26章「都市破壊作戦編 4」
隣のトラックが停止した事が物音が止まった様子で分かった。
だがロンガーシャはそれより早く、防風布を勢い良く開け、闇に消えていった。
そして三秒後には、けたたましい銃声、悲鳴、物音が四方八方に広がり、溶けていく。
周りのトラックの者達も、ある程度気付き始めた。
少し微睡んでいたスクワーデスやリロサヤもその物音ではっきりと意識を取り戻した様だ。
音が少し静かになった所で、僕とスクワーデスは闇の中に向かい走り出した。
何も見えず戸惑っていたが、右の方向を見ると、微かにトラックの前照灯の光が見えた。
そこに向かうようにハンドサインでスクワーデスに伝え、慣れない重い銃を持ち向かった。
何とか雰囲気の違うトラックに辿り着いた。もう銃声はしなくなっていた。しかしまだ敵が居る可能性もある。銃を構えつつ、何時でも撃てるようにした。
そして防風布を上に思いっきり開けた。
「・・・やあ」
前にスクワーデスが言っていた、「血濡れプレイン」という二つ名。その意味がようやく分かった。
笑顔だった。屈託無しの。まるで、新品のシーツの様な純白で、かつ日の下に浴びせられた後のような。
だがその顔、その服には。
「・・・軍曹・・・血が・・・」
血紅が、服の緑、肌の白を隠す程に埋め尽くされている。
そしてそれに対しロンガーシャは純粋なる狂気と言わんばかりに答えた。
「こんなの気にしていると、戦場でやっていけないぞ」
そう言うと、彼は顔に着いていた血を手で拭き取り、その手をひと舐めした。




