(3)特訓
(3)特訓
毎日、俺は部屋の中を必死に、体を伸縮させて走ったり、部屋の壁をスキルの噛み付きで、齧ったりする。
部屋の中の物には、片っ端から鑑定をして、鑑定のレベル上げもした。
更にこの前は、ワークアント達の目を盗み、部屋から抜け出して、他の場所を探索した。
すぐに見つかり連れ戻されたが、穴掘りしている様子を見て、真似をしようと思うと、模倣のスキルが、発動してどうすれば良いのか、手に取るようにわかり穴掘りを覚えた。
だが、出来れば直接戦闘に関わるスキルを、覚えたいものだ。
そんな願いが叶ったのか、数日後この部屋に魔法が使える蟻がやって来た。
「ギキ(子供達の様子はどうだ?)」
「ギィ、ギィ(皆すくすく育ってますよ。何人かは兵士の素質があります)」
「ギキ、ギーキ(そうか。魔法の才能がある個体はいるのか?)」
「ギーキ(さあ、それはわかりません)」
「ギキギ(普通は、ソルジャーアントから存在進化する先で、初めて魔法を覚えられるのでは?)」
「ギィ、ギィ、ギキ「中には、アントワームの時点で覚えられる、才能豊かな個体が時々現れるのだ。それに今は戦乱の時だ。即戦力が欲しい。どれ少しばかり試してみるか」
お!魔法でも実演してくれるのか?
その前に鑑定してみるか。
【ソーサラーアント Lv5
ステータス
HP:50/50(緑)
MP:87/87(青)
SP:80/80(黄)
:80/80(赤)
攻撃力:38
防御力:29
抵抗力:24
魔法力:40
速度力:32
スキル
『噛み砕きLv3』『体当たりLv8』『穴掘りLv9』『SOSLv8』『怪力Lv2』『土魔法Lv5』『風魔法Lv2』】
おお!ちゃんと魔法があるぞ。
「ギィ(では、行くぞ)」
ソーサラーアントは、アントワーム達の前で、簡単な土魔法を披露する。
それを俺は、ちゃんと目で捉えて、模倣を発動する。
するとスキル欄にちゃんと表示されている。
【アントワーム Lv4
名前:なし
ステータス
HP:30/30(緑)
MP:39/39(青)
SP:28/28(黄)
:28/28(赤)
攻撃力:13
防御力:19
抵抗力:29
魔法力:35
速度力:6
スキル
『鑑定Lv2』『上昇志向Lv1』『噛み付きLv1』『模倣Lv1』『PA%=S』『翻訳Lv1』『穴掘りLv1』『土魔法Lv1』】
次いで頭に天の声(仮)が聞こえてくる。
〔新たにスキル『土魔法Lv1』を獲得しました。熟練度が一定に到達しましたので、スキル『模倣Lv1』が→『模倣Lv2』にスキルアップしました。熟練度が一定に到達しましたので、スキル『上昇志向LV1』が→『上昇志向LV2』にスキルアップしました〕と脳内に声が流れる。
【アントワーム Lv4
名前:なし
ステータス
HP:30/30(緑)
MP:39/39(青)
SP:28/28(黄)
:28/28(赤)
攻撃力:13
防御力:19
抵抗力:29
魔法力:35
速度力:6
スキル
『鑑定Lv2』『上昇志向Lv2』『噛み付きLv1』『模倣Lv2』『PA%=S』『翻訳Lv1』『穴掘りLv1』『土魔法Lv1』】
よし!この調子だ。
「ギィ、ギィ(ふむ。あの個体に、素養がありそうだな。将来が楽しみだ)」とソーサラーアントは、こちらを一瞥してから、部屋から出て行く。
それから一週間後。
遂に選別の儀式の日が訪れた。