30章 「都市破壊作戦編 8」
「聞け!! ソビエトの戦士達よ!!」
マイクロフォン越しに、ロンガーシャの叫声が響く。
その声は今まで酒と躍っていた兵士達を震え上がせ、酔いを覚まさせた。
「・・・・・・うぇ?」
そして、皆が自然とステージの方を向く。
「・・・・・・間も無く、君達は英雄となるだろう。翌日の都市破壊作戦によって!」
皆が呆然と、しかし内容は脳に刻まれながら演説を聞いている。
「・・・・・・だが、君達はこの戦いによって、故郷の父母、兄弟、子を失ってしまった。その怒り、哀しみ、憎しみを、今奴らにぶつける時が来た!」
彼の言葉に夢中になっている自分が恐ろしい。
「この戦争において最も評価されるべきは、上層部でも、私の様な者でも無い! 君達の様な最前線で命を懸け戦う戦士達だ! 私はそう考える! 君達こそ、最も賞賛されるべきソビエトの士なのだ!」
表面上は良い事を言っている。だが周りの兵士達は、彼の言葉を耳にして、闘争心を高めている様だ。
「Слава нашему Советскому Союзу!」
我らソビエトに栄光あれと、ロンガーシャは叫ぶ。マイクロフォンがハウリングしても、彼は言葉を投げかける。
「Слава нашему Советскому Союзу!!」
皆が彼に続け、そう雄叫びをあげた。場は先程までの宴会ムードが消え去り、皆明日の作戦に向け、合致した様だ。
僕だけがロンガーシャの言葉を信じられず、気合が入らないのを、恐れていた。
狂った集団に、一人取り残されている気がして。
僕はどうすれば良いのだろう? 戦士としての誇りが、僕にはあるのだろうか?




