(12)花畑争奪戦③
(12)花畑争奪戦③
時は少しばかり戻る……
別働隊が、迂回に成功して通路の封鎖に及んでいる頃。
正面戦線では動きがあった。
別働隊の登場に気付き、蜂達が混乱し始めた。
その隙を付いて、今まで押されて居た羽蟻部隊が制空権を確保しようと、蜂達の羽を狙い次々と魔法で攻撃する。
落ちて来た蜂はソルジャーアントが、集団で袋叩きにする。
こうして順調に進んで居たが、突如闖入者がこの戦場に現れた。
地面が揺れたかと思うと、地面が真っ二つに割れて其処から巨大なマオルヴルフが現れた。
それも複数体だ。
現れたマオルヴルフもまさか、こんな戦場の真っ只中に現れるとは、思って居なかったのか混乱している。
そして一匹の蜂の毒針が、偶然にも飛び出して来た一体の、マオルヴルフの腕に刺さりマオルヴルフが激昂して暴れ始めた。
マオルヴルフの登場に有利に進んで居た蟻達が一気に不利になる。
その巨体にソルジャーアント達が、踏み潰されて行く。
そしてその隙に一部の敵主力部隊が、別働隊に向かって飛んで行く。
フェイダーアント(羽蟻)やソルジャーアントが追いかけようとしても、暴れまわるマオルヴルフが、邪魔で思うように追いかけられない。
その間にも次々と蜂達の主力であるビックビーが、後方にいる別働隊に向かって飛んで行く。
そして抜け出たビックビーが別働隊に攻撃を加え始めたのだ。
◇◇◇
まさか新たな敵が現れて居るとは……
俺は戦場に現れたマオルヴルフに鑑定を掛ける。
【マオルヴルフ Lv1
ステータス
HP:249/300(緑)
MP:146/190(青)
SP:102/160(黄)
:160/160(赤)
攻撃力:245
防御力:230
抵抗力:140
魔法力:105
速度力:150
スキル
『熱探知Lv2』『体当たりLv8』『穴掘りLv8』『SOSLv1』『怪力Lv4』『爪斬りLv2』『土魔法Lv3』『衝撃波Lv1』】
あまり削れて無いな。
「ギ、ギギ(次の場所へ行くぞ。新たに現れた土竜の事は今は気にするな)」
指揮官蟻の言う通りに、今はどうする事も出来ない。
今は次の目標に集中しよう。