(5)進化したー
(5)進化したー
繭を破り、外へと出る。
30cm程の体長が、今は優に2メートルを超える大きさになって居た。
体は茶黒で、所々に突起物が、棘の様に生えている。
頭には五本の立派な角が生えて居り、まるで王冠の様に見える。
早速自分に鑑定を掛ける。
【ランドアース Lv1
名前:なし
ステータス
HP:120/120(緑)
MP:140/140(青)
SP:96/96(黄)
:96/96(赤)
攻撃力:80
防御力:110
抵抗力:78
魔法力:130
速度力:65
スキル
『鑑定Lv5』『上昇志向Lv3』『噛み付きLv9』『模倣Lv4』『PA%=S』『翻訳Lv2』『穴掘りLv3』『土魔法Lv9』『指揮Lv1』『連携Lv1』】
おお!大幅にステータスが上がって居る。
更に新たに二つもスキルが増えて居る。
更にスキルポイントを獲得した。と天の声(仮)が、伝えて来たが、確認は後でしよう。
さてと、辺りを見回すが、誰も居ない。
この後、どうするか考えて居ると、2匹のソルジャーアントを従えて、サージェントオルミーガが、やって来た。
「ギーイ、ギィ、ギキー(先ずは、進化おめでとう。貴殿は特殊個体である、ランドアースへと進化した。所属は軍属の小隊長扱いとする。先ずは上層で訓練を受け、その後は中層の攻略に参加してもらう)」
後ろのソルジャーアントが1匹前に出る。
「ギィ、ギィ(先ずは就任式に参加してもらいます。我らの偉大なる母。エンプレスアーマイゼ様より御言葉を賜るのです。私が、会場迄案内しますので、ついて来て下さい)」
ソルジャーアントの後に付いて部屋を出る。
道中沢山の蟻達を見た。
道は入り組んで居り、案内が無ければ迷う自信がある。
ひゃー。それにしても立派な巣だな。
何年、何十年と掛けて、この巨大な巣を作り上げたのか?
あ!でも、スキルや魔法があるから、比較的簡単に作れたのか?
それにしても、道中出会す蟻は、ワークアントばかりだな。
そう思って目の前のソルジャーアントに、聞いてみた。
「ギィ、ギィ(このエリアには、ワークアントしか居ないのですか?)」
コミュ力が低いと、自負する俺でも、最低限の会話は出来るのだ。
「ギーイ、ギィ、ギギキ(はい。このエリアは子供部屋のエリアで、アントワームか、ワークアントばかりです。時々ソルジャーアントが、外敵を警戒して巡回してますが、このエリアは巣の中でも安全なエリアなので、殆ど心配は要りませんが、念の為に一応巡回をしてます)」
なるほどなー。それしても何で先程から、敬語?
別に翻訳のスキルの調子が、悪いわけでも無いのに?
思い切って聞いてみるか?
いやいや、薮蛇を突くのはどうだ?
うん、別に良いや。
あっ!もしかして小隊長扱いに、なるから?
このソルジャーアントは平の会社員としたら、俺は課長クラスって事か?
まあ、生前も、学生だった俺だから会社の詳しい仕組みはわからないけどね。
まあ、不都合はないから、良いかな。
其処からは、会話は無く黙々と、ソルジャーアントの後をついて行く。
暫くすると、広い通路に出た。
道を埋め尽くす程の数の、ソルジャーアントが、丁字路を左から、右へと向かって進んで居る。
唖然として居ると、前を行くソルジャーアントが、振り返り「ギーイ、ギーイ、ギ(彼らは貴方と同じで、今回存在進化した、個体です。彼らも就任式に参加するので、この流れに沿って迎えば、就任会場に辿り着けます。では、自分の役目は此処までですので)」
と、一礼して。目の前のソルジャーアントは、脇道に逸れて行った。
取り敢えず、この流れに沿って就任式が行われる会場に向かう。