22章「血濡れプレイン」
各ソビエト軍人に告ぐ
我が軍は今月、ナチス都市に爆撃を仕掛ける事とした。各部隊は本部に移動せよ。
尚遠い場にある基地に所属している者は移動用トラックをチャーターする。
ソビエト連邦
・・・・・・
「都市破壊作戦って・・・急にどうしたんだ」
手紙を受け取った後、僕は隊員達を集合させて、ミーティングを開いていた。
あまりにも急過ぎる作戦の予告に、皆整理がついていない様子だった。ドアの外からもドタドタと暴れる音が聞こえる。
「戦争は確かに佳境には達していますが・・・」
サラがそう呟いた。だがそれにしてもやはり早すぎる。本部が乱心でもしたのかと思う程だった。
「とにかく、やるしかないでしょう。多分、トラックが来るはずですよ」
スクワーデスは拳を固め、少し下を向き言った。
「一等兵。何かトラックについて書かれていないか?」
僕は手紙を熱心に読んでいるリロサヤに話しかけた。
「あっ、はい。えーと・・・。三台、トラックがサンボル基地に来る様です。どのトラックにどの隊が乗るのかまで詳しく書かれてますね・・・。そしてこの隊は・・・プレイン・ロンガーシャ軍曹が引率されるようです」
ロンガーシャ軍曹・・・。聞いた事がない。しかし、スクワーデスが何か知っていた様だ。
「ロンガーシャ軍曹・・・。確か、聞いたことがあります。空軍で活躍していたはずです。その活躍ぶりから、『血濡れプレイン』と言われていました。陸軍従軍時代に聞きました」
物騒な二つ名だ。だがそれ程畏怖される存在なのかもしれない。
「それなら、何か戦いのコツでも聞けるかもしれませんね」
リロサヤは目線を上にあげ言った。
そうではある。だが僕の心には不安が残っていた。




