(2)蟻達の会話
(2)蟻達の会話
ワークアントに日々世話されながら、すくすくと育って行く。
時々、ワークアント同士が「ギィ、キキギ」と言葉を交わしてる様に、見えるので何て言ってるのか、日々考えていると新たにスキルを獲得した。
〔新たにスキル『翻訳Lv1』を獲得しました〕と脳内に、天の声(仮)が聞こえた。因みに天の声(仮)は、呼び方が無いと不便だと、思い勝手に自分で呼び名をつけて見た。
自分としてはまあまあ、良い線いってると思う。
不平不満は受け付けん!
【アントワーム Lv4
名前:なし
ステータス
HP:30/30(緑)
MP:39/39(青)
SP:28/28(黄)
:28/28(赤)
攻撃力:13
防御力:19
抵抗力:29
魔法力:35
速度力:6
スキル
『鑑定Lv2』『上昇志向Lv1』『噛み付きLv1』『模倣Lv1』『PA%=S』『翻訳Lv1』】
『翻訳Lv1』を鑑定で更に詳しく見てみる。
〈『翻訳Lv1』Aの形で記録・表現されているものから、その意味するところに対応するBの形に翻案することである。Lv1は同種族にのみ効果あり〉と表示された。
ワークアント達が、普段どんな会話をしているか、興味があったので早速翻訳を使用する。
「ギィ、ギキ(もうすぐ、選別の儀式が始まるな)」
「ギー、ギィ(ああ、そうだな。今回は何匹が兵士として選ばれ、何匹が我々の同輩になるのかな?」
「ギキ、ギキ、ギーキ(さあな。何時ものように三分の一が、兵士として選ばれれば御の字だろうが、最近は蜂どもの攻勢が激しさを増して、結構な数の兵士が、その戦いで斃れたらしいからな。今は一匹でも多くの、兵士を必要としているからな)」
「ギー、ギキギ(全く。忌々しい蜂共だ。奴らは我々よりも数は少ないが、その分、大きく、全部の個体が、飛べるからな。我々の飛行能力を持った、空軍の人達は数の多さで苦戦してるらしい)」
「ギキ、ギィ、ギキギー(そうなのか?まあ、いざとなれば中層、下層で活躍する精鋭部隊が、一気に殲滅するだろうさ。何せ我々はこのエルダー大迷宮の上層・中層・下層の三つの層に跨って根をはる、エンプレスアーマイゼである。女帝様が率いる軍勢だ。この世界一巨大で、三つの大陸間を繋ぐエルダー大迷宮ので一大勢力の一つでもあるからな。それに聞いたか?近々、深層にも進出するらしいぞ?)」
「ギキ(マジかよ!?そりゃあビックニュースだな)」
こんな会話が繰り広げられていた。
ここで気になった内容は、選別の儀式だ。
他にも気になる情報は幾つかあったが、選別の儀式はもうすぐらしいからな。
選別の儀式とは何だ?と考えていると〔新たに『アーカイブLv1』を獲得しました〕と、脳内に天の声(仮)の声が聞こえた。
選別の儀式とは?と問いかけると。
〔選別の儀式とは、アントワームのレベルが最大のLv10になった時に、行われる進化先の事である。主にアントワームが進化する先は、戦闘職である。ソルジャーアントか、非戦闘職である。ワークアントに分かれる〕
これ以上詳しいことは、〔Lv1の権限しかありませんので、閲覧する事は出来ません〕と拒否られた。
だが、最低限の事は理解出来た。
ならば、Lv10に上がるまでに、出来るだけスキルなどを磨き戦闘系の進化先を獲得すべきだろう。
よし!頑張るぞ!