2章「三人の兵士」
サンボル基地は本国の中でも忠臣にあり、そこから20キロ先にあるのが、レンサー軍本部ワークス基地。モスクワのすぐ近く。
朝から暗い気持ちだった。
異動の話ではない、指揮官の話だ。
ソ連レンサー軍レンサー航空機閃光隊七部隊。
それが今日到着予定の指揮する部隊の名前だ。
先に渡されたレンサー軍指揮官の勲章。
まだ指揮官にもなっていないのに。
銀色に輝き、R7という数字と鎌と槌が記されていた。
その美しさが、逆に僕を威圧させた。
揺れる軍用トラックに乗せられている中で、隊のメンバーの書類を見ることにした。分厚い本の中で、自分の隊のページを開く。
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レンサー軍航空機閃光隊七部隊
シュワーゲツ・サラ 上等兵 TAC.シュワ
ロンラワマ・スクワーデス 一等兵 TAC.ロンラ
エスカイア・リロサヤ 一等兵 TAC.エスク
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サラ上等兵・・・真紅な目と、茶髪が印象的な青年だ。正直羨ましい。
スクワーデス一等兵、女性の様だ。ポニーテールと、金髪。何故か死んだ目。
リロサヤ一等兵、明らかに緊張しているな。それに、まだ少年だ。最近は子供兵もいるが、彼もその一人か。
何にせよ、会ってみないと分からない、けど・・・。
「気が重いな・・・レンサーエネルギーって詳しく知らないし・・・」
乗り心地の悪いトラックの中で、理不尽な運命を死ぬ程憎んでいた。
TAC=TACネーム。無線で呼び合う時、この名前で呼ぶ。ちなみにハワナのTACネームはカッコつけて「イーグル」にしている。