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7話 魔獣討伐(後編)

「エスタレアお嬢様には指一本触れさせません!!」 


「アミーラ!」


 エスタレアが私のことを心配そうに見つめている。

 

 本当に、エスタレアは……

 私のことよりも、自分の身を心配してくださいね。


 後方支援部隊を護っていた魔法師と騎士達も頑張ってくれてはいるが、私達を助けに来るだけの余裕はない。


 命に代えても、エスタレアは護る。

 私は無数の魔獣に囲まれながら、そう決意した。


爆風魔法ブラスト!!」


 爆風魔法を使って、魔獣数匹を弾き飛ばす。


 しかし。


 グルルルル!


 数が多すぎる……


「私の風魔法でエスタレアお嬢様を崖の上まで飛ばしますので、どうかお嬢様だけでもお逃げください」


「嫌です。アミーラを置いて私だけ逃げるなんて、そんなことはできません」


「お嬢様……」


 そうですよね。

 私の知っているエスタレアは、自分だけで逃げるなんて選択はしない。


 こんな危機的状況でなければ、これほど嬉しい言葉はないのに。

 私は思わず苦笑する。


 二人が戻って来るまで、何とか耐えなければ。


 さっき、敢えて大きな音がなる風魔法を使ったから、フーリュ卿とイヴェエル卿の二人なら必ずその意図に気づくはず。


 私だけではこの危機を乗り越えることはできない。

 自分の力のなさを口惜しく感じる。


 グワッ!!


 魔獣達が同時に襲いかかって来た。


「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 私は大きな声で自らを鼓舞こぶし、魔獣達の猛攻に対峙たいじした。


 ◇


「アミーラ、アミーラ!!」


 怪我を負った私を、エスタレアは涙を流しながら、治癒魔法ヒールで治してくれている。

 エスタレアは私のために、そんなに涙をしてくれるのですね。


 エスタレアが無事で良かった。


 魔獣に怪我は負わされたが、フーリュ卿とイヴェエル卿が戻って来るまで、なんとか耐え忍ぶことができた。


「エスタレアも怪我をしているではありませんか。私の怪我よりも、まず自分の怪我を治してください」


「なに言ってるのよ!! どうみてもアミーラの方が大怪我をしてるじゃない!! どうして私をかばって……」


 エスタレアが魔獣に襲われそうになった時、私は無意識でエスタレアをかばっていた。


「ふふ、だって、私はエスタレアお嬢様の侍女で、一番の親友ですから」


「アミーラ……」


 ギュッ!


 エスタレアが私を抱きしめてくれた。


 ……これだけでも、エスタレアのために頑張った甲斐がありましたね……

 

 エスタレアの温かい体温を感じながら、私は胸中でそう呟いた。



「私達が割って入る余地はなさそうですね」


「ああ、そうだな」


 フーリュ卿とイヴェエル卿は気を遣って、遠くから私達を見守ってくれている。


 二人もエスタレアが心配だと思うけど、ごめんね。

 そして、ありがとう。


 フーリュ卿とイヴェエル卿の気遣いに、私は珍しく感謝をした。

7話の最後まで読んでいただきありがとうございます!!


評価が多いと続きを書きたくなる気持ちになりやすいので、もし続きを書いて欲しいと思った方がいましたら、画面下の「☆☆☆☆☆」から評価をよろしくお願いします。

もちろんブックマークも嬉しいです!


感想も気軽に書いていただければと思います。

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