(32) 追悼式①
(32) 追悼式①
完全除去から2日後、後続部隊が漸く到着した。
数は3,000匹程居る。
蜂の巣は広大なので、こんなにも多くの蟻が必要であったのだ。
あんなに数がいた攻略組の蟻軍も、帰還の際には僅か2,400匹程しか生き残っていない。
1万近くいた部隊のうち実に8割が、戦死した。
壊滅と言ってもいいだろうが、エンプレスアーマイゼの巣全体からしてみれば、大した痛手でも無い。
更に殆どが新兵と老兵なので、そこまで問題視されて居ない。
だが、実際に出兵して戦った兵士達には、心の傷や身体に傷を負う。
なので、巣に帰還して2日間の休養を与えられた後に、出兵した全兵士を会場に集め、蜂の巣から一兵も残さずに、蟻の兵士達の遺骸を持ち帰り追悼式を執り行う。
勿論俺も追悼式に参加した。
まだまだ、巣内の極一部部分しか知らないが、まさか追悼式専用の部屋が用意されているとはな。
まあ、ほぼ毎日何処かしらと戦争をしているからな。
それに聞いた話だと、他にも蟻の国があるらしい。
蟻は巣が一つの国で、毎回争っている戦国乱世状態だからな。
会場は厳粛な空気に満ちて居た。
柄にもなく緊張して来た。
辺りを見回すと、同じ部隊所属であるCー182部隊の生き残りは、俺を含めて6匹しか残って居なかった。
30匹近く居たのに、僅か6匹か。
暫くすると会場には沢山の蟻が集まって来た。
続々と蟻が入場して来るが、それでも蟻同士の間隔は十分ある。
それ程までに、広大な会場である。
全員が集まった所で、ラッパの音が鳴り響いた。
いよいよ追悼式が、始まる様だ。
会場の上段に設けたれ特等席に、上位種の蟻達が並ぶ。
そして最後にクイーンアントが姿を見せた。




