8/10
依存
赤く染まった左手で
貴方の手を握った
夕焼けに染まる
あの歩道橋
あの横断歩道
あの坂
あの廊下
あの階段あの教室
貴方は夕焼けになったのだ
青く染まった右手で
ずっとペンを握り続けてた
貴方の居ない世界を書いた
自分らしさを求めた
自分を忌み嫌った
自分を終わらせたかった
自分を愛せなかった
自分の存在が不確かだった
自分は何者でも無かった
右手で貴方に触れないように
左手でペンを握らないように
貴方が居なくなった今でも
そうしている
貴方が
帰ってくる訳が無いから
私が貴方のところに行った時に
また手を握れるように
貴方はもう居ないのに
まだ貴方に囚われている