19章「再来するセロ・カシュラー」
「少将の件は聞いている。残念に思う。これからは私、セロがこの基地をまとめていく。よろしく頼む」
終始カシュラーは笑顔でそう言った。少将に全く敬意を払っていない様に僕は感じた。
・・・・・・
「はあ。何なんですかあの少尉。少将の事を微塵も思ってないですよ」
まあ案の定というか、皆の評判は最悪だった。
こんな状況でこの基地がまとまる訳が無い。
この日僕はカシュラーと昼食を取っていた。
「何か知ってないですか?隊長。確か隊長って陸軍出身でしたよね」
リロサヤに聞かれ、昔の記憶を絞り出す。
「カシュラー少尉の事かあ。少尉は元から才能があったんだ。それであの歳で少尉になった。……僕が会って、ここに配属を伝えられた時は……軍曹だったんだけどね。軍曹の時はお陰で女兵からの人気がとてつもなくて……休みの日には手紙が二十通ほど来たらしいね」
僕は一呼吸置いてもう一度喋った。
「そして、僕をこのレンサー軍に飛ばして来たのも少尉だ」
リロサヤは水を飲み、話を聞いてくれていた。
「・・・そういえば、一つ思うことがあるんですが」
「何だ?」
「少佐、此方の顔じゃないですよね」
カシュラーの顔を思い出す。
「・・・確かに、そうだな。・・・敵のスパイとでも言いたいのか?」
リロサヤは少し表情を曇らせた。
「いや。気にしないでください。ご馳走様でした」
リロサヤは盆を持ち僕の方を去っていった。




