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プロローグ 異世界に召喚(誘拐)された

世界は混沌(こんとん)で満ちている。善と悪が混ざり溶け合い、あらゆる人種があらゆる思想や主義を抱き生活している。


人種差別が蔓延(はびこ)り、戦争で命を失う様な環境があり、悪意ある者が富、貧する者はあらゆるものを失う。


物語の世界では正義は勝ち、悪は討伐される定めである事が多いが、現実は非常である。


例えば、俺が住んでいる日本という国。


義務教育で道徳という科目を教わるが、どう考えても利権に凝り固まり悪意があるとしか思えないのが法律というものだ。

効率が悪い状態で文章を並べ立て、人に理解させようとする気持ちなど微塵(みじん)も感じられない。


年寄りは自分本位な頑固者が多く、老害な政治家が無駄に増やした利権だらけの法律が列挙している。


中年は老害の被害者の集まり、古い考えを押し付けられ、それに抵抗できず中立に甘んじる。


若者は悟っている者が多く、事なかれ主義者が多い。

それは無駄な行動と理解し、半ば諦め、そしてそれが幸福である事も理解しているからだろう。


社会は民主主義という多数決に似た耳障りだけは良い主義主張で形成され、自分本位な年寄り連中が年功序列という劣悪な人事制度を捨てきれずに採用し続けている。


成果主義は日本では採用されない。それは古来からの日本人の考え方に理由がある。

日本人は何より安定を求め続けている。それは何よりも大切なものだから。


成果主義は安定とは程遠く、刹那を生きる者にこそ利点があり、安定を求めている日本人には受け入れ難いのである。


何事も良いものは受け入れ、悪いものを捨てないと、本当に良いものにはならない。


【年功序列】は年を重ね得た勲があり、それを若者に継承していく事に意味がある。年寄りが縋り付く為の人事制度ではない筈である。


【成果主義】は成果を得て報酬を獲得していく実力主義と同じ意味合いを持ち、実力のあるものは上に立つが、それは安定とは程遠いものになるだろう。


日本という国の悪い点を挙げたが、勿論良い点も多く存在している。


今挙げた点全て、幸福の最大値を目指すには愚かな考えであるというだけであり、日本は幸せに過ごせる様にできている。


富める者はますます富むが、貧する者が富むことも不可能ではない環境。美味い食が溢れ、社会的な弱者が仕事をせずに生きていける生活保護という制度があり、犯罪も少ない。

もし外国で餓死して亡くなった者が日本に転生した場合。ここは天国かと勘違いしても不思議な事ではない。


安全な環境で必要な教育を受け安定した生活を過ごす事ができる。



ああ、世界は混沌に満ちているが、何と幸せな・・・



俺もそれを享受する立場であった。


社会への多少の反感はあれど、優しい両親に恵まれ、仲の良い兄弟を持ち、美味い食事を堪能し、平和で安定した、心休まる生活を過ごしていた。



だが、それも、全て過去の出来事。


世界は混沌で満ちている。善と悪が混ざり溶け合い、あらゆる人種があらゆる思想や主義を抱き生活している。


まだ、俺は夢を見ているのだろうか。


俺の世界は平和で安定しており、それは当たり前の様に一生続くと思っていた。


大切な人達と、幸せな毎日を過ごせる筈であった。


目を覚まし最初に見た光景。それは外套を羽織った怪しな集団が、俺を囲っているという異常な光景。


今時の理解が早い若者なら直ぐに気付くだろう。



俺は異世界召喚という名の誘拐にあったのだ。



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