11章「シュワーゲツ・サラ」
また三機並び接近する。
風を切り、鳥になる。
「こちらシュワ、敵機の後方に回り込む。後は俺に!」
右側から轟音が響いた。
「!?あれは!」
「レンサーブーストですね。後で隊長にも伝授させて頂きます」
エスカイアがそう無線で言った。
そのシュワーゲツのil2はまるで空翔ける燕の様に、またあるは閃光の様に加速した。
敵機の上を悠々と翔け、一機、後方に回りこみ一機、敵部隊を殲滅させた。
爆発の赤い光が、目の前を通り過ぎた。
「こちらシュワ。二機撃墜。敵部隊撃破。ただいま帰還する」
コクピットで背もたれに倒れ込み、宙を見上げた。
「圧倒的だな。なんだか、それしか感じられない」
「レンサー軍第七部隊、最強の男。それが、シュワーゲツ・サラ。僕の仲間で、上官です」
エスカイアは語った。
僕の目標は、彼なのかな・・・。そう思った、初戦闘だった。
・・・・・・
帰還した後、ある程度の操作をリロサヤに教えてもらった。レンサーブーストは、機体中のレンサーエネルギーを大量に消費し、一時的に機体の速度を上げる物らしい。ただし使った後はその他のレンサーエネルギーを使う技は使えなくなる。
そして、寮に戻る途中で、スクワーデスに再会した。
「・・・そういえば、一等兵が内地に行かない理由って何なんだ?」
スクワーデスは今から寝るからなのか、いつもの括った髪を解いている。それが何か美しく見えた。月に照らされている。
「私は、小さい頃に少し虐められていて、ですね。その時、レーニン議長を見て。それで私はこの軍に入りたいって思いました。この土地に尽くすために。そして、虐めてきた人達を見返す為に。・・・単純ですよね」
「い、いや。良いと思う。じゃあ、お休み」
「お休みなさい。隊長」
・・・・・・
月を見ていた。考えたくて。彼女はレンサー軍に勝手に入れさせられた訳じゃないのだ。彼女は、夢を見ている。
レンサー軍には様々な思いが渦巻いているのだ。




