14章「不死鳥襲来編 3」
カラナタ中佐は僕の目を見た。彼の目は紺色に染まっていた。
「少し話をさせて貰おう。水でも飲みながら聞いてくれ」
僕は水を一口呑んで、彼の話を聴き始めた。
・・・・・・
私は、スターリン様がレンサー軍を設立された時から、この基地にいた。
元はここは普通の基地として使われていたが、レンサー軍の基地として使われる事になったらしい。
この基地で、私は一人の女性と会った。彼女の名前はシラーカ。彼女はとてつもない戦績を上げていた。腕が良すぎた。
柄じゃないが、その時私は恋を彼女にしたんだ。彼女は快諾してくれた。いつか終戦したらサンボルの花畑を見に行こうと約束したよ。
彼女と出会ってしばらくしてから、ある計画が進められた。この基地で。
その計画の名前は、『レンサーシステム搭載型軍機開発計画』。
一時的にレンサーエネルギーを、機体とパイロットに流し、肉体を強化して戦うというシステムを作り、il2に載せることにしたんだ。
今思えば、あの時が私と彼女の運の尽きだったな。
彼女は腕が良すぎた。彼女はテストパイロットに選ばれてしまった。
最期に何と言っていたか、私はもう忘れてしまったよ。
彼女がレンサーシステムを起動させた直後、システムは暴走し、機体はパイロットにエネルギーを過多に流し、彼女の肉体を溶かした、と伝えられた。
悲しかった。悔しかった。ただただ泣いた。
それしか無かった。
・・・・・・
「まさか、シラーカさんのそのil2が・・・」
「ああ。君達が言う不死鳥だろうな」
あっさりそう中佐は伝えると、水を喇叭飲みした。
「まだ夜は明るくならないだろう。もう寝なさい」
「はい・・・」
寝室のドアで別れる時、中佐は言った。
「どうか、彼女を解放してやってくれ。身勝手かもしれないが、頼む」
中佐は闇に消えていった。




