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少女  作者: 佐伯黒百合
3/10

二重

軀より先に心が、心より先に軀が

裂ける 千切れる 壊れる

本能でそう感じたら

真っ先に逃げることしか思い浮かばない

弱くて 脆くて 小さい

何から逃げるって言うんだろう

ここから?現実から?

それとも


貴方に会ってから生まれた自我が


私の中で捥がき暴れる


私じゃ無かった私が


まだ小さいけど生きていて


強い力で引き摺り込む


私じゃ無かった

何者でも無かった

あの頃に帰りたかった

貴方の隣に居る僕が

憎くて恨めしくて苦しそうで


消してやりたかった

そう気付いた途端

軀が浮いて魂だけになって

堕ちていった

浅い息が風の音


堕ちていく方から僕の声が聞こえた

僕が僕である為の叫びが


どんどん小さくなっていく落下の入り口を見た

人影があって

それが貴方で無いことを

最後の意識で私は


祈った

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