おふだぱんだ
ぱん・だー!
ぱん・だー!
森の奥深く。
元気なかけ声は、パンダの集まる広場から聞こえてきます。
可愛らしいパンダ達は、一生懸命に声を揃えています。
ぱん・だー!
ぱん・だー!
おや、そこに一匹のこぐまがやってきました。
こぐまはパンダに何か相談しているようです。
目をキラキラさせたこぐまに、パンダは嬉しそうにうんうんと頷いています。
パンダは切り株の上に置かれたおふだをひとつ取ると、こぐまの背中にぺたりと貼りました。
う〜〜〜、ぱんだっ!
まぁ、なんということでしょう。
こぐまはパンダに変身してしまいました。
パンダに変身したこぐまは、他のパンダ達と並んで同じように声を合わせます。
少しぎこちないのは、まだパンダに変身したばかりだからでしょう。
隣のパンダが木を登れば、こぐまも木を登ります。
パンダは木をおりることができないので、落ちる練習をしなければなりません。
笹を手で持つのも簡単じゃありません。
上手に持って、美味しく食べる練習だって必要でしょう。
のんびりとした動きに、なんでも気になってじゃれつく好奇心もパンダの魅力のひとつ。
パンダになったこぐまは、学ぶことがいっぱいですね。
それに、隣のパンダだってまだまだ下手っぴです。
さぁ、もうわかったでしょう?
ここはパンダになりたいこぐまの修行場です。
こぐまは特別なおふだを貼ることで、パンダに変身することができるのです。
見た目はパンダでも中身がくまのままだと、おかしなことになってしまうでしょう?
パンダらしい可愛らしさを、こぐま達はここで学んでいくのです。
ぱん・だー!
ぱん・だー!
一匹のパンダが修行を終えたようです。
どこからどう見てもパンダらしい、立派なパンダになりました。
よく頑張りましたね。
ぱん・だー!
ぱん・だー!
そうそう、修行を終えるとおふだは勝手に取れてしまうようです。
しっかりとパンダになっていれば何も問題はありませんが、中にはおふだが取れないのに修行を終えてしまうパンダもいます。
ぱん・だー!
ぱん・だー!
もしおふだがついたままのパンダがいても、おふだは取らないでくださいね。
きっとくまの姿に戻ってしまうでしょう。
でも、怖がる必要はありません。
中身はすっかり、パンダになっているはずですから。
ぱん・だー!
ぱん・だー!
パンダになりたい、こぐまの秘密のお話でした。