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少女  作者: 佐伯黒百合
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茜刺す

遠くに落ちる夕日が見えた

伸ばした私の手が赤く染まって

光と手を繋いだ気分になる

指を曲げて握ろうとする

貴方が握ってくれるだけ

私は握り返せない


先の潰れかけた万年筆に碧いインクを刺した

私の指先にも少しついて

ペン先が踊って青い春を書く

夜の雲みたいな色だった

もうすぐ夕日も

この色になる


進み出せない脚が憎いのだ


貴方に手を引かれるだけの手が疎ましいのだ


抱きしめ返せない心が死にたいのだ


小さなつぶやきで歌った

喉は鳴らさない

指がキーボードの上を走って

音となる声となる

窓から光が差し込んで

それは赤い赤い恋の歌になる

貴方の手が私の手を握って

こう歌っている間だけ、この時間だけ

貴方の手を握り返せた気がする


私の歌を聴いて

さようならの前のこいのうた

なんで恋を無くすと泣いてしまうかがわかった気がする

限りなく愛に近いくせに

どうしても愛になれないから

この歌もきっとあいになれない

でも歌わせて

歌ってる間だけ愛でいさせて


夕日の刺す部屋に居る

貴方の居ない部屋で、一人

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