表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/29

休話 運動センスにものを言わせる

俺にはまだラブコメは書けないらしい

「磯野!野球しy」


「俺は磯野じゃねぇ。それに野球道具なんて持ってないだろう」

某アニメのセリフまんまで使ってこようとするな。


「あ、来たきた。今日妹さん入学式だろ?」


「そうだけど?」


「その不機嫌な感じ来るなって言われた?」

本当に鋭いなコイツ。

そうなんだよなぁ。


「髪切った状態だと目立つから学校来るなだってさ」


「あぁ、つまりお前が来たら『あのイケメンもしかして彼氏!?』って彼氏が居るのに勘違いされて面倒臭くなるってことね」

まぁ、どうせ同じ学校に通うんだから学校来るなって言い方はおかしいよな。

多分、本命はそっちだろう。

みなまで言わずとも察しるな。

何も考えてない可能性もあるけど。


「入学式に親にも来て欲しく無いって奴も居るには居るらしいからな。兄弟に来て欲しく無い人は多いのかも」


「本当か?入学式に親を呼びたく無いって逆にいつ呼ぶんだよ」

それに、兄弟も仲良かったら来て欲しかったりするだろ?

いや、それだと俺と心音の仲が悪いってことになるけど。


「入学式って何時からだっけ」


「9時から」


「オケ、それまでバドミントンでもしに行こうぜ」

現在朝7:42分朝早くから来すぎだなコイツは。


「良いぞ、ちょっと待ってろ」

バドミントンのラケットを持ってる時点で察してはいたが。

咄嗟の事態には反射と反応速度がものを言うからな。

バドミントンは丁度いいと、時々旭と遊んでいた。


「待たせた」


「ん、行こうぜ。体育館取ってるから」

近くにあったバドミントンコートのとこか。

あのジムも凄いな朝6時から開いてるのか。

それに個人、しかも学生にコートを貸してくれるのか。


受け付けに寄り、コートまで行く。

まだ、8時になって無いぐらいなのであまり人も居なかった。

軽く準備運動をする。

バドミントンは手首が柔らかいと良い、気がする。

切り返しのときとかに危ないから足首もちゃんと慣らしとこう。


まずは軽くラリーをする。

クリア、ヘアピン、ロブ、ドロップ、スマッシュ。

次に大体の基本の技を試す。


「そろそろ試合形式でやる?」

旭のスマッシュを受け止め言う。

シャトルが跳ねないように受け止めるにはラケットに当たる瞬間シャトルに沿わせるようにラケットを引くと良い。

まぁ、感覚でやってるから全く間違ってる可能性もあるが。


「一応言っとくとスマッシュに対して出来んのはお前ぐらいだからな」


「お前も出来んだろ」


「誰に対してもじゃないから」

俺だって誰のスマッシュでも出来るかは試してないんだが。

会話中だが気にせずサーブする。

呼び動作出来るだけ減らしたんだが普通に反応してきやがった。

プロの戦術とか技術とかは知らないが取り敢えずフェイントを入れながらラインの上にドンピシャラインの上に打つ。

一番後ろの線に打ったシャトルがネットに当たって前に落ちる。


「ホントにお前のそれキモいよな。何でピッタシで落とせんだよ」

ネットスレスレに落ちたシャトルをヘアピンで返す。


「お前も意味分からないぐらいネットスレスレなヘアピンできるだろ」

さらにそれをヘアピンで返される。


「それは俺は前のラインからだからな。お前は一番後ろの線のところで地面スレスレでも出来るだろ」

ヘアピンで右の線の上に落とす。

それがヘアピンで右の線上に落ちてくる。

それをネットの上を走らせながら対角線上に落とす。

旭はそれが分かってたみたいに打ったときには動いて後ろの線まで飛ばす。

追いついて俺も後ろの線まで飛ばす。

あえて浮かせる。

旭がスマッシュの体勢に入る。

取り敢えず構える。

打つタイミングに合わせてステップを入れる。

あ、アレフェイントだ。

前!

一歩でネットの前まで行き。

ネットスレスレのシャトルを返す。




◇◇◇◇




「はぁ」

朝6時から体育館に来てバドミントンしたり、ジムに行ったりする人何てそうそう居ないのに。

いや、探せば居るんだろうけど。私は見たことないからきっとここら辺には居ないのだろう。

受け付けの仕事って暇だ。この時間帯は私一人だし話す相手もいない。

受け付けを利用する人も多くない。

だから、スマホを弄っててもほぼバレない。

でも、誰か来てるときにスマホを弄っていると印象悪いからあんまり集中できないのだ。


「今さっきの人カッコ良かったな」

柔らかい笑顔が一瞬胡散臭く見えたけど優しそうだった。

連れの人も信じられないくらいイケメンだった。

二人ともスラッとしてて体型良いし、モテそうだな。


体育館の中からはシャトルを打つ音が聞こえてくる。

どんな風に打ってるのか気になる。


「どうせ誰も来ないでしょ」

私は体育館の扉を少し開けて覗いてみた。


「え?」

私はそれなりスポーツは好きだし得意な方だ。

だからバドミントンもそれなりに出来るし全く知らないわけでは無いのだが目の前で起きてる行動に関しては全く意味が分からなかった。

速い打ち合いのときはシャトルを目で追うのも難しい。

打ち合いって言うより撃ち合いだ。

多分お互い体に当てる気だ。

ネット際の攻防も異次元だ。

シャトルが全くネットから離れない。

ネットスレスレに落ちてくるシャトルを逆再生するみたいにネットスレスレで返す。

驚いたのはあの受け付けに来た少年が一番後ろの線のところら辺からネットスレスレで落ちる、ヘアピンだったかドロップだったかをした時だ。

とてもじゃないがあんな正確なコントロール出来ない。

二人とも動きが機敏で止まってるときがない。かなり高いロブを打ってもジャンプで届く。

というか、そもそも空中でスマッシュを打つそのバランス感覚が凄い。

もの凄い揺さぶりにも凄いスピードで追いつく連れのイケメンとまるで未来を予知しているかのように先回りしている受け付けに来た人。

もしかして、プロなのだろうか。

プロならこんなことも出来るのだろうか。

二人ともさっきから撃ち合いの音が途切れてない。

多分30分ぐらい前から打ち合っているだろうに余裕が見られる。

私はその光景に見入っていた。


「凄い…」

ふと、ラリーが止まる。


「あ…」

もうちょっとだけ観てたかった。


「どうかしたんですか?」

少し残念に思い俯いてると声をかけられた。

優しくて柔らかくて響く不思議な声だ。

聴き入りたくなるような綺麗でカッコいい声だった。


「まだ、時間有りますよね」

隣の受け付けに来た方のイケメンも言う。


「あ、すいません。余りに上手かったもので見入ってました」


「あはは、ありがとうございます」

受け付けに来た方の人。あれ?私名前知ってるか。

確か、菅原さんかな?

菅原さんが笑みを浮かべて言う。


「お二人は選手とか、もしかしてプロだったりします?」


「いや、違いますよ。趣味で二人で時々するんです」

そうなんだ。

もの凄いスピードでずっと動いてたはずなのに薄っすら汗をかいてるだけで疲れた様子もないし別でスポーツをしてたりするんだろうか。

もしくは時々って言ってるけど結構やってるか。

あんなに上手いんだから良く一緒にするんだろう。


「一応言っとくと俺たちは上手いんじゃなくて強いんすよ。多分」

連れの人が言う。


「いや〜、でも真似しようと思ったら出来るでしょ。それに技術で言うなら…。いや、でも戦術とか知らないことも多そうだな〜」

菅原さんが口を挟む。

私には何のことを言ってるのか良く分からないが私は二人は上手いと思う。


「あ、あの。動画、撮っても良いですか?」


「え?」


「その、バドミントンをしてるところを撮りたいなぁ〜って」

ダメ元でお願いしてみる。


「う〜ん、湊は良い?」

連れの方は湊さんと言うのか。


「俺は別にネットに上げないことと顔をあんまり映さないようにするなら良いよ。お前は?」


「俺も、別に良いよ。じゃ、お姉さんそう言うことで」

あ、イケメンにお姉さんって言われるの良い。





◆◆◆◆




「じゃ、行くぞ」

今回は動画を撮る人がいるので一応合図しておく。

予備動作を入れてそこから一瞬タイミングをズラす。

若干の捻りと膝を曲げることでズレたタイミングでもシャトルがラケットの真ん中に当たるようにする。

これが究極じょフェイント。

俺の腕とシャトルに注目してた場合。

打ったと思ったら打って無い、って状況になる。

のだが、勿論旭は返してくる。

左の角ジャスト。

それを真っ直ぐ前に返す。

それがロブで返ってくる。

動画撮られてるしカッコ付けるか。

思いっきりジャンプして相手のコートに対して背を向ける。

そして背面ノールックでシャトルをスマッシュする!

それに対して旭は大きく踏み込み。

股下にラケットを通してネット前に返してくる。

それをヘアピンで返す。

またヘアピンで返される。

これだと地味か?

態と緩く返す。

スマッシュで対角に打たれる。

それを一回転して取る。

ネットに当てることで前に落とす。

そんな感じの攻防を10分ほど繰り広げた。


「ありがとうございました」


「いやいや、別に良いですよ」

ニコニコとした笑顔で答える旭。


というかそろそろ時間だ。


「おい旭。行くぞ」


「オッケー」

一応二人で会釈だけして体育館を出た。






評価をお願いします

☆マークの奴。

別に五個じゃやなくてもいいのでレビュー見たいな感じで付けて貰えると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ