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我らソビエトに栄光あれ!  作者: 新山翔太
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33章 「反乱、セロ・カシュラー編 2」

 とにかく自分に出来る事を探してみる。だが僕にはどうやら戦闘機に飛び込んで奴らと戦う事しか出来なさそうだ。

 僕はコクピットに飛び乗ってすぐさまに空へ飛び出した。後ろを見ると、七部隊の全機が発進していた。

 どうやら皆、自分と同じ様な事を考えた様だ。そうして景色が左右に展開していく中、僕は三機のホログラム戦闘機の姿を捉えた。

 正直ホログラムなのだから攻撃が通るのかすら分からないが……今出来る事はアタックのみ。

 三機は観察すると全くそれぞれ別の動きをしていた。この戦闘機はカシュラー一人の支配の元で動いている筈。……そう思うと、とんでもない事をしている様な。戦場の状況を全て把握しながら、別々の動きをさせているのだから。

 ……だが所詮カシュラーであろうと、動かしているのはただの人間。僕達が対処出来ない相手ではない。

「こちらイーグル!! ホログラムだが、対処出来ない相手じゃない筈だ!! 怖気ず攻撃しろ!! 各自散開!!」

 僕は無線でそうハッタリを伝え、散開させた。……本当は、敵うかどうかすら分からないのだ。

 舵を取り、ある一機の戦闘機の下をくぐる。今度は一気に上昇し、右側に回転する事で背後を取った。

 後ろに回り、少し様子を観察する。……羽の方から、何か青い光が漏れている。その粒子は羽を突き破り、まるであの……不死鳥を想起させる様な羽が生えていた。色さえも全く同じ、血の赤色。

 ……あの全てがホログラムなのだろうが……こちらも足止め位なら出来る……か……?

 僕は機銃のボタンを押した。ひゅんひゅん鳴る音と共に銃弾が発射される。だが。

「……なんだよこれ……硬すぎる」

 確かに銃弾は当たっている筈だ。けれど、全く効いている様子が無い。……精々、ぽろぽろ装甲が落ちていく程度。

 その時、無線から声が聴こえた。

「こちらシュワ! ……あまりにも機関銃の威力が強過ぎる! これ以上の戦闘は困難です! 戦場から離脱します!!」

「こちらロンラ、申し訳ありません、離脱します」

 次々に離脱報告が飛んでくる。……僕はこの時にようやく気付いた。

 未知数の相手に、戦闘機四機で勝てる訳が無い。……下手をすればこちらが死ぬ。

 僕は無線で皆に伝えた。

「皆よくやった。……全員基地に戻れ」

 戦闘機のスピードを上げ、無様だが一目散に戦場離脱した。

 その時、空から声が聞こえた。……カシュラーだ。

「ははははは!!! 無様だなあ閃光第七部隊のパイロット達は!!! こちらの試作段階のホログラム三機にあっさり離脱とは!!! 精々対策でも練っておくことだ……。こちらも引き上げさせて貰おう。……まだ維持するのが難しいからな……。また会おう、ワークス基地の諸君! はははははは……!!」

 周りを飛んでいたホログラムが消えていく……。結局装甲何も残さず、辺りにはただの空だけが広がっていた。


 基地に戻ってくると、早々に皆集まってきた。……相当な罵声を浴びされるのだろう。……何故なら僕は無茶な司令をした挙句、何も成果を挙げずにただIl2を傷付けてのそのそ戻ってきたからだ。

 戦闘機から降りると、真っ先にエンジニアの女性がこう言った。

「……あまり自分を責めないで下さいね、兵長」

「……え?」

 呆気に取られた声が出た。……罵声に耐える準備をしていたのに。

「何も問題無いです。それに、兵長が落としたホログラムの装甲を回収出来ました。この素材から色々と推測出来る筈です。……会議をしましょう。……兵長」

 それから皆の暖かい声が聞こえてきた。

「やろうぜ、皆!」

「挫けず行こう! 俺らはソビエトの戦士じゃないか!」

 ……目から涙が零れてきそうだった。……だがそれを必死に抑え……僕は基地の面子を保った。

「……よし、やるぞ!」

 基地中に雄叫びが響き渡った。……聞こえるか? このソビエトの誇り高き精神が……。……セロ・カシュラー。僕達は、貴方には負けない。

 そう心の中で炎が燃え上がった。

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