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(51) エルダー大迷宮調査隊②

(51) エルダー大迷宮調査隊②



 エルダー大迷宮に潜ってから数日。


 出来る限り戦闘はせずに遭遇する魔物からは、避けて別ルートを選択したりと慎重に行動した結果、負傷者を出す事もなくここまで順調に進んで来た。


 上層の大部分は洞窟である。


 所々洞窟ではなく地底湖になっている場所や、草原などとても地下空間とは思えない場所も数多存在するが、大部分は薄暗い洞窟なのでそれに適した魔物が多数生息する。


 まだ、この辺りは地図が作成されているので大体の目安にはなる。


 迷宮は魔物が新たに道を作ったり、壊したりして日々変わっていくが、それでも地図があると無しでは雲泥の差である。


 適度に休息を挟みつつ。貴族の男が入手した隣国が発見した鉱脈の場所目指して進んで行く。



 暫く進むと道が二手に分岐していた。



「う〜ん。どっちだ?」


 道を悩んでいると、貴族の男がやって来た。


「地図によるともう少しの筈だ。ここは一本道の筈だったんだがな」


 見せられた地図を見ると、確かに一本道になっている。


 つまり新たに通路が出来たことになる。



「左の道を行くぞ」


 どちらを選んだらいいかわからないので、ここは依頼主の貴族の男が決めた道を進むことにした。


 暫く進むと道が崩落して通行不可になっていた。



「行き止まりだな」


「仕方がない引き返すぞ!」



 来た道を引き返して分岐点まで戻る。


 その後右の道を進む。



「リーダー。この道ごく最近出来た様な感じですぜ?引き返した方が良いのでは?」


 仲間の一人が提案してくる。


「ならん!漸く此処まで来たのだぞ!それに進めば辿り着けるかもしれんだろう」


 溜息を吐きたくなるのを我慢して、リーダーの男は了承する。


「わかりました。取り敢えず先に進みましょう」


 この決定を後に後悔することになるとは知らずに、男達は道を進んで行く。



 ■


 数時間後。



 そろそろ休憩しようかと思った頃合いに、【黒の軍団】と遭遇する。



「ん?あそこに何かいないか?」


 斥候役の探索者の一人が、何かに気が付いたのか前方を指差す。


 他の者たちも指差された方を見る。



「あれは………【黒の軍団】か!?撤退するぞ!」


「馬鹿者!此処まで来たのだぞ!それに相手は高々一匹ではないな。私が仕留めてやる。素早く倒せば仲間も呼ばないだろう」


「ダメです!あれは見るからに上位種の様です!それに近くに仲間がいない筈がありまへん!此処は撤退すべきです!」



「ええい!雇われ者の分際で五月蝿い!」


 貴族の男は此処まで来るまでにだいぶフラストレーションがたまっていたようである。


 彼は元来人の言うことを聞くのが嫌いであったが、ここまでは我慢して来たのである。



 男の言葉を無視して火球を放つ。


 だが、アッサリと回避されたばかりか次の瞬間には、近くの探索者や護衛の騎士が蜂の巣になって倒れていた。


 見れば何かに体を貫かれたようである。



「て、撤退!撤退するぞ!」


 ゾロゾロとアント系の上位種と思われる個体が、沢山こちらに向かって来るのが見えた。


「最悪だ!上位種の群れだと!」


 リーダーの男は依頼主の男を気絶させて、肩に担ぎ上げて逃げる。



 だが、追いかけて来る蟻たちのスピードの方が早く、後ろから仲間の悲鳴が聞こえてくる。


「クソ!クソ!クソッタレ!」


 必死に逃げる。


 気が付けば周りから音が消えていた。


 周りを見回すと自分との肩に担いだ、貴族の男以外には誰もいない。


 暗闇から黒のシルエットが浮かび上がってくる。



「クソが!」


 それが男の最期の言葉になった。




 ■



 数週間後また新たな行方不明者名簿に一つの調査隊が加えられた。

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