地震と思い皆机の下に身を隠す。
中にはまだ眠っている強者も居たが、それを考えるよりも早くいきなり教室に亀裂が出来た。
それも空中の何も無いところに。
まるで次元が引き裂けたかの如く。
そして一気に亀裂は膨張して爆発した。
僕の意識は薄れて行き。
もう………何も……考え……ら………れない……………。