5章「ワークス基地第三戦闘機庫にて」
3と書かれた扉をリロサヤが開くと、戦闘機が多く置いてある、第三戦闘機庫に到着した。
ああ、これだ。兵器の、この機械の生臭さ。
そして、やかましい整備士達の声。
この空間は好きじゃない。
だが彼は退かず、ずんずん進んでいく。平気なのか?彼は。
子供兵、やっぱり可哀想だな。洗脳され、軍人に育てられるのだから。
やがて、il2の前に着いた。振り返り、リロサヤは言った。
「これは僕の軍機です。さあ、どうぞお入りください。直に隊長の軍機も届くと思いますが・・・」
彼のil2は・・・迷彩模様に輝く星と、Eskと描かれた名前のサインが印象的だった。
特に追加武器も無く、シンプルにまとまっている。
「・・・そういえば、これ僕のサイズに合わないんじゃないか?」
おそらく特注だから、大人には小さいのでは無いか。
「ああ。レバーは外せるので、サイズは自由に変えれるんですよ。僕はずっとレバーを持ち歩いてます」
彼はポケットからレバーを取り出した。確かに一回り小さい。
彼はレバーをしまうと、コクピットの近くにしゃがんだ。
・・・まさか、踏んで登れということか?
「い、いや、大丈夫だから!普通に自分で登るから大丈夫!」
「・・・そうですか?」
流石にこんな小さな子を踏むのは罪悪感あるよ。