(10) 花畑争奪戦①
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(10)花畑争奪戦①
翌朝
いよいよ今日は初実戦の日だな。
緊張して眠られない。って事はなく。熟睡出来て体調は万全だ。
先ずは正面戦線に参加する部隊が先発する。
別働隊は違うルートから向かうのだ。
正面戦線が、敵主力部隊を引き付けている隙に別働隊が、別ルートから侵攻し敵の連絡路や退路などを断ち孤立させる。
孤立後、後詰部隊が躍り出て花畑内に残った敵を殲滅後、二度と花畑を取り返そうと思わないぐらい徹底的に叩く予定だ。
「ギ、ギー!(さて、我々も出発するとしよう。全隊!前進!)」
別働隊を率いる指揮官の号令で、全ての別働隊が横穴に向かって進んで行く。
進む道中に、花畑内を上から俯瞰できるルートを通った。
既に花畑内では戦端が開かれて居た。
ざっと見たところ蜂の数は此方よりも少ない3000匹程だが、事前情報よりも数が増えている事から、今回我々が本気だという事を感じ取ったのだろう。
数は此方が多いが蜂は全ての個体が、空を飛行できるのに対して此方は全体の5分の一程しか羽蟻が居ない。
その為に制空権は確保出来ず一方的に上から攻撃されている。
「ギ、ギーイ(急ぐぞ。当初の予定よりも戦況が此方側が不利に傾いて来ている)」
指揮官の言により移動スピードが上がる。
20分程して所定の位置に着いた。
後は合図を待つだけだ。
………
……
…
どれだけ待っただろうか?
10分、20分?
実際には5分も経って居ないのだろうか?
そう思って来た頃に漸く合図が来た。
コン、ココン、コン
と、規則正しいリズムが三連続した。
「ギ!(突撃!行け!行け!行け!!)」
指揮官の命令で先ずはジャイアントオルミーガ達が、通路内の蜂をその巨体で弾き飛ばし、或いは踏み潰して蹂躙して行く。
蜂は突然の出来事にパニックに陥っている。
俺は隙を見て土木魔法で空を飛ぶ蜂の、指揮官ぽい蜂を狙い撃ちにしていく。
指揮官もやられて完全にパニックに陥っている隙に、俺達ランドアースは通路を崩したり、或いは土の壁を幾重にも重ねて通路を塞いで行く。
最初の内は順調に進んで居たが、蜂もパニックが次第に収まり事の次第に気付き、阻止しようと動き出す。
ジャイアントオルミーガ達護衛隊が、通路の封鎖作業中で無防備になっている俺達を蜂から守る為に身体を張る。
彼らが稼いでくれた時間で通路を封鎖して行く。
結構時間が掛かるな。と思っているとジャイアントオルミーガの間を抜けて来た蜂に隣で作業中だった蟻が、蜂の毒針で急所を刺されて絶命した。
げっ!不味い。
作業中を中断して土木魔法の石飛礫を浴びせる。
一発一発の威力は低いが、連射が出来て広範囲に撃てるこの魔法を選択した。
運良く敵の羽を貫き飛行能力を奪う。
地面に落ちた蜂に鋭利な牙で首筋に噛み付き、スキル噛み砕きを発動させる。
グチュ!と嫌な音を立てて蜂の首を噛み砕いた。
〔経験値が一定に到達しました。レベルアップします〕
脳内に天の声(仮)が聞こえる。