妹に彼女が出来ました
小説家になろうでは初投稿です。ドタバタコメディが書きたかったんや
「あのさ、お兄ちゃん。私、彼氏出来たの」
!!!!!!!!!!!
What? 驚天動地。
よし、取り敢えず自己紹介して落ち着こう。俺は佐野 湊。ちょっとシスコン気味の兄だ。あと、高校生一年生春休みになりあければ2年生だが。ダメだ、疑問が尽きない。
「え?どゆこと?彼氏って男?つまり、彼氏?彼氏って彼氏?カレー氏?かれしできたの?」
「うん、落ち着いてお兄ちゃん。彼氏は付き合ってる人ってことで、てか、何で逆立ちしてるの?」
「いや、ほらさ、ね?逆立ちしたらこの状況も変わるかなって」
ほら、誰かのおばあちゃんが言ってた気がする。逆立ちしても変わらなかったらホントみたいなこと言ってたし。
「はぁ、変わんないよ。ホントだから」
呆れられた、ぴえん。ホントってマジ?真剣ってこと?
「と、取り敢えずどこの馬の骨か言って?」
「…馬の骨じゃないし。言ってどうするの?」
「ん?なんて事はない。ちょっと軽くキュッと、ね?」
「ダメぇぇ!お兄ちゃんがキュッとしたら死んじゃうよ!」
いや殺すんだよ?てかそんなお兄ちゃんをゴリゴリのマッチョみたいな言われ方すると悲しい。
「分かった。一度その彼氏さんを見て遺言を聞いた後、締めよう」
「結局締めてるじゃん‼︎遺言聞いても変わらないよ。締めちゃダメ」
んー、まぁ。悪い男に捕まったんじゃないならいいかなぁ?
うちの妹は贔屓目無しにしても可愛い。どこぞのクズどもに狙われてないか心配だ。
「まぁまぁ、冗談だ。流石に殺して捕まっちゃ困るさ。妹を置いて刑務所には行けない」
まぁ、最悪バレないようにコソッと、ね?
「…良かった、お兄ちゃんホントに締めそうで怖いよ。…ちゃんと、良い人だから…」
頬ほのかに赤く染めながら呟く妹、この様子だとまだ付き合って間もなそうだな。というか、出来たのだから今日付き合い始めたのか?
まぁ、それより聞きましたぁ、奥さん。良い人ですってよぉ〜。まだ、中3なのにねぇ。子じゃない、人だ。これは、割と事態は既に深刻なことになってるのかもしれない。
「……。ただ、テストはさせてもらう。その男がお前を預けるに値するかな」
これだけは断固譲らんと言う意思を込め腕と足を組み見下ろすように言った。
「うう、い、良いよ!…ただ、あ、あんまり無茶苦茶なのは出さないでよ?」
少し、不安気な表情を見せたがすぐに強気に出てきた。
「ああ、約束しよう。流石に太平洋を渡れとかわ言わん。あっても火の中に飛び込めぐらいだ」
「いや、充分、無茶苦茶だよ⁉︎人は燃えたら死ぬからね⁉︎」
「…。まぁ、難易度的な話だ。流石に、火の中に飛び込めとは言わん」
「ホント?それぐらいの難易度ってのが既にヤバい気がするけど」
なぁに、大丈夫。少し一瞬の覚悟を示すだけだ。簡単だよ。
「…何か、嫌な予感がする。まぁ、しょうがないか、これぐらいの反応は予想してたよ。お兄ちゃんは超・絶・シスコンだもんねぇー」
うっ、確かにそうだな。
「それ、お前に対してだけど恥ずかしくないの?」
「…!恥ずかしいよ、お兄ちゃん!」
こっちに迫ってくる。あぁ、大きくなったなぁ。でも、俺も大きくなったから結局小さく見える、守らなくては。
「な、何だ?」
「お兄ちゃんがシスコンとか恥ずかしいんだから。学校では出来るだけバレないようにしてよね!」
ちょっと、怒ってる。かわよ。
「あぁ、善処する」
「あぁ!それ頑張らないやつー!」
もう怒った、と言うふうに口を膨らませ。ぽこすかと殴ってきた。
「いたい、痛い、やめろって。てか、ホントに痛い。お前割とちゃんと殴ってるだろ!」
「ふん、だってこれぐらいしないと懲りないでしょ」
そっぽを向く妹。
「ったく、分かったよ」
そう言って頭を撫でる。
妹は一瞬ビクッとしたがすぐに肩の力を抜いた。
「いきなり撫でないでよ」
「はいはい」
あれ?てか、彼氏出来たなら、もう、こういうのしない方がいいのか?
「あっ、確かに。もう、すぐに触らないでよね!」
「あ、口に出てた?」
「出てた」
マジか、ミスったなぁ。
俺の手を妹が退ける。
「じゃ」
あぁ、行ってしまった。寂し、彼氏許さん。
何だか愛娘が彼氏を連れてきた父親の気持ちがわかった。
もっとも、連れてきても、娘でもないのだが。
「にしても、アイツに彼氏か…。」
そろそろ、俺もお役御免なのかもしれない。
まぁ、まずは見極める。
いつか、こんな日が来たときのために考えていたことがあるのだ。
これは、超絶シスコンの兄が周りにドン引きされながらも妹を守ったり、自分に言い寄ってくる女を妹の方が可愛いと切り捨てたり、妹が1番だけどとか言いながら助けたり、友人と遊んだりして青春する話。……多分。
下の星マーク押してブックマークして感想下さいとか書いた方が良いですかね。
取り敢えず「超絶シスコン」とジャンル恋愛だっただけでも覚えといて下さい。