七、司 午後二時。その1
七、司 午後二時。その1
高校の授業を午前中に終え、司と友達三人は帰宅中に新宿に寄り道をしハンバーガーショップ。司以外の面子は、雪、二郎、真美だ。
皆、同じクラスの同級生で、同じ部活に所属していた。
「このハンバーガーなんかスゲェ味してんな」
二郎は両手でハンバーガーを掴みながら話をしていた。
「そのハンバーガー新発売のやつでしょ。その味、濃いんだよねぇ。あたいも初めて食べたとき、ビックリしたんだよねぇ」
「真美さんもそうなんですか? わたくしもそうでした。凄く濃厚で強かったのでなんとも個性的な味でした」
「俺は食べたこと無いなぁ。二郎、どんな味?」
「オレの個人的な感想だけど、凄い濃いソース使っている。で、妙に甘い感じがする。それが妙なバランスなんだよな」
「へぇえ」
ハンバーガーショップで小腹を満たす四人。全員が食べ終えるとお店を出た。
「食べた。食べた。あたいは満足だよ」
「真美さん。満足できて良かったですね」
雪の言葉にニンマリする真美。他のメンバーもある程度満足した表情を浮かべていた。
時間は午後二時。
すると突如アルタ広場からJR新宿駅の線路方面から非常に光が発生する。非常に眩しい光が周囲を照らした。あまりにも強い光は周りを白く染め上げ、色を奪った。
「眩しいです」
非常に強い光を目にする雪は手で顔に影を作り、雪は呟いた。
「なんなのあの光は」
「オレもわかんねぇよ」
目の前で起きることに信じることができない田中は、真美の質問に自分の感想を吐露することしかできなかった。
周囲の人間もその光が気になり足を止め、誰もが視線を光に向けていた。あまりの光に道路を走っていた自動車も事故が発生することを恐れ、停止し運転手も他の人間と同じく光を見つめていた。
高出力で周囲に放たれる光だったが、徐々に光の出力が下がり、直接光を見ている人々も眩しさも感じなくなりつつあった。
「なんかおさまってきた」
光が消えていくと同時に徐々に輪郭も視覚で捉えることができつつあった。
「何よ。あれ」
光が消えそこに姿を現したのはあの巨人兵だった。まるで、それはいつもその場所に存在していることが当然とでも言う様にのように鎮座していた。
「石像?」
不意に言葉が漏れる司。